2015-07-28

ボク、カジール岳に登る

こんばんは、
東京の高すぎる競技場の案が一転二転しているとかで、
もしかしたら期限ギリギリに
とんでもないトタン小屋が建つじゃないかと思っている、ボクです。


先週末、ボクたちは、ふたたびピレネーへ行った。
去年、悪天候のために登ることのできなかったカジール岳に登るためです。

今回は、金曜から月曜までの予定で
サンゴーダンスへ行ったので、そのうち一日ぐらい晴れるだろうと思った。


土曜日は、曇っていた。

仕方がないので
ピレネー山中の村を見て回った。

モレオン・バルスという
山に囲まれた村で
不思議なお城を発見した。





そして、日曜日。

朝から、快晴!
登山日和だ!

ボクたちは、さっそく
リュックサックの中に潜り込んだ。


ボクは、ボクの登山方法を
最高の登山方法だと思っている。
辛い坂道のあいだはリュックの中にいて
景色のいいときだけ外に出るのだ。
ずばり、いいとこ取りだ。





朝8時に出るつもりだったけど、いろいろあって8時半に出発。
拠点のCol Mentéというところまで車で行って、そこから登った。


去年はガスっていて
何も見えなかったけど
今年はもうすでに
何台も車が停まっていて、
登山客で賑わっていた。

ノソノソ歩いてくる牛。
首の鈴が、カラコロ鳴っていた。




さて、登り始め…
道中、看板を見つけた。

ピレネーに住む犬、
その名もグレートピレネーサンダー犬は、
ボクのことが大好きという意味の看板です。


ボクは、セシルクラブのパオとチロルを思い出した。
彼らはこの
グレートピレネーダンサーロール犬だった。




最初の一時間ぐらいは、のんびりしたコースで、
車も登ろうと思えば登れるぐらいの道だった。
だからちょっと単調で、つまらなかった。

そのあと、ボクたちは山小屋にたどり着いた。
そこまで歩いていたのは、山小屋の車が上がってこれるための道だったのだ。
なーるほど ザ ワールド




こんな山小屋です。


よく見ると後ろの方の小さいのが、
いかにもヨオロッパの山小屋って
感じがして、雰囲気がいい。








そこから森を通って、ちょっと道に迷って、
道無き道を歩いていった。



というのも
ここのルートでは、
赤と黄色のペンキを塗って
道を示しているのだけれども
それがなんだか
いい加減にしか塗っていなくて
わかりにくかった。
(手前の花はイワギキョウです)





あるところでは、そこかしこにペンキが塗ってあって、
どこを通ればいいのかわからないくらいなのに、
またあるところでは、全然ペンキ印が見つけられなくて、
不安になっているところに、だいぶ経ってからペンキ印が現れたりした。

ピエールおじさんいわく
「大まかには間違っていないから大丈夫」らしい。
ボクは、山で迷子になっちゃあ命取り、と教わってきたので、
気が気じゃなかった。

そういうわけで、ちょっと迷ったけど、
お昼過ぎに頂上についた。



カジール岳
1912メートルです。










さすがにピレネー山脈というのは大きくて、
360度見渡す限り、山!




奥に見えているのは
スペインなり

ボクは目がいいので、たかつきの
おばあちゃんちも見えた。
この写真の、右上あたり。









頂上の手前では、羊たちの群れが
ボクを待っていてくれた。

羊飼いは見当たらなかった。

奥に見えるのは、
トゥールーズ方面の平野です。



まだ夜はちょっと寒いので
背中だけ毛のある羊がいた。




スキー場が見える。

ボクたちはあの辺から登ってきたのだ。
もちろん、リュックサックに入って。

ああ 大変だった 大変だった
疲れたなあ



山で食べたお弁当はとってもおいしかった


エーデルワイスみたいな花を見つけたので
エーデルワイスの歌を歌いました。
おばちゃん、これは
本当は何の花ですか。






ふたを開けてみると、土曜と月曜は曇りだったので
日曜に登山ができて、本当によかったです。
曇りでガスっている日に、山で道に迷ったりしたら
ボクはもう心細くて、小さなお胸が張り裂けてしまいそうです。

2015-07-19

プー子、ツール・ド・フランスを見る

みなさん、こんばんは、プー子です。

今年のフランスはしっかり暑くて、
久しぶりに、夏らしい夏です。

暑いけど、これも夏!



