2018-12-28

プー子とFrankfurter Weihnachtsmarkt

こんばんは、プー子です。
みなさんは素敵なWeihnachtを過ごしましたか?
プー子は、クリスマスの少し前にフランクフルトに遊びに行った。

どうもフランクフルトのWeihnachtsmarkt(クリスマスマーケット)は世界最古とか聞いたので、むかーしむかしにも行ったことがあるけど、また見に行きたくなった。
Ich habe gehört, dass der Frankfurter Weihnachtsmarkt am ältesten ist!
Also wollte ich den besichtigen! Ich bin mit dem Bus gefallen.

ストラスブールからフランクフルトまで格安バスというのが出ていて、それで行った。このバスドライバーのおじさんが、仕切りたがりのおじさんで、ちょっと道中辛かった。プー子は、意地悪な羊飼いに連れられた羊の気分だった。メー


フランクフルトに着いた!

とても居心地のいいホテルにチェーックイン! プー子はドイツ語を話した。

フランクフルトの街は、古い街並みと近代的な高層ビルが混じっていて、とても不思議。ヨーロッパ中央銀行の本店もここにあるのでーす。




中央駅のツーリストインフォメーションに行って、情報を集めた。
プー子がゆっくり、きちんと、ドイツ語で話したら、受付のおじさんも、ドイツ語で返してくれた!

おじさんが地図はsechzig Centというのでプー子がお財布を出して払おうとしたところ、隣にいたピエールおじさんがフランス語でプー子にcombienと訊いたので、プー子はsoixante centimesと言った。それを聞いたインフォメーションのおじさんがフランス語を話し出したので、プー子はあわてて、ドイツ語でお願いします!ピエールおじさんのことは無視してください!と言った。

時間的に行けない気がしたけど、行けたら行きたいと思っていたPalmengartenまでの行き方も、事細かくドイツ語で訊いた。何番のU-Bahnですか、どのくらいかかりますか、どこから乗れますか、などなど、全部ドイツ語で訊いた。もしかしたらプー子のドイツ語はところどころ完璧ではなかったかもしれない。でもインフォメーションのおじさんは、ドイツ語で丁寧に答えてくだすって、プー子も肝心なことはすべて理解した。


以前、フランクフルトに来たときは、特に中央駅付近は怖いイメージがあった。
けれども今は、ドイツ語が話せて、ヨオロッパの治安にもだいたい慣れてきたから、前よりも、なんかもっと、ワクワク面白い感じがする。
ちゃんと聞いて、ちゃんと返事してくれる人とお話するのって、楽しい!


それからフランクフルトのWeihnachtsmarktに行った。
クリスマスマーケットは旧市街でやっている。
中央駅から普通に歩いて20分ほど。でもプー子は、ヨーロッパ中央銀行の建物を見たり、ゲーテ像に話しかけたり、巨大なデパートみたいな本屋さんで油を売ったりしながら移動した。ドイツでは、クリスマスに豚が関係しているのか、豚のチャームをいっぱい見かけた。


そして到着、世界最古(かもしれない)クリスマスマーケット!






ストラスブールのツリーに負けるとも劣らない高さのツリーです!


オータンネンバウムー
オータンネンバウムー




これはフランクフルト名物Apfelwein(りんごワイン)のホットワイン! おいしかったー

カップは陶器だった。3ユーロのデポジットを払う。飲み終えてカップを返したら、3ユーロ戻ってくる。

ちなみにストラスブールでは、プラスチックのコップでデポジットは1ユーロ。


ドイツのクリスマスマーケットは、フランスのよりもconvivialな感じがする。ワイワイにぎやかで、雰囲気が暖かい。立ち飲みスタンドがたくさんある。時にはテーブルもある。そこでホットワインを飲んだり、ご飯を食べたり、休んだりして、おしゃべりをする。
疲れにくい工夫がしてあって、プー子は嬉しい。

他にもラズベリーワインとかも見かけた。
ビオの野菜スープとか、くっさーいチーズ(ラクレット)とか、フライドポテトとか、色々あった。チーズの屋台は、近づいたらすぐにわかるほど臭かった。






これは炭火焼のバーベキュー屋台!いろんな種類のソーセージがグリルされていた。






あな、うれしや。
この日は晩御飯のレストランを予約していたので、ソーセージはぐっと我慢!
カフェでドイツビールを飲んで、クリスマスマーケットの雰囲気を満喫した。

フランスとちがって、ぜーんぜんセキュリティチェックがなかった。
警察の車とか、銃を持った見回りの兵士とか、たまに見かけたけど、フランスみたいにどこにでもいますって感じはしなかった。




お兄ちゃんの頭の上に、ハートがみっつ!


