2014-08-25

ボクたち、湖に行く

こんばんは
プー子ちゃんが、週の後半のことを書くと言ったまま
書く気が失せてしまったらしいので、
ボクが代わりに書いてと言われたから、書きます。

もう先週のことだけど、ボクたちは、前半は山にいって、後半は、湖に行った。

フランスの東っぱずれにあるAix les Bainsというリゾート村です。
昔行ったアヌシーの近くで、やまやまに囲まれた湖のほとりの村だった。
どうして行ったかと言うと、
これはボクたちのマブダチのカオリちゃんの結婚式に出席するためだ。
ここでカオリちゃんは、ジャン=フィリップーと結婚式を挙げた。

トゥールーズから飛行機でリヨンまで1時間弱、
リヨンからバスでAix les Bainsまで1時間半。
このバスにあと30分乗ると、アヌシーだ。

着いた早々、湖の上に、大きな凧が見えたと思ったら
そのあとものすごい轟音がした。
凧と見えたのは二台の大きな飛行機だった。
飛行機といっても、どう見たって旅客機じゃない。


この写真の右端。
なんとかレンジャーに出てきそうな、戦闘機みたいなものだった。
飛行機はとてもうるさかった。地元の人に訊いたら、こんなのは初めてらしい。
ちょっと迷惑だったけど、カオリちゃんの結婚式のアトラクションだから仕方ない。






結婚式は、湖上で行われた。
これが、結婚式のあった船。


開場17時の予定が、結局18時になって
ああいかにもフランス式の結婚式だ。





おまけにある1組の招待客が1時間以上遅れてきたので
船は出港できずに、開会宣言も1時間以上遅れた。
これもフランス式だ。



湖から見えるやまやま。


いよいよ出港! ブオーン

船上で人前式が行われた。

湖上からは、
遠くにアルプスが見えた。










カオリちゃんは、忙しそうだったけど、幸せそうだった。
ボクは、お嫁産婆を歌った。
それから、この式で日本人のルツコちゃんという人と知り合ったので
本田路津子のことを思い出して、「あの素晴らしい愛をもう一度」を
歌いたくなったけど、これはあまり結婚式にいい歌ではないから、
ボクはぐっと我慢なさった。
式は大変な生協で、港に戻ってきたころには真夜中だった。


翌朝、ボクは生まれて初めて
ネクタイを締めた。
このネクタイ、よく見ると
結婚式の日付が入っている。

結婚式のために用意されたネクタイだ。
ついでなので、花嫁の父親になることにした。


Aix les Bains.
温泉もあるらしく、
リゾート療養地ってぐあいだ。




結婚式の前日と翌日は曇ったけれど
当日は晴れて、本当によかった。


「みなさん、遠いところをわざわざ
娘のためにお越し下さり、ありがとうございます」

ところでこの辺はサヴォワ地方だ。
サヴォワ地方は、なんでもフランスに統合されてから
まだ150年ちょっとしか経っていないらしい。
だからかどうか、独特の文化がたくさんあった。
サヴォワの旗は、スイスの旗にそっくりだ。


これは、お土産屋で見た。Grolleという木彫りのティーポット。
彫ってあるのはエーデルワイスです
ここにコーヒーと、リキュールと、柑橘類の皮と、プー族の出汁などなどを入れて
サヴォワコーヒーなるものを作る。お酒が入るのは、やっぱり寒い地方だからかな。


屋根の上の煙突も沢山。

そういえば昔、
ボクの友達のジャン=ジャックが
長いあいだサヴォワ地方に住んでいた。

奥が深そうなサヴォワ地方。
自然も武豊かだし、ボクは色々もっと知りたいと思ったけど、
とんぼ返りでまたトゥールーズに戻ってきました。チャンチャン



2014-08-24

プー子、山へ行く

こんにちは、プー子です。
今週のプー子たちは、いろんなところに行った。
まず、週の前半のことを書く。

週の前半は、バカンス恒例、ピエールおじさんのご両親の住むサンゴーダンスに行った。
ピレネー山脈がみえる、いいところ。

プー子たちは、夏山に登ろうと思った。
サンゴーダンスの近くにあるPic de Cagire(カジール岳)という山に行くコースで
稜線沿いを歩く眺めのよさそうな一日コースを見つけたので、これに登ることにした。
ちゃんと地図も買って、この山のことをよく知っている人にも意見を聞いて
しっかり準備した。


そして当日。寒さ対策をして、お弁当を持って
カジール岳の登り口まで来てみた、ものの、見事にガスっていた…


雨も降っていた。










少し待ってみたけど、ぜんぜんガスが晴れる気配はなかった。
天気予報でも、ちょっとその週全体が微妙だった。
それで、どうせ登ったって景色が悪かろうと思ったので、
われわれは諦めた。