7月14日の革命記念日の花火




暑いけど、
革命記念日も終わった先日、プー子はフランスの夏の名物詩
ツール・ド・フランスを見に行った!


フランス6年目にして
初めてのツール・ド・フランス

自転車マニアのお友達が
スタート地点よりゴール地点のほうが
面白いというので
第13ステージのゴール地点
ロデズRodezに行きました。




アズサちゃんが運転してくれて、先輩と、ミカちゃんと、4人で行った。
トゥールーズからロデズまでだいたい2時間半ぐらい。





ロデズは、
現代フランスを代表する画家
ピエール・スラージュの出身地で
去年スラージュ美術館ができたばっかり。


コンクの大聖堂のステンドグラス張り替えを
担当した作家でもありまーす
去年、ロデズを通ってコンクに
行ったときの記事はこちら
このときはまだ美術館はオープンしていなかった


今回はツール・ド・フランスの前に
美術館に寄った。

スーラージュの作品とアズサちゃん








ツール・ド・フランスというのはプロの自転車レースのことだけど
プー子は、自転車のことは全然知らない。

なんとなく思い立って、前日に決めたロデズ行きなので
プー子の自転車知識も付け焼き刃。
聞けば、アズサちゃんも先輩もミカちゃんも、同じ感じらしい。
とりあえず前日にインターネットで調べたところによると
マイヨ・ジョーヌという黄色いウェアを着ている人が
前日までの一位らしい … 同じウェアを着まわしているんじゃろうか
あっせくさーい!



ロデズの街は、いたるところが通行止めだった。
それから金曜日だったのに、お店がたくさん閉まっていた。
みんなバカンスに行ったのか、ツール・ド・フランスを見るために閉めたのか…

ゴール地点に近づくにつれて、人がたくさん…
本当に、たくさん!




えー、みなさん

奥に見えるのが
ゴール地点でございまーす

右も左も人だらけで、
コースがかろうじて見えています。


大きな仮設テレビジョンに中継が映って、
誰かが誰かを抜くと、観衆のみなさんが、オーっと言った。
プー子には、誰が誰だかサッパリ。

そうこうしているうちに、先頭集団が、
あと10キロ、5キロ、1キロ…と
ゴールに近づいてきたらしく
観衆のみなさんのテンションがだんだん上がってきた
プー子も、とりあえず拍手して迎えよう、とした

拍手も歓声もマックスになったころ、何か通った!
と思ったら、バイクだった。
それから何かが続けて通って、みなさんがワーッと言って
何が何だかわからないうちに、たぶん先頭集団がゴールした。

唯一のチシキ、マイヨー・ジョーヌでさえ、
いつ通ったのか、そもそも居たのか、プー子にはサーっぱり。
あれ、あれれれれ、と言う間に終わってしまった。




インタビューを受けている
選手の後ろ姿。
有名な人なんだろうけど
プー子には、やっぱり、わからない。
とりあえず、上半身が細くて
脚の筋肉が隆々だった。




先頭集団が過ぎてからも、しばらくはゴールしてくる人たちがいた。
そういうやや遅れた選手でも、フランスの観衆はわかりやすくて、
トリコロール色のフランス人の選手がゴールすると歓声が上がった。
それ以外の国の選手には、あまり歓声がなかった。
中には、結構いいタイムでゴールしたはずなのに
かなり静かにゴールした人もいた。素っ気ないもんだ。




ゴールしたあとも
その辺をうろちょろする選手たち。

いつまで経っても
誰が誰だかサッパリ。






プー子は、そもそも自転車選手の名前は、ひとつも知らない。
自転車レースそのものを見て盛り上がるには
あまりにわからないことだらけだったけど
レースを見る観衆のみなさんとか、レースの設備とか
そういうのを見られたのは楽しかった。
観衆のみなさんは、ああやって結構速いスピードでゴールしていく自転車を見ても
どこの誰だかわかるのかしらん… 
観衆のみなさんは、普段から、お菓子の話をするように、
おランドの悪口を言うように、自転車選手の話をするのかしらん…
そういう人は、フランスに多いのかしらん…

