2016-01-29

ボク、5月のニースに行く

こんばんは、ボクです。

寒かった日々も過ぎて、
今週のストラスブールはぬるい風が吹いています。

ボクは、部屋の暖房の横にへばりついて
このThese foolish thingsを聴いて、
一足先に5月のニースにいるつもりになっています。


地中海が
午後の日差しをうけて、キラキラしている。
ぬるい風が頬にあたるけど
まだちょっと泳ぐには肌寒いかなあというぐらい。
何人かの気の早いフランス人は
鳥肌たてながら泳いでいるのだ。
ボクはそれを眺めるとなしに眺めている。
ああ ヤシの樹、 ああオリーヴの樹
ああ ブーゲンビリア ああ スイカズラのにおい

これから本格的な観光シーズンがやってくるのだ
気がついたら夕暮れで、
明るいから気づかなかったけどもう7時なのだ。
ああ夏がやってくる〜

2016-01-15

ボクと初雪の仕事


こんばんは、ボクです。

今朝起きたら、地面や車のうえに、うっすらと白い雪が積もっていた。
ああ、雪だとボクは思った。
朝起きて発見する雪は、夜中のしんしんとした情景を思わせるので、好きだ。

12月のあいだは暖かくてどうしようかと思ったけど
寒の入りから順調に寒くなってきていると思う。

こういう初雪の日の、プー族の選択肢は2つだ。

1つ 外に出ないで、お布団でごろごろする
2つ 降っているのは発泡スチロールだと思い込む
3つ 初雪のお茶会をする


ボクは、初雪のお茶会も悪くないとお思いになった。
お花は椿だとありきたりだから、梅でどうだろう。
ボクは昔、真理は寒梅のごとしという漢詩を書いたことがある。

ボクはそこで、梅が枝を探しにでかけた。
ところがどっこい。梅は、どこにも見つからない。

うちにある水仙とヒヤシンスのことを考えた。
ヒヤシンスは水栽培、水仙は水栽培と土栽培。
ヒヤシンスの方は最近冷蔵庫から出したところなので、芽が出たばっかり。
そもそもヒヤシンスでお茶会をしようとは思わない。
水仙の方は、土栽培のが、ニョキニョキと伸びている。
まだ花は咲いていないけど、蕾がふくらんできているところ。
なんだか初雪の気分にちょうどいいぞ。













ボクは、水仙で手を打ってもいいなあと思われた。

ところがどっこい。

ボクが見ているあいだに、
土栽培の水仙のうち一番よく伸びた一本が、にょろーんと折れた。
そうか!
水仙は室内に置いているので、光を求めて長く伸びすぎてしまったのだ。
自らの重みに耐えられなくなって、斜めに倒れてしまった水仙。
斜めのまんま開花してはかわいそうなので、
ボクは根元から切って、花入に入れることにした。

もう茎がだいぶ長〜い水仙なので、
袴を脱がせて、長さを整えて、花入に挿した。
例によって例のごとく、水仙を切ると、粘っこい液が出てきた。
最初に用意した花入はちょっとイメージと違ったので、
別の花入に入れた。高麗青磁の花入である。

水仙を花入に挿して、
ボクはとても大きな仕事をした気がした。
そしてこの仕事は、初雪の日にとても似つかわしいように思われた。

そこでボクはお布団に入って、ごろごろした。
雪は日中も降っていて、積もらなかったけど、降るときは結構降っていた。

晩御飯は、肉団子のみぞれ鍋だった。
外の雪が、お鍋のなかまで来たみたいだったけど
お鍋を食べると、体がとても温まった。
世の中には、暖かい雪もあるんだなあ。


2016-01-13

ボク、日本でお菓子を食べる

みなさま
初春の お慶びを おっしゃいます



年が明けてだいぶ経ったけれども
まだ幕の内弁当ということで。


ボクたちはクリスマスをストラスブールで過ごされたあと、
年末年始は日本へお帰りなすっていた。

ストラスブールのクリスマスは、
ご馳走パーティーだった。
毎年恒例フォアグラを食べて、赤い牛肉をブルーレアで食べた。
ブッシュドノエルは、クリスチャンの、木苺のブッシュドノエルだった。


スポンジケーキを
ぐるぐる巻いたお菓子なので
ケーキの断面が乾かないように
チョコレートで蓋をしています。

早く食べたかったので、
断面の写真は撮るのを忘れた。





日本では、たくさんお菓子を食べた。

日本では、ボクは、どうしてもふたばの団子が食べたかった。
そこで、まだフランスにいるうちから、おばちゃんに頼んで
ふたばに電話を掛けて、営業日を確認してもらった。
年内は31日までやっているとのことだったので、
ボクたちは28日、意気揚々と、朝早くふたばに行った。


ところがどっこい。
店先には、豆餅や、お正月用のお餅はあるけど、
団子はなかった。
ボクは、お店の人に訊いた。
「すみません、団子はないんですか」
お店の人は答えた。
「団子は年内はお休みさせていただいてるんです」
そこでボクは、また訊いた。
「年明けはいつからですか。そのときは団子はありますか」
「8日からです。団子もありますよ」

ということで、この日は、豆餅とよもぎ餅を買った。

ボクたちの日本滞在は9日までの予定だったから、8日なら間に合う!