せっかくなので
山道をドライブしていたら
牛がいた。道ばたにたくさんいた。




牛を避けて
ゆっくりドライブしていたら
 ヤギもいた。
メー

お兄ちゃんが
牧羊少年ごっこをしたいと言っていたけど
プー子は、お兄ちゃんがしたら
牧羊少年じゃなくて
牧羊犬になってしまうと思った。
羊をあやつるのも下手そうだし。


ちょっと標高をさげると
ガスが晴れてきた。
でも全体的にどんより。
例年ならこの地方の夏は
毎日晴天、ときどき夕立なのに。

プー子たちは、
アリエージュ方面に行くことにした。


これは
Castillon en Courseransという村にある
ロマネスクの教会

アリエージュ地方は、
ロマネスクの教会が沢山ある。

きれいな川がいくつも流れていて
山も近くて、アリエージュは風光明媚。






だけど、アリエージュ人はよそ者に冷たいので有名なんだそうだ。
土地が綺麗で、住んでいる人が意地悪って、まるで京都みたいだ。



それから、峡谷沿いに、チーズの有名なBethmaleを通った。
この村でとれるチーズは、その名もBethmaleと呼ばれて、
南フランスで広く食べられている。

プー子は、せっかくだからBethmaleチーズを買ってもらおうと思ったのだけど
Bethmale村で買うBethmaleチーズは観光客向けだから、やめたほうがいいと言われた。

一般に、チーズは、牛でもヤギでも羊でも、お乳をしぼって発酵させてつくる。
ところが、そんなふうにしてできたチーズは、まだ熟成していないのだそうだ。
Affinageという最終過程を経て、完成したチーズになる。
フランスにはこのAffinageを専門にしている職人もいて、コンクールもある。
それで、おいしいBethmaleチーズは、Bethmale村じゃなくて、
別の村で熟成されるんだそうだ。
有名なAffinage師は、サンゴーダンスの近くのMontréjeauにいるらしい。
だからBethmaleチーズは、わざわざBethmaleに行って買うよりも
サンゴーダンスの近くでもっとおいしいのが買えるのだ。
Bethmale村で買わなくて、ヨカッタヨカッタ。

ちなみにBethmaleって、フランス語の発音だと「ベツマル」って聞こえるから
プー子はこのチーズのことを「別丸チーズ」と呼んでいる。


プー子たちは、
どんどん峡谷をすすんで、
Ustouまで行った。

これは
Ustouの村のマリアさま。
ベゴニアを持っているのは
蚊除けのため。




 Ustouの小川。
とーっても寒かった。

ここでお昼ご飯を食べたけれど
屋外に長居するのは苦痛だったので
車のなかで、窓を開けて食べた。

ピエールおじさんは
お米サラダを車のシートにこぼして
シミをつくった。



プー子たちは、サンゴーダンスから持ってきた
別丸チーズを食べた。おいしかった。






Ustouの村で、
ブラックベリーを見つけた。

例年なら、これは9月の果物らしいけど
もうすでに食べごろだった。
プー子は、たくさんもぎって、
たくさん食べた。
ムシャムシャバクバク




なんだかパッとしないお天気だったけど、ドライブは楽しかった。
やっぱりお弁当ってのは、おうちで食べるごはんとはまた違って、新鮮で美味しい。
おじさんのお母さんが用意してくだすったのは、
お米サラダ、ソーセージ、チーズ。
買ったばかりのバゲットと一緒に食べた。
プー子は、いつからか、こういう機会におにぎりが食べられないことを
そんなに残念だと思わなくなった。


プー子の大好きなLavatère(ハナアオイ)


そういえば、おじさんの実家では猫を飼っているのだけど
その猫が、今回ネズミを穫ってきて、食べていた。
気持ち悪かったけど、猫っていうのは獲物を人間に見せてから食べたいらしい。
それでプー子たちの目の前で、ネズミを一匹おいしそうに食べていた。
人間は嫌がっていたけど、プー子は折角の機会なので、観察した。

猫は、骨も歯も全部食べてしまったあと、腸だけ残していた。
食べたあとは、丁寧に舌で前足をなめて、身繕いをして満足そうだった。
だけどいくら上品に取り繕ったって、食べたものは、あんなゲテモノだったのだから
プー子はなんだか可笑しかった。
腸は、おじさんのお母さんによって、庭に打ち遣られた。
プー子は翌日そっと腸を見にいってみたけど、もうどこにもなかった。

