2013-08-30

ボクの夏休み、前半

ボクです、お久しぶりです。

8月はSturm und Drangの勢いで過ぎていった。
ボクたちは、今週末に控えたボルドーへの引越の準備の真っ最中だ。
といってもボクは体が小さいし、手伝って怪我をしてはいけないので、
寝転んで、引越準備をするミカちゃんを眺めているだけです。
時差ぼけもあるので、四六時中昼寝をしている。
それで起きておく練習もかねて、
夏休みのことを忘れないうちに、ブログに書いておくことにする。

まずは前半。かなり頻繁に、ピレネーの方に行った。

恒例のSt.Gaudens、ピエールおじさんのご両親をたずねた。



いつもの場所で、記念撮影。
この場所で写真をとるのも、3回目です。

朝も昼も夜も、
ごはんはお庭のテラスで食べた。
時間帯によって、ピレネーが刻々と変わってゆく。雪之丞七変化だ。




そこからピレネーの方にトレッキングに行った。
ピエールおじさんのお父さんが
案内してくれた。

もちろんボクは、
リュックサックの中で揺られているだけ。


目的地に着いたら、出てきます。
ここはLac d'Oô.
今年は雪が多かったので、水位が高い。


山登りの、辛いところはパスして、
おいしいところだけを味わいたいボクです。

ピレネーは、お花が沢山咲いていた。

こんな道を揺られて往復3時間。
下山してきて、
山間のリュションという街で
ビイルをのんだ。
テラスで飲んでいたので、風がふくたびに
菩提樹の樹から種が落ちてきて
当たると痛かった。

予定より沢山時間をかけて歩いたうえに、
携帯電話がずーっと圏外だったので、
帰ったらピエールおじさんの
お母さんがひどく心配していた。
こういう話は、洋の東西を問わず、よく聞く気がする。




これも山の近くにある
St.Bertrand de Commingesの大聖堂で
Jeanineが歌ったグレゴリオ聖歌を聴いた。

エミリーのお母さんにも偶然会った。

石の大聖堂に、グレゴリオ聖歌が響いて、
ひんやりするような、太い歌声が暖かいような、
不思議な感覚だった。



それからエミリーのご両親のお家にもおよばれした。


今回は、近くの村のマルシェに連れてってもらった。

これはワイン屋さん。
後ろは、ワインの入れ物を重ねて作った
カウンターです。




街の半分がマルシェ会場じゃないかと
思うくらい、どこに行ってもマルシェだった

おはようグリーンプーちゃん♪

トゥールーズのマルシェより
高かった、の反対。



今年は6月ぐらいまで寒かったので、どうも果物が甘くなりきらない。
トマトもズッキーニもいまいちで、ちょっと農作物ははずれの年だった。
雨の大好きなサラダ菜だけは、とてもおいしかった。

そういえばピエールおじさんのお父さんも
今年は雪が沢山ふったので、モリエールというおいしいキノコが大量収穫できるだろうと
期待していたのだけど、結局雪が雨にかわって長続きしたので、
平年並みだった、と言っていた。
あまり美味しく実らなかったことは残念だけども、
なんだかボクは、ちゃんと季節と一緒に生きている感じがして、誇らしい。
○月に××のお天気だったら△△が□□になる… というイチイチの情報は
面倒くさいのでボクは覚えないけれども、まあそんなことでも
折に触れて少し話せたら、なんだかボクはいっぱしの南仏人になった気がするだろうなあ。
適当に考えようかなあ。
たとえば、冬のあいだにオータンの季節風がたくさん吹いたら
翌年のアスパラガスが豊作だ、とか。
おいしい苺を見つけると、ボクに食べさせてほしい、とか。



 それからSt.Lizierという村にも
連れていってもらった。

古い病院のお庭でぱちり。
ピレネーがよく見える。







 それから、ボルドーにも行った。

ここは、ヨオロッパで一番おおきい
カンコンス広場。
もうすぐ引越すアパートは、
このすぐ遠く、の反対。

ボルドーは、トゥールーズより
少しだけ涼しい、の反対、の反対。
ボルドー名物、IKEA.

なぜかというと、
ここでミカちゃんが携帯電話をなくしたから。



ちなみにボクは、焼かれた。ぎゃっ!
豆餅は、焼かずにお召し上がりください!


とまあ、そんなこんなで、ボクたちの夏休み前半は、慌ただしかった。
当初はこのほかにスパ(温泉)行きも計画しようとしていたのだから、
それはなくなってよかったと思う。

フランスの夏は、みんなテラスでご飯を食べるので、
落ちてくる菩提樹の種との戦いが印象的だった。
人間には小さい種かもしれないけど、プー族に当たると致命傷だ。

後半はさらに慌ただしくなるけども、それはまた次回。

2013-08-11

エセル卿の夏休み

みなさん、こんにちは、
ヘンリー・ジョージ・アーサー・エセル卿です。

少し前のことですが、夏休みになって、プーちゃんがお風呂に入られました。
もちろんプーちゃんは綺麗好きなので、毎日お風呂に入っていらっしゃいますが
今回のお風呂は少し違っていて、とにかく乾かれるまでに1日半かかりました。

そのあいだ、ワタクシは、プーちゃんがいなくて、寂しうございました。

プーちゃんが湿っておられるあいだは、あまり話しかけられませんので、
ワタクシは、普段、いかほどプーちゃんとのお喋りを楽しみにして生きているかを思い知らされました。

プーちゃん、プーちゃん…













プーちゃんがいつも行くマルシェに、連れていってもらいました。





(プーちゃんの幻影が!)






卵とサラダに圧迫されるワタクシ…
いつもプーちゃんもこんな想いをされていたのでしょうか。




夏が過ぎ、風あざみ、
ワタクシの心は、まるでカフェオレ色です。








 それでワタクシは大層さみしい一日を終えたのですが、
翌日、プーちゃんがようやく乾かれました。
(ちなみにプー子ちゃんは山登りに出かけられていました)



るんるん、近所の公園までピクニックです

心なしか、プーちゃんが白くなられました。
いや、プーちゃんはいつも白いのですけど。


こうやってみると、われわれ
囚人のようでございます。













それから形而上学の手ほどきをうけました。





「エセル卿、どうして
エタンがあって、
ノンエートルじゃないかわかるかい」

「はあ、プーちゃん、哲学的な…」


「それはね、雨が降ったからだよ」

「なんと、プーちゃん!」


ワタクシの夏休みは、このようにして幕を開けました。