朝の相国寺。
ボクは、聖フランシスコ修道会の修道士です。






とにかくボクは、年明けにだんごを食べることを夢見て、年内はほかのお菓子を食べていた。


そうしているうちに、年が明けた。
おめでとうございます。ああ、おめでとうございます。


元旦の初詣は、大阪天満宮。

今年、ボクは後厄なので
御本殿でお祓いをしてもらった。

ついでにミカちゃんも本厄なので
お祓いをしてもらった。






祝詞には、お祓いしてもらう人の住所を言うところがある。
ボクたちはフランスに住んでいるんですけど、日本の住所を書いたほうがいいですかと訊いたら、フランスの住所でも結構ですとのことだったので、フランスの住所を書いた。

そしたら神主さんが
「すとらすぶ〜るふらんす〜にすまいする〜プーちゃん〜には〜
26さいのやくよけを〜」と祝詞を上げてくれた。
厄年は、数え年で数えるから、ボクは26さいなのだ。
ボクはちょっと大人の気分を味わった。

元旦に朝日の差し込む御本殿で祝詞をあげてもらったので、
これでボクの厄は全部福に転じて、今年のボクはハッピーラッキープリティーだ。
気分はさしずめ、カーペンターズのClose to you.





お参りとお祓いが終わった後、
とっても清々しい気持ちで、
ボクは喫茶店で一息をついた。
白いボク。


ミカちゃんとおばちゃんとアイちゃんと、
あともう一人いた。




翌1月2日は、ボクのお誕生日だ。
数え年でない数え方では、ボクは、25歳におなりあそばした。
シハン世紀を生きたので、ボクはもう人生の師範である。
この日は落語会に行って、初笑い。



お誕生日のケーキには
ちゃんと25本のろうそくを立ててもらった。



この写真では読みづらいけど、プレートには
「プーちゃんおたんじょうびおめでとう」と
書いてあった。




25本すべてのロウソクに火が点いたところ。
ロウソクどうしが密接しているので、
一部の炎がくっついていて、なかなか圧巻だった。
やっぱり人生の師範ともなると、ちがうな。





別の日には、おばあちゃんちに行った。
ボクの実家だ。こたつに入って、復活した八角弁当を食べた。

食後は、まさにお菓子天国だった。上用饅頭が10個と、茶だんごと、大福!!!!
ボクはウハウハだった。





ほかに食べたお菓子は、もう数え切れない。
リッちゃんがおうちに来たときは、鶴屋吉信の福ハ内を食べた。
ほかに、ワッフル屋さんのレアチーズケーキも食べたし、北浜の五感のケーキも食べた。
スーパーで売ってるシュークリームも食べた。きなこアイスクリームも食べた。
だけどボクは、まだ食べ足りない。



ついに8日。
ふたば再び。


ボクのすきな歌舞伎団子はなかったけど、よもぎだんごを食べた。
ボクは、だんごをクッチャクッチャと食べるのが、だああああいすきだ。
ああ美味しかった。



他に、桜餅も食べた。
ふたばの桜餅は、大きな桜の葉を二枚使ってある。
ボクは、正直なところ、桜の葉っぱは一枚でもいいのだけど、塩気のある葉っぱと、甘いあんこと、道明寺のプチプチもちもちは、やっぱり一緒に食べるとおいしい。そして口の中に広がる桜の香りがたまらない。目を閉じると、一足早くお花見をしているようだ。

だから、二枚の葉が残りすぎないように、葉に包まれている部分と葉っぱがつねに一緒に食べられるように、計画的に食べていくのだ。今回は、だいぶうまく食べることができたので、葉っぱが残って塩辛い思いはしなかった。
やっぱり人生の師範ともなると、桜餅の食べ方にも長けてきたというものである。






円通寺のお庭から比叡山をのぞむプー族。





そういうわけで、今年もプー族が幸せでありますように。
ついでにこのブログを読んでいる皆さんも、幸せでありますように。