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2014-03-03

エセル卿、今日が誕生日

みなさん、
おはようございます、こんにちは、こんばんは、
ヘンリー=ジョージ=アーサー・エセルでございます。
みなさん、お元気でお過ごしでしょうか。


ワタクシは、2月のスキー休暇を、プーちゃんたちと一緒にトゥールーズで過ごしました。
スキー休暇は一週間でございました。が、この一週間のうち、
前半はミカさんがインフルエンザになられ、
後半はピエールおじさんがインフルエンザになられ、
ワタクシたちはあまりすることがございませなんだ。

決して、やることがなかったから、とそういうわけではないのですけれども
プーちゃんたちが、ご多忙の中、プー族会議を開かれまして、
再びワタクシの誕生日を議論されました。
(ワタクシの誕生日の議論についてはこちらをご参照ください)

そして決まりましたのが、3月になってボルドーに帰ったあと
一番最初にメルルが歌った日が、ワタクシの誕生日になる、ということでございました。
メルルは、Merle noirと書きまして、
春になると、とてもいい声で、日の出前から日の入り後まで歌う鳥でございます。
ワタクシは、わくわくいたしました。
誕生日を、そんなポエティックに決められるなんて!
さすがプーちゃんたち!


こちらがメルル、
日本語では、クロウタドリでしょうか。
早春から初夏まで歌います。
体長はおよそ20センチです。






そして昨夜、ボルドーに帰ってきて…
今朝早く、ツグミが歌いました。

と、いうことは、
3月3日、今日この良き日がワタクシの誕生日でございます!
こんにちは、こんばんは。今宵会う人、みな美しき。





午後には、
大きな虹がでました。









まあ今日は、通り雨の多い
さんざんな日だったわけですけれども、
わたくしにとっては、
かけがえのない日であります。
おかげさまで虹を見ることができて、
ワタクシはどなたにお礼を申し上げればいいでしょう!(あ、プーちゃん達です)


ワタクシは、生まれ変わった気分でございます。
いや、もう一度生まれた気分でございます。

お昼は、プーちゃんたちと、今年の初物、いちごを食べました。
苺は大きかったですが、あまり甘くなかったので、
フランス式に、お砂糖をかけて食べました。

それから夕方は、タルト・ジュリーの「有名なタルト・ジュリー」を食べました。
これはタルト・ジュリーというお店に、こういう名前のタルトがあるのでございます。
実は、3月3日はもともと桃の節句、つまりもともとプー子ちゃんのお祝いの日ですので
ワタクシは、自分の誕生日が決まった嬉しさもありましたが、
そういうプー子ちゃんの日に割りこんでしまった肩身の狭さも感じておりました。
そこで、プーちゃんが、お祝いに「有名なタルト・ジュリー」を提案してくださいました。
「有名なタルト・ジュリー」には、プーちゃんいわく
365種類のフルーツが入っているのだそうでございます。
これで、皆がみな、十人十色、一触即発、十把一絡げ、満足するわけでございます。
さすがプーちゃん!



こちらが「有名なタルト・ジュリー」
ワタクシの舌では、5種類までしか
見分けられませんでしたが、
プーちゃんの敏感な舌には、ななと
400種類も感じられたのだそうでございます。






ああ、ワタクシはうれしうございます。
誕生日ができました。みなさま、3月3日は、エセル卿の誕生日、
えー、エセル卿の誕生日と、覚えてくださいませ〜。
3月3日はエセル卿、新しい大阪市長はエセル卿〜。
何歳になったかは、秘密でございます。
覚えておりませんから。

2013-08-11

エセル卿の夏休み

みなさん、こんにちは、
ヘンリー・ジョージ・アーサー・エセル卿です。

少し前のことですが、夏休みになって、プーちゃんがお風呂に入られました。
もちろんプーちゃんは綺麗好きなので、毎日お風呂に入っていらっしゃいますが
今回のお風呂は少し違っていて、とにかく乾かれるまでに1日半かかりました。

そのあいだ、ワタクシは、プーちゃんがいなくて、寂しうございました。

プーちゃんが湿っておられるあいだは、あまり話しかけられませんので、
ワタクシは、普段、いかほどプーちゃんとのお喋りを楽しみにして生きているかを思い知らされました。

プーちゃん、プーちゃん…













プーちゃんがいつも行くマルシェに、連れていってもらいました。





(プーちゃんの幻影が!)