この日はとてもおいしいドイツ料理屋さんで、ドイツワインとドイツ料理に舌鼓をうった。イヨーッ ポン!




翌朝は、ホテルでのんびり。
ホテルの朝食が文句なしに美味しかったので、プー子は満足であーる。
ここでもプー子は、給仕のお兄さんとドイツ語で会話をした。


遅い時間にホテルをチェックアウトして、シュテーデル美術館に行った。
ホテルで荷物を預かってくれるよう頼んだどきも、
美術館でEintrittskarten を買ったときも、ドイツ語!
A2まんなかぐらいのプー子の実力!

シュテーデル美術館は巨大な美術館で、とても1日で回りきれなかった。
プー子たちは、近代以前の絵画の4分の3ぐらいと、近現代絵画を見た。
特設展は、もうちょっと、諦めた。

有名なゲーテの絵があったけど、脚の描き方が明らかにおかしかった。
プー子は、小さなフラアンジェリコの絵が気に入った。






それからPalmengartenに行くこともできたけど、昨日見たグリルソーセージを食べたい欲に負けて、またクリスマスマーケットに行った。


炭火でグリルしたソーセージとビールは、最高じゃった。




大聖堂にも行った。
ここは、ビールを飲む前に行った。たまたま合唱団とオルガンのコンサートがやっていた。ここのオルガンには水平に突き出ているパイプがいっぱいあって、ちょっとトゥールーズのサンセルナン教会を思い出した。こういうのってスペインに多いのだっけ?

大聖堂の中を歩くと音響がどんどん変わって、面白かった。

最後にU-Bahnに乗ってホテルまで戻って、荷物を受け取って、無事に帰路につきました。ふう









フランクフルトのクリスマスマーケットが世界最古だったかどうかはよくわからないけど、ドイツ語の確かな前進を感じられた旅でした。


旅の記念に、ドイツ語の冬にかんする詩集を買ってもらった。ヘルダーリンとかヘッセとか、いろんな人の詩のオムニバスであーる。

どれも短い詩だから、読みやすい???

2018-12-14

プー子、事件後のマルシェ・ド・ノエルに行く

こんばんは、プー子です。

火曜の夜にストラスブールを震撼させた乱射事件は、
木曜夜の犯人制圧によって、一応の解決をみました。
プー子は、射殺という言葉はあまり好きではないので、制圧と言います。

プー子たちは、実に、火曜から木曜まで、恐怖の時間を過ごしていた。
なんてったって、火曜の犯人の最後の目撃情報がうちのすぐ近くだった。
水曜はプー子たちは外出しなかったけど、
仕事に行ったピエールおじさんが帰り道で、大掛かりな警察の作戦を見たそうだ。
そして木曜には、うちの目の前の広場で犯人の目撃情報があって、
特殊警察が出てきて道路を閉鎖していた。それでも見つからなかった。

もしかして犯人は、うちのすごく近くにいるんじゃないかと思うのに
十分すぎるほどの理由があった。

そして昨日、木曜の夜、再びうちの地区の上空をヘリコプターが飛んだ。
これが犯人制圧の作戦のひとつだったらしい。
特殊警察が犯人に似た人を見つけて、質問をしたところ
銃を撃ってきたので、反撃した、ということだった。
現場はうちから歩いて5分ほどのところ。
やっぱりというか、犯人は、うちの地区に潜んでいたらしい。
あな おそろし。

犯人とはいえ、人が亡くなって終結するのは、なんとも後味が悪いとプー子は思った。

それにしても、広場での目撃情報といい、制圧の瞬間といい、
犯人は結構この辺を出歩いていたということかしらん。



今日、プー子は用事があったので、早速、中心街に行ってみることにした!
暗い時間に行くのは怖いので、お昼12時半から14時まで。
明るい時間にちゃっと行って、ちゃっと用事を済ませて、ちゃっと帰ってきた。



今日からマルシェ・ド・ノエルは再開しています。でも夜8時に閉まります。人は、事件前に比べて、とても少なかった。プー子は、今年もヴォージュ山脈の飴ちゃんを買った。


乱射事件のあった現場も通った。
花束とキャンドルが所狭しと並べてあった。この寒い冬の日に、こんな路上で、見ず知らずの人に撃たれて亡くなるなんて、なんと無念だっただろう。

今日の発表では、死者は4人になったそうだ。




現場の近くにある花屋さんは、忙しそうだった。
マルシェドノエルでも、キャンドルがたくさん売られていた。
商魂...??