お庭には、よく見ると、ヤモリがいて、蜂がいて、蟻がいて、
たくさんの小鳥が飛んでいた。芝生の中には小さい世界があるのであることよ




こちらはピエールおじさんの実家の庭の
巨大カボチャ。

そういえば最近は
トゥールーズのマルシェでも
カボチャやイチジクを見かける。
すっかり秋めいてきた。

まったく、今年の夏は一体どこに行ってしまったんだろう。

2014-08-16

プー子、海と砂丘へ行く。

こんばんは、プー子です。

今年のフランスは冷夏で、本当に冷夏だから、まいっちゃう。

バカンスまっただ中の
ボルドーのマルシェ。

どこのお店も閉まっております。









先日、プー子たちは、ボルドーから電車にのって、
アルカションという湾にあるビーチに行った。
ここはフランス屈指のリゾート地で、政治家や俳優たちの別荘が立ち並んでいる。
海産物がおいしいのでも有名。

プー子たちの行った日は、
最高気温が24度とかで、風もあるし、にわか雨もあるしで、
もう全然、海に入ろうなんて気にならなかった。
最近こんな日ばっかりだ。


せっかくプー子は
お気に入りの水着を持ってきたのに
残念だわ。


(ほとんど)誰もいない海
二人の愛をたしかめたく〜て〜




沖に変なクジラのオブジェがあった。


浜辺には、親子連れがほんの少しいるだけで、
チャーリー・チャップリンもマリリン・モンローも、
チャーリー・ブラウンも、チャーリー浜も
チャーリー松もチャーリー松茸もいなかった。
プー子は、ここは本当にリゾート地かしらと疑いたくなった。

とりあえずお昼ご飯を食べようと思って
レストランを探したら、観光くさくないところは、どこも1時間待ちだった。
仕方がないので、美味しそうなレストランで1時間後の予約をして、
そのあいだ、町を散策していたら、晴れてきた。

そしたら、わんさかわんさか、うじゃうじゃと道に観光客があらわれた。
時間帯のせいなのか、それとも滞在型バカンスを楽しんでいる人たちが
晴れたから出てきたのか、わからないけど、とにかく急にリゾートっぽくなった。




アルカションのマルシェ

観光地区の中でもさらに
その中心にあった。

この辺りの建物は
テーマパークみたいで、
ディズニーランドパリを思わせた。


マルシェの屋内。

お魚が、とおっても新鮮そうだった。
ここなら、今の時期でも
生牡蠣を食べられるらしい。

でもプー子は怖くて食べなかった。
食前酒にと思って
テラスで飲んだ白ワインは
タリケだった。
タリケは、ボルドーとトゥールーズのあいだのワイン産地。



もうプー子のお腹はぺこぺこ。やっと予約した時間になって、レストランに行った。
お昼ご飯は、鴨のカルパッチョが前菜で、マグロステーキがメインだった。
ちょっと凝りすぎた感じもあったけど、まあまあ美味しかった。
モダンなフランス料理だった。おっしゃれ〜
一緒に飲んだ白ワインは、今度はボルドーのEntre deux mers。
この畑の白ワインは、海産物とよくよく合う。


プー子が見たところによると、
ビーチには、レストランの他には、ピザ屋とクレープ屋がとても多かった。
たぶんこれは、リゾートでレストランの値段がインフラを起こしているから
比較的安価で食べられるピザ&クレープと、レストランの二極化が起こっているのだ。
アラブ人や黒人やアジア人は殆どいなかったから、
ケバブや中華料理は、全然なかった。
まあ、大体のフランスの高級リゾートはこんなもんだと思う。

午後は、アルカションからバスに乗って40分ぐらいの
ピラの砂丘に行った。



これが、砂丘

砂「丘」というより、砂「山」

自然にできた砂丘だそうで、
なんと高さはヨーロッパ1だそう。



松林の樹海から、
急に砂丘が始まる。

子供たちが、駆け下りていっては
ワイワイキャアキャア言っていたけれども
それもこの大自然の中では
なんと小さな音であることよ。





巨大な砂丘を登りきると
目の前に海が見えた。
帆を風になびかせる舟の
なんと静かで小さいことよ。

プー子たちは
シャルル・トレネの
ラ・メールを歌った。




お兄ちゃんと、記念撮影。
海からの風が強いので、
エセル卿は、細心の注意を払わないと
飛ばされていってしまう。

そこでプー子が、しっかりと
小脇にかかえて、記念撮影。

このように右手は大西洋
左手は松林の樹海でございまーす



この砂丘はなんと全長3キロにもおよぶらしい。
今でも海風に吹かれて、1年に数メートルぐらい、松林の方に動いているそうだ。

さて、ここで問題です。
この砂丘の下には、ある秘密が隠されています。
それは、次のうちのどれでしょう。

1徳川の埋蔵金
2クレオパトラの地下シェルター(本人付き)
3砂

正解は、来週のお楽しみです。
見事正解された方には、スーパーひとしくんを差し上げます。


ところで、アルカションとピラの砂丘のあいだは、豪邸ばっかりだった。
そういえば昔、プー子は、この辺に建っているとかいう
アラン・ドロンの別荘に招待されたことがある。断ったけど。