卵とサラダに圧迫されるワタクシ…
いつもプーちゃんもこんな想いをされていたのでしょうか。




夏が過ぎ、風あざみ、
ワタクシの心は、まるでカフェオレ色です。








 それでワタクシは大層さみしい一日を終えたのですが、
翌日、プーちゃんがようやく乾かれました。
(ちなみにプー子ちゃんは山登りに出かけられていました)



るんるん、近所の公園までピクニックです

心なしか、プーちゃんが白くなられました。
いや、プーちゃんはいつも白いのですけど。


こうやってみると、われわれ
囚人のようでございます。













それから形而上学の手ほどきをうけました。





「エセル卿、どうして
エタンがあって、
ノンエートルじゃないかわかるかい」

「はあ、プーちゃん、哲学的な…」


「それはね、雨が降ったからだよ」

「なんと、プーちゃん!」


ワタクシの夏休みは、このようにして幕を開けました。

2012-01-03

エセル卿、プーちゃんの来し方を語る

みなさん、お久しぶりでございます
エセル卿ヘンリー・ジョージ・アーサーでございます

1月2日はプーちゃんのお誕生日でございました。
プーちゃんは21歳におなりあそばしました。
そこでワタクシは、プーちゃんのこれまでの
来し方を伺ったわけでございますが、
そのお話がまことにご立派でいらっしゃって
ワタクシは改めて、プーちゃんの偉大さにおののきました。
R0010743 by mikans102
R0010743, a photo by mikans102 on Flickr.




ワタクシなりに、プーちゃんのお話をさせて頂きたいと思います

プーちゃんは、光溢れる日にお生まれになりました
誕生 by mikans102
誕生, a photo by mikans102 on Flickr.



プーちゃんは、1歳で志を立てられたそうでございます
立志 by mikans102
立志, a photo by mikans102 on Flickr.



2歳で、而立されました
而立 by mikans102
而立, a photo by mikans102 on Flickr.



3歳で、もう迷わなくなられました
不惑 by mikans102
不惑, a photo by mikans102 on Flickr.



4歳で、天命をお知りになったそうでございます
知命 by mikans102
知命, a photo by mikans102 on Flickr.



5歳で、人のことばを素直にお聴きになるようになられ
耳順 by mikans102
耳順, a photo by mikans102 on Flickr.



6歳になっては、思うままに振る舞われても、
それでいて道をはずすことがなくなられたそうでございます
従心所欲、不超矩 by mikans102
従心所欲、不超矩, a photo by mikans102 on Flickr.



なんと、ご立派な!


「それでプーちゃん、7歳はどうなさったのですか」

「それはねエセル卿、また志を立てたんだよ。
8歳でまた而立して
9歳でまた惑わなくなって
10歳でまた天命を知って
11歳で耳が素直になったのさ」

「なんとまあ!ということはもしかして
21歳の今年は…」

「4回目の惑わなくなる年さ」

「なんとまあ!もう4つも志を立てられているのですか!
孔子先生だって一巡されるのがやっとだったのに!
すごい、プーちゃん!!」

2011-10-03

エセル卿、日本にゆく、その3 〜楽しいニッポン〜

みなさん、こんにちは。エセル卿でございます。
遠い日本で、紳士の方に巡りあえたわたくし、
その後の日本滞在は楽しうございました。

暑いですとか、狭いですとか、
気にしてはいけません。
日本には、それを補って余りある楽しみがあるのでございます。
思い出を少しばかり、列挙してみましょう

ある日は、プーちゃんが、中之島を案内してくれました。
大阪のど真ん中にありながら、
落ち着いた雰囲気の界隈でございます
大正マロンという時代の雰囲気なのだそうでございます。
公会堂のなかではいつも和栗の品評会が行われているらしい
プー子ちゃんはここの常連で、栗まんじゅうや栗どらやきにお詳しいのです。
RIMG0083 by mikans101
RIMG0083, a photo by mikans101 on Flickr.



中に入ってみますと、どこかでみたようなレンガ造り
ワタクシ、ついつい壁の穴に入ってしまいました。
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RIMG0081, a photo by mikans101 on Flickr.



それからわたくしは、日本のラジオが大変気に入りました。
生活の知恵を言うております。
たとえばよい新じゃがの見分けかたですとか
子育て相談室ですとか、防災一口メモですとか、
大変ためになります。フランスのラジオではこうはいきません。
わたくしは日本のラジオから沢山のことを教わりました。
あの、みなさん、じゃがいもは、できるだけ
ごつごつしたものを選ぶのがよいんだそうでございますよ。

運良く、国民的アイドルのみなさんとも
お会いすることができました。
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RIMG0200, a photo by mikans101 on Flickr.



また別の日には、プーちゃんとプー子ちゃんが、お家に連れてってくださいました。
白鷺城というんだそうでございますが、
残念ながら今は工事中で、覆いがかけてありました。
RIMG0340 by mikans101
RIMG0340, a photo by mikans101 on Flickr.