そういえば、昨日の夜、制圧現場には、犯人制圧直後に内務大臣がやってきた。
亡骸を確認しにきたじゃろうか?

そして今日は、エマニュエル・マクロンが
ストラスブールのマルシェ・ド・ノエルにやってきているらしい。
それでまた道が閉鎖されたそうな。
これも、商魂...???





とにかく今日は、
途中で何回も銃を持った警察隊を見た。
10人とか12人ぐらいのチームで、ぞろぞろ歩いていた。

なーん年も前に、プー子が初めて、銃を持った警察隊を見たときは、2人1チームだった。それがこの10年ぐらいで、3人になり、4人になり、そして今回はなんと大所帯!

プー子は、ああいう武装した人を見ると、怖いなあ銃が暴発しないかなあと思うけど、今回はちょっとだけ、こういう人たちの近くにいる方が安全なんじゃろうかという思いが頭をよぎった。




クレベール広場にも、たくさんのキャンドルと花束が添えられていた。


犯人制圧によって、この事件は一応の解決を見たものの
もはやストラスブールのマルシェ・ド・ノエルは
今までのとは違うものになりにけり。
恐怖が去って、今、ストラスブールの街が感じているのは、悲しみです。

以上、現場からプー子がお伝えしました。



2018-12-12

ボクと恐怖のノエル

こんばんは、ボクです。

昨日の夜7時50分ごろ、ストラスブールで発砲事件があった。
大聖堂にほど近いオルフェーヴル通りで、男が銃を乱射したらしい。



オルフェーヴル通りというのは、大聖堂とタンプル・ヌフをつなぐ狭い通りで、今の時期は、クリスマスの飾り付けがとくに有名だ。

この通りには毎年白い枝が飾られて、夜でもここはまるで昼間のように明るくなる。観光客も思わず足をとめて写真を撮る、そういう場所なんです。

この写真は2015年のオルフェーヴル通り。今年も基本的には同じ感じだった。こんなに狭くて人がごった返しているところで乱射事件があったと思うと、ボクはおそろしい。




昨日の夜、8時まで居合の稽古をしていたピエールおじさんは、帰り道にたくさんの警官を見たそうだ。高速道路をスコープで狙っている警官もいたらしい。


8時ということは、銃撃事件が起きた直後で、犯人がタクシーで逃走していた頃だ。おじさんの近くを犯人が通ったと思うと、とても怖い。そして犯人は、ボクたちの住んでいる地区に逃げてきたのだ!(たぶん) 昨日は自宅待機令が出た。この辺りでは道路を走る車は、何時間にも渡ってゼロだったそうだ。渡哲也。


昨夜は、警官が犯人の自宅を取り囲んでいるとかで、ヘリコプターが真夜中過ぎまでうるさかった。だけど犯人はお留守だったようで、今日もまだ捕まっていない。


今日も、ボクんちの近くで、警官が閉鎖しているところがあるらしい。
犯人は、そこに潜伏しているのか??ドキドキ...


ボクは、昨日からお外に出ていない。窓にも近づかない。
ピンポンが鳴っても、出ないことにしている。
電話でもメールでも、相手から直接触れられないように警戒している。


2018-12-07

プー子と揺れるフランス

こんばんは、プー子です。





今年もやってきました、
マルシェドノエル。




でも今年は、ちょっと物騒な雰囲気です。



フランスでは、数週間前から、土曜日になると反政府デモをやっている。
デモの参加者は、黄色いベストを着ているので
Gilets Jaunes(黄色いベスト)運動と呼ばれている。
パリのシャンゼリゼ通りは土曜になると、炎と煙が立ち込めているらしい。
そろそろ軍隊が出動するかもと噂されているけど
とりあえず明日は装甲車が出てくるらしい。