でも少なくとも、ツール・ド・フランスに熱狂している人はとても多い。





チームの 車やバスがたくさんあって
レースが終わったら早々に
自転車を積んでどこかへ行っていた。







あるチームのバスには人がたくさん群がっていたので
有名なチームなのかなあと思った。
プー子たちも出待ちしてみた。
けれども出てきた人が、思ったより年配だったので
果たしてそれが選手なのか、コーチなのか、わからなかった…


とりあえず、ツール・ド・フランスなるものを見たプー子でした。



2015-07-07

プー子たち、引っ越しを手伝わない


みなさん、こんばんは、プー子です。









写真は、先月のニース旅行のプー子。
プー子の美しさが際立っていて、
この写真は、気に入っている。






いま、フランスは、とっても暑いです。
友達によると、エルニーニョだかハラペーニョだかが起こっているせいらしい。

とにかくここ数日は、日中の気温は30度台後半!
夜中も暑苦しかった。どれくらい暑いかというと
冷蔵庫で冷やしていたはずのロゼワインが、
晩御飯のテーブルに出しているだけで、ご飯中にぬるくなっちゃうぐらい。

プー子たちは、毎日水分補給しています。
朝の早いうちにお茶を2リットルぐらいお茶を淹れてもらって、
それを一日かけて飲んでいる。
だいたい、麦茶、ルイボス、ジャスミン、アールグレイ …
あ、まだ今年はミントティーを飲んでいない。





ジャスミンのお花とプー子









この暑いのに、人間たちは、今週末引っ越しをするらしい。
プー子たちは、今のところ、ボルドーとトゥールーズに二つアパートメントがある。
今週末の引っ越しは、ボルドーの家を引き払って
トゥールーズに荷物を持ってくるための引っ越しです。

もちろんプー子たちは、手伝わない。
ボルドーのアパートは問題だらけだからだ。

理由その1
実は、ボルドーのアパートはなぜだかとても暑くて、
先月は、夜でも、外気が16度なのに、アパートの中は27度だった。
(ノーモア映画泥棒、ノーモア熱帯夜!)
だから今週末なんて、きっと暑いにちがいない。
そんなアパートで寝るなんて、無理無理。

理由その2
それから、もっとひどい問題で、ボルドーのアパートには、ネズミが出ている。
たぶん建物全体がネズミに侵食されていて、
そこから留守中のうちにやってきたのだ。

人間たちは、ネズミ対策をいろいろと講じていたらしいけど、
プー子もお兄ちゃんも、ネズミは怖いので、
問題発覚以来ボルドーのアパートには近づいていません。
お兄ちゃんがネズミに耳でも齧られて、真っ青のロボットになってしまったら大変だ。





真っ青な朝顔とお兄ちゃん


ミカちゃんが実際にネズミを見たらしいけど、ハツカネズミの可能性が高いんだそうだ。




そういうわけで、人間たちが引っ越しでエンヤコラと言っているあいだ
プー族はトゥールーズでプールにでも浸かって
遊んで待っていようと思います。





2015-07-04

ボク、パリとストラスブールへ行く

こんばんは、ボクです。

ボクは、ここのところ、ミカちゃんについて、パリとストラスブールの旅に出ていた。
この旅は、ボクとミカちゃんだけだったので、まあいわば大人の旅だった。





まずはパリ。
ボクは、パリがあまり好きじゃない。
人ごみに疲れてしまう。
そこで日曜日は、
郊外のソー公園へ行った。
ここの近くに住んでいる
サイトー先生に会うためでもある。





ソー公園は、大きな大きな公園で、
四角や三角に切られた樹が整然と並んでいた。

ルイ十四世はここの公園を見て、
ここよりいい公園を建てようと思って
ヴェルサイユ宮殿を作ったそうだ。
なんだ、見栄っ張りだなあ。

ボクたちは、ここの公園でピクニックをした。
お惣菜屋さんに行ってお惣菜を買って、
パン屋さんに行ってパンを買って、
公園の木陰でご飯を食べた。


パリのお惣菜屋には
ボクたちの見たことのない
色とりどりのきれいなサラダや
オシャレな食べ物が並んでいた。

パリのパン屋には
見たことのないお菓子が
きらきら輝いていた。

ボクたちは、バゲット一本を買うのに
とても長いあいだ、並んだ。
パリは都会だと思った。ボクは御免だ。




それからボクは、TGVに乗って、ストラスブールへ向かった。
ボクの隣には、オーレリー・デュポンに似たお嬢さんが座っていて
ボクを見ては、愛くるしいと言って、頬を赤らめていた。
ストラスブールまで、ノンストップで2時間15分です。