中には白鷺がいるんだそうでございます。
なんと立派な門構え!
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RIMG0333, a photo by mikans101 on Flickr.


わたくしを迎えたプーちゃんが
「友あり 遠方より来る また楽しからずや」と仰りました。
これはのちにプーちゃんのご本の一文になったそうでございます。

日本にはお城に住んでいる人が少なからずいるんだそうでございます
生活笑百科という、しかくい顔をした落語家の番組があって
今回の滞在中にわたくしはすっかり好きになってしまったのでございますが、
そこに出てくるカミヌマエミコさんと仰る方も、
大阪城に住んでいると仰っておられました。
さしずめプーちゃんたちのお友達でございましょうか

そしてなにより楽しかったのは、お笑いでございます。
ある日ラジオで聴いた上方演芸会がきっかけでございました
いとしさんが、「うちとこの妻(さい)がね」というと
こいしさんが「君んとこサイ飼っとるんか」と仰るのでございます
妻とサイ!天才的なボケ!なんとよくできているんでしょう!
これこそ紳士のめざすべき洒落でございます
わたくしは何度も関心し、腹筋がいたくなるまで
笑い転げました。だって、妻とサイですよ。ああ思い出すだけで可笑しい
まちがいなく、この漫才とか落語とかいうものは
わたくしの今回の日本滞在の最大の収穫でございます。

ああ、もう一度行きたい
今度は寄席に通いとうございます、が、
ひとまずこれにて。
お線香がたちきれました。

2011-09-26

エセル卿、日本にゆく、その2 〜異郷の同朋〜

みなさま、こんにちは。再びエセル卿でございます。
早いもので、わたくしの日本滞在も無事おわり、
昨夜トゥールーズに戻ってまいりました。

この日本滞在を思い起こせば、いやはや色々なことがございました。
そのすべてをご報告するのは到底無理でございますが、
なかでもわたくしはこれだけはご報告したい、と思うことがございます。
それは、ある方との出会いです、
何をかくそう、その方にわたくしは
紳士とは何かを教えて頂いたのでございます。
恥ずかしながら、不肖エセル卿、
少なからぬ年月のあいだロードを名乗っておきながら
まったく紳士の何たるかを知らずに生きていたのでございます。
まさかそれを、日本という異郷で知ることになるとは。
まったく偶然のご縁に感謝でございます。

さて、その方とお会いしたころのわたくしは
日本というところに疲弊しておりました。
まずは、その暑さでございます。
昼に暑いのはわかりますが、なぜ夜も暑いのか、
わたくしには理解できません、理解できず
毎晩この難問に唸っておりました。

それから、人の多さでございます。
大阪駅というところは、巨大な巨大な要塞でございました。
一体どこに電車が通っているのか、よくわかりません。
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RIMG0175, a photo by mikans101 on Flickr.



けれどもこの要塞は、よく見ると、そんなに人が流れておりません。
歩くところは結局地下が多く、またその地下は人だらけでございました。
視界に入るは、浮き足立った人か、疲れきった人だけでございます
はっと気付いて、辺りを見回しても、樹木はおろか、窓さえない!
これはみなさん、明らかに、酸素不足です!
「さっ、サンソ!サンソ!」
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RIMG0053, a photo by mikans101 on Flickr.



地上へと逃げるエレベーターは、えらく奇麗でございます
わたくし、汚さずに乗るのに必死でございました。
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RIMG0058, a photo by mikans101 on Flickr.



そして極めつけは、トイレ!
わたくしは、ここで一晩明かせといわれても
余裕のよっちゃんで過ごせますでしょう
なんですかこのソファは!!これのどこがトイレなんですか!
そんなことだから浮き足立つのでございます
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RIMG0060, a photo by mikans101 on Flickr.



トゥールーズが小川のせせらぎだとするなら、
大阪は洗濯機の荒波でございます
わたくしには、刺激が強すぎる

さて、このように疲れ果てていたとき、
わたくしはあのお方に出会いました。

GENTLEMENと名乗られるあの方は、悠然と立っていらっしゃいました。
わたくしは、ここにも英国紳士の方々がいるのかと、
遠い異国で同朋を見つけたよろこびをかみしめ、
その代表であるあの方にお声をかけました。

「あの、あなたも英国紳士でいらっしゃいますか」
「…」

「あの、日本というのは、暑うございますね」
「…」

「それに、人も多うございます」
「…」

「わたくしは、疲れてしまいました」
「…」

「あの、」
「…」

あの方は、わたくしの問いかけに一切応えられませなんだ。
そこで不思議に思ったわたくしは、目の前が急に明るくなったように思いました
そうです、紳士というのは、愚痴を口にしてはいけないのです。
あの方は、それを自ら身を以て、ふがないわたくしに教えようとしてくださっているのです
なんと、ありがたい!弥勒菩薩さま!
紳士の方と記念撮影
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RIMG0188, a photo by mikans101 on Flickr.