あと、1週間ぐらい前から、高校生もデモをやっている。
この高校生デモは、ここ数日で急速にフランス各地に広がって
昨日の木曜日には、多くの高校でボイコットがあったそうな。

こういう状況を、革命と呼び始めている人もいる。
とにかく非常事態宣言の一歩手前、そういうところです。

そんな中、今朝、パリ近郊の高校生のデモを鎮圧する警察の動画が
インターネット上で出回った。昨日のことらしい。
大量の高校生が、地面に膝をついて、
なんかもう犯罪者みたいに取り扱われていた。

この動画はインターネットを通して瞬く間に広がって
警察はなんてひどいことをするんだ!と反感を買った。


こういう時、プー子はいつも思う。


高校生も、警察も、
どっちもどっちで、悪いんじゃないかと。


だって高校生は、警察に取り締まられる前まで
公共物を破壊して、道に停まっている車をひっくり返して、
車を燃やしていたのだ。これも動画があって、
決して善良な高校生のデモに紛れた
邪悪な壊し屋のせいだけじゃないことがわかっている。
一部の高校生が乱暴を働いたのだ。

それはやっぱり、プー子は、いけないことだと思う。
だから警察の扱いもひどいけど、
高校生の方でも、ひどく扱われるほどのことをしたわけだと思う。


けれどもフランスの人たちは、あんまりそう考えない人が多い。
デモを支援する人たちは、われわれはもう長い間虐げられてきて、
その我慢が限界に達したのだから仕方がない、という。
やられる前にやらねばならぬらしい。ダントンか!

そらあね、プー子だって、今回でいえば
黄色いベストも高校生も、デモをする理由はわかるし、
むしろその理由には賛成だ。
だけど我慢が限界だからといって、方法を選ばないのは、どうかと思う。

デモが頻繁なフランスで、
デモが過激化するたびにプー子は、心の中で
「デモ隊も警察も、そりゃやりすぎじゃろうて」と思う。

デモだけじゃない。
シャルリー・エブドのときもそう思ったし
もっというとフランス革命のときもそう思った。
我慢が限界だからって、暴力はいかんじゃろて。

でも、どっちもどっち、とか言うと、
周りのフランス人から猛反対を受けるので
プー子は黙っているのです。

2018-11-18

プー子、10歳になる。

こんばんは、プー子です。
10歳になりました。











お誕生日ケーキといっしょに。







今年もプー子のお誕生日祭は盛況だった。
11月12日が本祭だけど、その3日ぐらい前から
カラオケ大会、ピレシュのコンサアト、大谷くんの新人王などイベントが目白押し!
フィギュアスケートNHK杯も、特に女子が、プー子のお誕生日のおかげですごくハイレベルのいい試合だった。
そして今日、オペラ座でバレエを観て、プー子お誕生日祭は終わった。
実に8日ほど続いたお誕生日祭であった。

お祭りのあいだ、毎日ケーキを食べて楽しかった。
最初は、ティエリー・ミュロープトのゆずのケーキだった。
初めて食べた時は、あまりパッとしなかったけど、
翌日食べたときは、美味しかった。
それからチョコと洋梨のタルトも食べた。
ブルーベリーのフィナンシェも食べた。


おばさんが、「お誕生日は普通は1日だけなのよ」とおっさったけど
プー子は普通よりずば抜けた女の子だから、
プー子の誕生日のお祝いは、これぐらい長くて十分なのであーる。






今日、オペラ座の前で。

本日は快晴! 今日は、最高気温10度だったらしい。明日以降は冷え込むので、しばらく二桁の気温からはオサラバだ。



街はすっかりクリスマス準備



プー族御用達ケーキ屋さん・クリスチャンのクリスマス飾り。









お兄ちゃんと一緒に、じっくりとケンプ先生の子供の情景を聴いた。

2018-11-01

ボクとおぜんざい

こんばんは、ボクです。
11月になりました。今年もあと2ヶ月を切りました。早いもんだ。
今年もボクは、いろいろな大事業をなさった。

今週は諸聖人の休日があって、街は少しバカンスモードです。
ここぞとばかりに冷え込んだので、ボクも
ここぞとばかりにお家にこもっています。

それでも、毎日まいにち お家の中にいると
ちょっとメタボが心配ですから
少し前に、がんばってお散歩をしてみました。

最高気温は7度!寒い...