お兄ちゃんは、『アラン・ドロン別荘殺人事件』の構想を練っていた。
嵐の夜に停電が起こって、そのあいだに家の主人が殺されて
家族は全員動機があるんだけど、本当の犯人は住み込みのお手伝いさんなんだそうだ。
プー子は、それよりも、宝くじが当たったので、うっかり
お金持ちの豪邸街に仲間入りしちゃった中流階級のドタバタコメディのほうが
面白そうだと思う。

まあ、何はともかく、プー子の、楽しい海辺の一日でした。
来週は山へ行く。

2014-08-05

ボクたち、お年玉をもらう・迎賓館に行く

ボクたちは、フランスに戻ってきた。
今年のフランスは冷夏らしく、今日の最高気温は27度です。
毎日起きたときから30度以上だった大阪とは、えらいちがいだ。

今回、おばあちゃんちに行ったとき、
おじいちゃんとおばあちゃんは、ボクとプー子ちゃんにお年玉をくれた。
ボクは、お年玉をもらうのは生まれて初めてなので、興奮した。



おとしだまと、記念撮影。

お金をもっているから、
ボクたちは、お金持ちだ。









 健全なお年玉の使い道。

ボクは、出町柳のふたばに行って、豆餅を買った。
お年玉は千円なので、出町柳までの電車賃は払えないから、
出町柳まではミカちゃんに連れていってもらって、
ボクはふたばでだけ、お金をつかった。

本わらびを使ったわらび餅は、とろける柔らかさで、本当においしかった。
それから豆餅を買って、だんごを買って、
ボクは安産ができないから、お金がぎりぎりで心配したけど、
なんとか千円で買えた。
おつりはミカちゃん銀行に預けておくことにした。
引き落とすころには、利子で何十倍にもふくれあがっていることだろう。


豆餅と記念撮影。

だんごは、
ボクの大好きな
かぶき団子。









プー子ちゃんは、ワッカのドーナツを買いに行った。

ちょっと古くなってきて
看板の字がとれてしまった
ワッカ。





ワッカのドーナツは
心と体に優しいドーナツ

これも、とっても美味しかった。
プー子ちゃんも、おつりは
ミカちゃん銀行に預けたから
これでいくらでもドーナツが買える。



ボクは、いまでも豆餅のことを夢に見る。
かぶき団子を、食べようと口を開けたところで、目が覚めてしまう。
それで、ボクのお布団は、よだれだらけです。


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それから、別の日には、ボクたちは京都の迎賓館に行った。

迎賓館は、ふだんは一般公開されていない。
京都御所の中にある、賓客を招く施設だ。
ボクたちは国賓として、迎賓館には何度も行っているけれど、
一般公開に行くのは初めて。エセル卿も連れていってあげることにした。
一般公開に行くためには、事前に申し込んで、抽選に当たらないといけない。




正面玄関

ここの扉は樹齢700年のケヤキの一枚板。









お玄関の迎え花。









ところがどっこい、此処に来て
世界的に有名なボクたちのことを知らない迎賓館のおばさんが
事前申し込みをしていないプー族は進入禁止だと言ってきた。
なんてこった!プー族は顔パスなのに!!


そうしてボクたちは、ビニール袋に入れられた…







だけど、ビニール袋の中で、ボクたちは考えた。
きっとこのまま、世界的に有名なプー族が、久しぶりに迎賓館に来たのに
ビニール袋の中に居続けたということが知れたら、
あの無知なおばさんは、罰せられるにちがいない。
それはかわいそうだ。




そこで
ボクたちは
ビニール袋から出た。

ここは夕映えの間です。
後ろにあるのは絵じゃないよ、
つづれ織りだ。


藤の間。

ここで洋食会合が開かれる。
ボクも出たことがある。

奥のタピスリーも
敷いてある絨毯も
全部一枚ものだ。

桐の間。


プー子ちゃんの服。

ほらやっぱり、
プー族のものが飾ってあるのだから
プー族が入れないわけがない。

迎賓館は、いつ行っても、使ってある木材の木の目が綺麗だ。
いつ行っても、ボクはそう思う。
今回も思ったけど、前に来たときもそう思った。


楽しかった日本滞在もあっという間。
これからフランスでのバカンスが始まる。