これを機に、わたくしの日本滞在はバラ色に変わったのでございます。
それはまた次回、お話いたしましょう

2011-09-12

エセル卿、日本にゆく、その1 〜初めての飛行機〜

みなさん、初めまして、エセル卿・ヘンリー・ジョージ・アーサーと申します。


いつもはプーちゃんとプー子ちゃんの書いているこのブログに、
プー族でないわたくしが参加させていただくのは
大変恐縮でございますけれども、
ただいま初めてヨオロッパ以外の国を訪れているわたくしといたしましては
その印象を寄稿させていただきまして
ブログの発展につながるならこれ幸いと思っております。
これからしばしお付き合いください。

わたくしは、イギリスの育ちでございます。
百年戦争の折りに、ひょんなことからフランスに残ってしまいまして、
今日に至るわけであります。
久しく長距離移動というものをしておりませんので、
船と馬以外は存じ上げません。わが倫敦を走るという、赤い化け物も知りません。
したがいまして、今回の日本行きは、
飛行機なる鉄の鳥がわたくしの最初の関門でございました。

プーちゃんはエアプォースワンで移動すると仰るし
プー子ちゃんは歩いていくと仰る、
けれども、わたくしはそういうわけにまいりませんから
ミカさんと一緒に、飛行機なるものに乗ったのでございます。
これが、いやはや、大変でございました。

空港では変なベルトに乗せられ、息を止めて死んだふりをいたしました。
変なレーザーが体をぬけて、生きた心地がいたしませんでした。
一度で終わりかと思ったら、
あの、シャルル・ド・ゴール空港というところで、
大変な行列を待たされたあと、ふたたび死んだふりをいたしました。

やっと抜けたころには、お腹がペコペコだったんですけれども
不思議なもので、免税店ばかりで、食べ物屋がございません。
エルメスとかグッチとか並んでいるのは、やはり飛行機の食べ物でございましょうか。
わたくしはひもじさに耐えながら、飛行機に乗り込んだわけでございます。
けれどもここは英国紳士、顔には出しませなんだ。

しかし飛行機の本当の恐ろしさは、やはり飛行中にございます。
トゥールーズからパリへ行くあいだは、よく揺れました。
わたくしは、何度もこの世の終わりを感じました。
縦に横に、がくがく揺れるわけでございます。
そのたびにわたくしは、うっかり叫び声をあげてしまうのですが
不思議なことに乗客のみなさんは涼しい顔をされています。
わたくしには、この乗客のみなさんさえ、恐ろしい飛行機の一部に見えるようでございました。

これも一度で終わりかと思いましたが、二度目がございました。
パリから大阪でございます。
このとき、わたくしは、飛行機がなぜ揺れるのか、その理由を確信いたしました。
わたくしの席からちょうど、つばさが見えたわけですが、
これは、わたくしの見たところ、トタンでございます。
ペラッペラの板のようなものがひらひら付いているだけでございます!
なんと、質素な!!
現に、風が吹くたびになびいているのでございます。
こんな、ちっぽけな羽で飛んでいるのかと、そう思うとぞっといたしました。
プーちゃんが、飛行機の羽は虹色のゴクラクチョウみたいと仰っていましたのですが
どうやらそれは、もっと高級な飛行機であるように思います。
いわばわれわれは、一番ちっぽけな、つまり一番落ちそうな飛行機に乗せられているのです。
わたくしは、背中が寒くなるのを感じました。
トタンゆえの、すきま風かもしれません。

いやはやわたくしは愕然といたしました。
思えばベルトコンベアーに乗せられた時点で、
わたくしは飛行機のしもべとなったわけであります。
飛行機は偉そうにエルメスを食べて生きておりますが、
わたくしは、その飛行機の言うなりになるしかない
生きた心地のしない、仮死状態のしがないエセル卿でございます。
わたくしは、鉄、じゃなくて、トタンの鳥に食べられたのでございます。
来世は必ず、飛行機のない時代に生まれよう、とそう決心いたしました。
やはり地に足をつけて生きるのがよろしゅうございます。
まあ、わたくし、足はございませんけれども。

そういうわけで、わたくしの日本旅行は恐ろしき飛行機によって始まりました。
その後の日本での滞在もまた、驚きの連続でございます、
が、それはまた次回、写真を交えてご報告いたしたいと思います。
本日はひとまずこれにて。