クレベール広場まで歩くと、もうクリスマスツリーが立っていた。
毎年、ヴォージュ山脈から大きいもみの木を伐って、ストラスブールのクレベール広場にたてて、飾り付けるのです。


気、早すぎ!


10月の次に11月があるってことを、忘れてるんじゃあなかろうか。待降節が始まるまでまだあと1ヶ月ぐらいあるというのに...


あと1ヶ月待たないと、クリスマスマーケットだって始まらないよ。ストラスブールの街が、それはそれは綺麗に光り輝く季節に、ボクは思いを馳せた。





とにかく寒い日にボクはがんばってお散歩をしたので、
ふと、おぜんざいが食べたくなった。

フランスでは最近AZUKIという名前で
ビオのあずきが売ってある。
それを1パック買って、炊いてもらうことにした。

バカンスだから、おうちに引きこもってばかりいるので、
こういうときこそ小豆を炊くのにちょうどいい。


そこで、昨日は、
小豆をぐつぐつ、ぐつぐつ


そういえば護王神社の亥の子祭りは今日だから、炉開きも近い。こんなときに、おぜんざいを食べるなんて、タイムリーで粋な、茶人のボク。



じゃじゃん!

白玉ぜんざい!


これは、日本で食べるみたいに、文句なしに美味しかった!ビオの小豆にビオのお砂糖!なんかとても体にいいことをした気分だ。

甘さ控えめにしてもらったので、奥ゆかしい味がした
。お家で作る特権だ!







小豆が余ったら、こういうこともできる!

まだ余ってるので、冷凍保存してもらった。これでまだしばらくはおいしい餡子が食べられる。


寒い日に小豆を炊いて、おうちでゴロゴロ
最高じゃあないか

2018-10-28

ボクとピエールおじさんと夏時間の終わり

おはよう、ボクです。

今朝、ボクが起きると、
ピエールおじさんは慌てながら出かける支度をしていた。

そうか、今日は日曜だ。
日曜だから、おじさんは居合道の朝稽古があるのだ。
毎週朝っぱらから、ご苦労なこった。

おじさんはボクに言った。
「じゃあプーちゃん、行ってきます。
もう既にちょっと遅れているんだ」

そう言っておじさんは、稽古仲間に電話を一本いれた。
稽古仲間は電話に出なかったらしいけど、
留守番電話に「ちょっと遅れる」と言っていた。

ボクは朝ごはんを食べながら、
「いってらっしゃいピエールおじさん」と言った。
ピエールおじさんが玄関で「行ってきます」と言った。


そのとき!  歴史が動いた!


うちの電話が鳴った。
おじさんの稽古仲間からだった。

ボクは、玄関先にまだいたおじさんに、電話を渡した。


電話口のおじさん「えっ! ええっ!!」


おじさんは電話を切った。
それから、ゆっくり荷物を降ろして、靴を脱いだ。

なんと
おじさんは、今日から夏時間が終わるってことを忘れていたのだ。
稽古にちょっと遅れていると思っていたのだけれど、
本当は30分以上早かったんだ。なんて間抜けなんだ!!!
ああ、なんて大間抜けなんだ!


ボクは、どうせならおじさんが急いで歩いて、稽古場に着いて
だーれもいない道場でポカーンとしていてほしかったもんだ。

おじさんの稽古仲間は、おじさんの失態を
家族に話して、ご近所に話していることだろう。

ボクはボクで、人の失敗は大好きだ。
けれどもこういうことを吹聴すると、プーちゃんは
かわいいのに性格が悪いと思われるかもしれない。

だから、プー子ちゃんに話して、樹々に話して、鳥たちに話して、
新聞記事に書いて、ブログ記事に書いて、
それで心の中にそっとしまっておくことにする。


2018-10-27

ボク,灰色の空を見て落ち着く

こんばんは、ボクです。

最近は寒くなりました。




これは、つい2週間ほど前の写真。


この頃はまだ、最高気温が20度を超えて、わりと暖かい日が続いていた。少し歩くと汗ばむ陽気だった。今年は冬の到来が遅いなと思ったもんです。







だけどやっぱり、暖かい日が続くと思っていても
秋は深まってゆくもんで。






今日は最高気温が11度です。

植物園のもみじも、すっかり赤い。
赤いというより、紅だ。




空も灰色、どんよりしている。


だけどもボクは、今日、この灰色も悪くないと思ったのだ。思うに、夏のような青空は、もう十分です。これ以上青空が続いたら、ボクは疲れてしまうだろう。


灰色の空を、鳥の黒い影が飛んでいくのを見るのも、それはそれで落ち着くってぇもんです。最近は、雁みたいな鳥が、夕方になると群になって飛び回っている。日が落ちるのも早くなった。


