おはよう、ボクです。
今朝、ボクが起きると、
ピエールおじさんは慌てながら出かける支度をしていた。
そうか、今日は日曜だ。
日曜だから、おじさんは居合道の朝稽古があるのだ。
毎週朝っぱらから、ご苦労なこった。
おじさんはボクに言った。
「じゃあプーちゃん、行ってきます。
もう既にちょっと遅れているんだ」
そう言っておじさんは、稽古仲間に電話を一本いれた。
稽古仲間は電話に出なかったらしいけど、
留守番電話に「ちょっと遅れる」と言っていた。
ボクは朝ごはんを食べながら、
「いってらっしゃいピエールおじさん」と言った。
ピエールおじさんが玄関で「行ってきます」と言った。
そのとき! 歴史が動いた!
うちの電話が鳴った。
おじさんの稽古仲間からだった。
ボクは、玄関先にまだいたおじさんに、電話を渡した。
電話口のおじさん「えっ! ええっ!!」
おじさんは電話を切った。
それから、ゆっくり荷物を降ろして、靴を脱いだ。
なんと
おじさんは、今日から夏時間が終わるってことを忘れていたのだ。
稽古にちょっと遅れていると思っていたのだけれど、
本当は30分以上早かったんだ。なんて間抜けなんだ!!!
ああ、なんて大間抜けなんだ!
ボクは、どうせならおじさんが急いで歩いて、稽古場に着いて
だーれもいない道場でポカーンとしていてほしかったもんだ。
おじさんの稽古仲間は、おじさんの失態を
家族に話して、ご近所に話していることだろう。
ボクはボクで、人の失敗は大好きだ。
けれどもこういうことを吹聴すると、プーちゃんは
かわいいのに性格が悪いと思われるかもしれない。
だから、プー子ちゃんに話して、樹々に話して、鳥たちに話して、
新聞記事に書いて、ブログ記事に書いて、
それで心の中にそっとしまっておくことにする。
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