ストラスブールの大聖堂。

とっても大きかった。
どれぐらい大きいかというと、
ボクの上にボクが肩車をして
その上にまたボクを肩車をしても
全然まだ足りないぐらい、大きかったです。


ストラスブールの街は、
お花がたくさんあった。
川もたくさん流れていた。


名物は、写真のような木組みの家なんですが、
これは実は、ごく一部の中心部にしかない。


ここは観光客がいっぱい。



それからストラスブールの街は
自転車が多いのでも有名です。

自転車道が必ずといっていいほど
走っていて、車は自転車に
気を遣いながら走ります。


街中には
巨大なシャンプーハットがあった。












ボクは、ストラスブールで、お菓子を食べたかったのに
なかなか食べられなかった。
というのもミカちゃんが、アパート探しをしていたので
それに付き合わされたのだ。

アパートを探すのは大変だった。
いくら電話をしても、誰もでんわ!だった。


それでもなんとかして、三日間で、三軒のアパートを見学した。
ミカちゃんは、アパートが決まったら
ケーキを食べようと言ったので、ボクはひたすら
早くアパートが決まればいいと思った。
ボクは、ケーキさえ食べられれば、アパートなんてどうでもよかった。



一軒目のアパートは
不動産屋のお兄さんがとても陽気だった。


窓の外に緑が見えます、と言っていたけど
見えたのは雑草だった。
これを緑と呼ぶのか…






二軒目のアパートは
本物の緑の多い地区だったけど、中心地から遠かった。


三軒目のアパートで
ようやく良いところを見つけた。
静かな、いいアパートです。
ボクたちは、ここに住むことになるらしい。





さあさあ厄介なアパート探しは終わった!
ケーキを食べるぞ!
ボクたちは、前から目をつけていた
サロン土手に入った。

ボクは、ケーキを選ぶのに、いろいろ迷った。
迷って、お店の人に聞いたけど
お店の人はひどいアルザス訛りで
何を言っているのかわからなかったから
見た目で選んだ。

チェリーのタルトです。
生地にナッツが練りこんであって、
とってもおいしかった。
どうも老舗のサロン土手のようで、
外からはわからなかったけど、内装も凝っていた。
ボクはご自分の目利きの力がおそろしい。
樹の重厚な机や椅子が並んでいて、ちょっとだけ、わびすけみたいだった。


ボクは、本当は、たくさんのアルザスのお菓子を食べたかったのだけど、
三日の間に食べたのは、このチェリータルトと、アルザス銘菓クグロフぐらい。
あと、ベトナムのお菓子。

クグロフには、しょっぱいのと、甘いのと、あった。
ボクは、どっちも召し上がった。
しょっぱいのは、チーズ味にベーコンと玉ねぎのかけらが入っていた。
味は、まあまあだった。
甘いのは… ブリオッシュよりも卵の少ない生地に、干しぶどうが入っていた。
そんなに甘くなくて、はっきりいって、パンだと思った。
それで、いくら食べても、なくならなかった。
ボクはちょっと、クグロフには、がっかりした。






ストラスブール大聖堂には
巨大な巨大な仕掛け時計がある。

ボクたちが着いたとき、
2時まであと3分だったので、
2時の仕掛けを見ようと思って、
ボクは暫く待った。

ドキドキ

こんなに大きな時計なんだから
相当すごい仕掛けが動くに違いない。






ドキドキ…



チッ、チッ、チッ、ピーン!
2時になった!

と思ったら、チン、チン、と鐘が二回なって、
上の方の人形が、とっても静かに、右から左へ動いた。

それだけだった。


なんだいなんだい!




これから、夏休みが始まるぞ。


ストラスブールの街は、緑と花と川と自転車が多くて、車が少なくて、
それは住みやすそうだったけど、
南のゆるーい雰囲気はなかった。
ボクたちは、この夏せいいっぱい、南のぬるま湯ダラダラ生活を楽しむぞ。