植物の葉っぱは、色づいて、落ちている。常緑樹はずっしり。なんというか世界全体が、夏の浮かれた気分から脱皮して、落ち着こうとしている感じ。こういう気分が巡ってくることも、とても大切なのだ。
もう10月も終わろうとしている。
あと1ヶ月もしたら待降節で、クリスマスのマルシェが始まる。そうしたら今年ももう終わりだなあ。

ボクは今年も、たいそうお忙しく過ごされた。
そろそろゆっくりする季節です。

秋といえば、チョコレートだ。
明日、夏時間が終わる。一気に冬めく。そういえばヨオロッパは、夏時間をやめるらしい。ボクは大賛成。でも、いつからやめるんだろう。明日、時計の針を遅くしたら、来年の春にはもう早めないのかな。もしかして、明日が夏時間の最後の日?さよならは突然に...




大きなケヤキの樹を発見。

2018-10-22

ボク、大事な電話を取り逃がす

こんにちは
だんだん寒くなってきましたが、ボクはお元気です。






少し前のことだけれども
うちの電話(固定電話)に故障が発見された。

こちらから掛けるぶんには問題ないけれども
電話を受けることができないらしい。








あたらしい電話器を買ったらこの問題は解決されたけれども、
一体いつから、ボクたちは電話を受け取れなかったのだろう。
もしかして大切な電話がかかってきたかもしれない。



















でもボクはご安心、
なぜならノーベル賞も入閣も新しいタイガースの監督就任も、すべて事前に断っていたからです。ボクは先見の明がおありになる。





2018-10-05

プー子、回り道の大切さを知る。

こんばんは、プー子です。

ストラスブールに住み始めて4年目、プー子のドイツ語も4年目!

最初の2年はフィッシャー先生のもと、
順調にA1-1(初心者)を終え、A1-2(初級続き)も終えた。

3年目でホルボック先生に変わって
話す力と聴く力を鍛えられた。
去年の授業はA2-1(初中級)のレベルのはずだったけど
教科書を使わないメソッドで、参加者のみなさんのレベルが高かったから
ホルボック先生は、このクラスはA2-2(中級のはじめ)のレベル、とおっしゃっていた。

授業の難しさは、
A1-1(初心者)

A1-2(初級続き)

 A2-1(初中級)

 A2-2(中級のはじめ)

 B1(中級)... と続いていく。

去年の授業は難しかったけれども、一応最後まで出席した。
かといって、A2-2を終えた気にはならないので、B1は難しすぎるだろう。
どうしようか迷った結果、今年はA2-2に登録することにした。
去年のクラスは、本来はA2-1だったはずだから、その続きということでよかろう。こないだドイツに行ったときも、タクシーの運転手さんと、プー子はドイツ語で意思疎通できていた。





で、先週が初回。

授業は普通にドイツ語だけど、まあ、やっていけるかな...と思った。書かれたものに沿って話していたので、あまり無理はなかった。







今週が2回目。
今週は、2つのテキストに書かれてある情報を総合して話さなければならなかった。前回よりも自由な発話能力が求められる授業だった。

それでプー子は気づいた。
結構な割合のご学友が、普通にドイツ語をしゃべってらっさる!
プー子は、ちょっと難しい文章は、頭の中で組み立ててからでないと、話せない。聞くときも、聞いてすぐわかるときと、ちょっと考えないとわからないときと、考えてもわからないときがある。

ところがご学友のみなさんは、ドイツ語が口をついて出てくる。ドイツ語でポンポン受け答えなさる。プー子みたいに、なんとか意思疎通できるとかいうレベルじゃない。みなさん、淀みなく意思疎通できるのだ! もう大半はドイツ人なんじゃないかと疑うレベルだ。

気がつくと、プー子は最前列に座りながらも
「先生、どうかプー子を当てないでください」と思っていた。
プー子はこんなこと、今までほとんど思ったことがない。

プー子は、くやしい!

悔しいけど、仕方がない。
ここは勇気ある撤退をすべきだ。
授業が終わったあと、プー子は先生に、この授業はプー子には難しすぎるので、クラスを変更しますと言った。先生はプー子に、ドイツ語やって何年目かお尋ねになった。プー子は今年が4年目です、ずっと週1でやってきましたと答えた。先生はすかさず、A2-1を勧められた。

と、いうことで、今年も、A2-1(初中級)をするのだ。
ちょっとプー子は落ち込んだけど、仕方ない! 一歩一歩、着実に、ポコ・ア・ポコ!

決して、去年のホルボック先生のせいだとは思わない。
A2からのレベルは、きっと週1では、1年で終えられるほど簡単じゃないってことなんだと思う。下を向いても仕方ないので、プー子は、上を向く!


と、いうわけで、今日、クラス変更の手続きをしにヨオロッパ大学の事務局に行った。なんとなくクラス変更のためだけに事務局に行くのはシャクなので、今まで通ったことのない道を通ったりして、楽しみながら移動した。

クラス変更は無事に完了。

帰り道も同じようにぶらりと気の向くままに、事務局の隣にある大学付属の植物園に入った。これがなんといいところ!




入り口付近に懐かしい木があると思ったら、日本の紅葉だった。



傘みたいに広がる不思議な木。



温室もあって、むわっとした湿気が気持ちよかった。


ここの植物園は、1〜3月以外は毎日開いてるらしい。なんと無料!


水場があったり、天体観測所があったり、ほんとうに気持ちのいい場所だった。また行こうと思う。





ドイツ語のレベルを下げたことは悔しいけど、人生には回り道も大切なのだと思ったプー子でした。



2018-09-13

プー子、ライプツィヒでバッハを感じる

さてさて、DBを乗りついで、優しいみなさんに助けてもらって、
プー子はついに、ライプツィヒの街に繰り出した!





まずは、ワグナーさんの銅像。
ワグナーさんも、ライプツィヒ生まれなのであーる。


この銅像の近くで、手錠をかけられている若者を見た。やっぱり治安悪いのかな...






こちらは聖ニコラス学校。ライプツィヒ初の市民学校。ワーグナーさんも、ライプニッツさんも、ここで学んだそうだ。







聖ニコラス学校の向かいに建つのが、ニコラス教会!!
JSバッハの主な勤務先は聖トーマス教会だけど、バッハはニコラス教会でもカントールだったそうな。



ニコラス教会の中
全体的に、淡い色で統一されていて、とっても綺麗。



椅子の形も、ちょっとピアノみたいでかわいい。



とっても綺麗な内装。天井はシュロの樹を表しているらしい。ここのオルガンはザクセン州で一番大きいそうな。


「ヨハネ受難曲」の初演は、ここだったそうだ。
というわけで、プー族も「ヨハネ受難曲」を歌った!

プ!... プ!... プ!....
ププ、ププププププププ 
ププププププププ...

プー子はヨハネ受難曲が大好き。NHKラジオの「朝のバロック」のテーマ曲にならないかなあと思っている。







続きまして、旧市役所。
前に立っているのはゲーテさんです。


ここの旧市役所で、バッハは、トーマス教会のカントールとして契約書にサインをしたそうな。








それからライプツィヒ美術館に寄って、いかめしいベートーヴェンの彫刻を鑑賞。

続きましてー、カフェ!


ここはZum Arabischen Coffe Baumという、ドイツ最古のカフェ。ロベルト・シューマンとダヴィド同盟のみなさんも、ここで会合をしていたそうだ。

もちろん、プー族は、フロレスタンとオイデビウスごっこをした。







そしてやってきました、トーマス教会!


教会の前の広場には、大きなJSバッハの銅像が立っていた。当初の予定からずいぶん変更された銅像だけれども、オルガンの前にバッハを立たせるというアイデアは、創作当初の意図のままなんじゃそうな。

よく見ると、バッハのチョッキの第二ボタンが外れている... プー子はちょっと、この銅像を見て、泣きそうになってしまった。だってプー子、バッハ好きだもの。




運良くこの日は金曜日で、モテットがあった。
モテットというのは、宗教音楽がメインの、ミサコンサートのこと。
プー子は、開場を待っているあいだに、向かいのバッハ博物館に行って、バッハ博物館特特製バッハの本を買った。バッハの本を読んでいるうちに、教会が開いて、みなさんゾロゾロ中に入っていった。
プー子も、前の人に続いて、ゾロゾロ...
入り口で、タキシードを着た男の子がお会計をしていた。
プー子は、このモテットが有料だと知らなかったので、ドイツ語で、
「おいくら」って、ドイツ語で訊いた。
お値段は、たったの2ユーロだった。

初めて入る、聖トーマス教会。
ここでバッハが30年近く働いていたと思うと、感慨深い。

本を読みながらしばらく待っていると、ついに始まったモテット。

トーマス少年合唱団が厳かに入場。
この少年合唱団は、バッハの時代から続いている、由緒正しき合唱団なのだ。
オルガン音楽が鳴り響く。もちろん曲はバッハ。
ウィーン少年合唱団パートリーダーのお兄ちゃんがいたので、トーマス少年合唱団のみなさんは緊張なさっていたみたいだったけど、それでも合唱団の歌はとっても綺麗だった。
プー子の隣の人は、こっそりアイフォンで録音していた。

一応ミサっぽいこともするので、お説教を聞いたり
立ったり座ったり、歌ったり読んだりした。
ドイツ語の歌詞をチャッと読んで、チャッと歌うのは、
結構大変だったけど、楽しかった。
バッハの働いていた教会で、みんなでバッハの音楽を歌うなんて、
プー子は、バッハを生きている気がした。





翌日、再び聖トーマス教会へ!


前日行けなかったバッハ博物館を、じーっくり見て回るのだ。夜のあいだにバッハ本を読み終えたプー子は、バッハ博士!バッハのことは、なんでも訊いて。



バッハ博物館は、平湯温泉ぐらい、いいところだと思う。特にこの部屋が面白かった。バッハの時代の楽器を展示してある部屋。



この部屋には、いつでもバッハの音楽が流れている。



部屋の壁には、楽器のイラストがあって、今流れている音楽に参加している楽器のところが光る。

そのボタンを押すと、その楽器の音が少し大きく聞こえる。プー子はこれで、ヴィオラ・ダモーレとか、今はもうほとんど見ることのない楽器の音を知った。この部屋に長く居座って、新たにやってくる人に、部屋の仕組みを説明したりした。



バロックフルート


足を放り出して吹くのが正しいそうな...
ほんまかいな









バッハ博物館では、トーマス教会カントールとして、バッハが過ごした毎日を細かく知ることができた。トーマス教会には、トーマス学校があった(今はもうない)。規則の大変厳しい学校で、バッハはそこで生徒の指導もしていたそうな。

バッハにとって、宗教音楽というのは、とおっても大事だったんだなあと思った。




博物館の窓から、トーマス教会広場のバッハ像を望む...


バッハの直筆譜、バッハのつけていたベルトを見て、2005年に新たに発見されたカンタータを聴いたり、チェンバロを弾いたり、プー子はすっかりバッハの時代に浸った。

トーマス教会とニコラス教会を行き来するバッハが見えるよう...





博物館をたーっぷり堪能したあと、
もう一回トーマス教会へ!
なんと結婚式の最中だった。
オルガンが大音量で鳴っている中を、新郎新婦は歩いていった。
ああ、トーマス教会は、今もこうやって、教会なんだなあ、と思った。

周りを見ると、日本人とおぼしき観光客の女の人が感極まって大泣きしていた。
プー子は、大げさな、と思ったけど、ちょっともらい泣きしそうになった。






トーマス教会のステンドグラス
バッハです







トーマス教会は、マタイ受難曲の初演でした。ということで、プー族は、ここでマタイ受難曲を歌った。


プープププープープーウーコー
プープププープープウウーコー...

いきなり終曲!







なんだかライプツィヒって、バッハの時代に想いを馳せるというより、
バッハの時代に入ってしまったような気のする街だった。
バッハはこの街で生きているのだ!とプー子は強く思った。
熱情がはねっ返る、プー子の、アーバンブルースへの貢献。


2005年に発見されたバッハのカンタータ。とても綺麗な曲だと思う。