2015-10-24

プー子、ヴィーダードイッチュラントへ行く

Guten Abend!!! プー子です。

タイトルの「ヴィーダー」はドイツ語でwieder、再びという意味です!
そう、プー子は、先月に続いて、またドイッチュラントへ行った。
前回ドイッチュラントへ行ったあと、プー子はドイツ語を習い始めたので
今回のドイッチュラント訪問はドイツ語実践のチャンス!というわけである。

ストラスブールからライン川を渡るとそこはドイッチュラント。
ケールという街がある。前回行ったのは、このケール。

それで今回は、もう少しドイッチュラントを奥深く知ろう!と思って
オッフェンブルクまで行くことにした。
オッフェンブルクは、ストラスブールから車で30分ぐらいの大きな街だ。
そこを、今回もまた、自転車で行こうと思ったのであーる。

お天気、気温、風水、六曜、易経などを参考に、決行は土曜日の今日。
車で30分だから、自転車だと1時間15分ぐらいかな、ということで
午後まるまるかけて往復しようと思った。
ちょうど土曜朝はマルシェの日でもあるし。そこで、12時に出発!





えっちらおっちら…



途中で見たケールの教会と池










ところがどっこい。
まず自転車の調子がおかしい。

それから、道を間違えた。

ケールを超えて、ズントハイムという小さい村を超えたぐらいから
牛のにおい、馬のにおい、見わたすかぎり畑だらけ、車びゅんびゅん。




シュヴァルツヴァルトの山と
その向こうにさらに高い山が見える









1時間経っても、道のりの半分も進んでいない。


うーむ


立ち止まって地図を見ているプー子の横を
ツールドフランスに出てくるような自転車集団が
颯爽と駆け抜けていった。


そうか、オッフェンブルクまで行くにはあんないい自転車が必要なのだ。
壊れかけの ママチャリではダメなのだ!


そこでプー子たちは、もう引き返すことにした。
たぶんこのままオッフェンブルクまで行っても、
着いたころには帰らなきゃいけない時間になっているだろう。
時間におわれて移動だけするのは、楽しくない。

ということで、ドイッチュラントでケーキを食べるという
旅の一番の目的を果たすため、ケールまで引き返した。
結局ケール…

とりあえず街を少し観光して、それから
前回も行ったショッピングモールで一休み。
自転車の旅は案外疲れたので、ベンチに座って、ぼーっとしていたら、
目の前にパン屋が見えた。ちょうどいいので
プー子は手持ちの小さい辞書を使って、パン屋の看板を読んでいった。
そのうちプー子はドイツ語を試したくなった。
そういえば、明日のパンを買わなきゃいけないことを思い出した。
ドキドキドキドキ…

プー子は、意を決して、パンを買いに行った。
通じた!!!!!!!
プー子の言ってることを、パン屋のお姉さんは理解した!
パン屋のお姉さんの言ってることも、プー子は大体わかった!
最後の最後で、Is that all?と訊かれた以外は、
お姉さんとプー子は、ドイツ語で話したのだ!
プー子は、お姉さんとの会話を何回も反芻した。



気を良くしたプー子は、サロンドテに行った。
自転車からマークしておいた、感じのいいお店だ。
ショウウインドウにかわいいお皿やお茶用品が飾ってある。
中に入ると、とても綺麗なお庭があって、温室もあった。
とてもモダンなサロンで、ホテルのロビーみたいにピカピカ綺麗で、
ちょっと日本みたいだった。そう、イノダコーヒー三条店みたいだ。





そこでもプー子は、しっかりドイツ語で、オーダーした。
食べたのは、フランスではフォレ・ノワール、ドイツではシュヴァルツヴァルトと呼ばれているお菓子。どっちも意味は黒い森で、さっき見たケールの東側の山のことだ。
シュヴァルツヴァルトの近くで、シュヴァルツヴァルトを食べるプー子!
ちょっとボリュームがあるので、一切れのケーキを人間たちと分けることにした。
(お兄ちゃんは面倒臭がってフランスに残っていた)
ちなみにアルザスでは
「フランスでは美味しいものを食べる、ドイツではたくさん食べる、
アルザスでは美味しいものをたくさん食べる」という表現がある。
ドイツのものはちょっと量が多いのだ。
でも出てきたケーキは、フォークが一つしかなかった。






そこで!早速!プー子は、ミニ辞書でフォークという言葉を調べて
給仕のおばさんに、フォークをもうひとつください、とドイツ語で頼んだ。
もう、このおばさんとの会話はぜんぶドイツ語。わかる!通じる!
ふっふっふっふっふ…

最後のお会計のときも、ミカちゃんがお札で払おうとして
20サンチームありませんか?と訊かれたので、
プー子はわざわざツヴァンツィッヒ、ツヴァンツィッヒと言いながら、
ミカちゃんのお財布をひったくって、そこから20サンチームを出した。

かんっ、ぺきっ!


オッフェンブルクには行けなかったけど
プー子の目覚ましいドイツ語の進化が感じられて、いい旅だった。
もうプー子は明日からドイツ語しか喋らないかもしれない。

それではみなさん、Auf wiedersehen!!!

2015-10-21

プー子、お魚に負ける

こんばんは、プー子です。

ストラスブールは内陸も内陸なので、お魚があまりない。
売っているお魚は、川魚のニジマスか、比較的保存しやすい鮭ぐらい。
地元アルザス料理は、豚肉をふんだんに使ったお料理です。

アルザスの豚はおいしい。
だけど、プー子は、本当はお肉よりお魚が好きだ。
ボルドーにいたころはよく魚介類を食べていた。
ボルドーは海が近くて、よかったなあ。

ストラスブールに来た当初は、
スーパーのお魚コーナーのお魚たちが新鮮じゃないので、びっくりした。
トゥールーズだって内陸だったけど、
ストラスブールのお魚はトゥールーズのお魚よりひどい。
プー子は、9月の最初のころ、ストラスブールのお魚を初めてみたとき、
「こんなお魚なんて、本当のお魚じゃないわ!」と言った。



あれから1ヶ月半が経ち…
ついにお魚なしの生活に耐えられなくなってきた。
時折食べるスモークサーモンとかサバ缶なんて、お魚のうちに入らない!!


そうして今日、あんなにバカにしていたお魚売場で
Cabillaudを買ってもらって、ホイル焼きにして食べた…

Cabillaudは鱈の一種らしい。
プー子は、鯛が一番好きだけども、その次ぐらいにCabillaudが好き。
あっさりした味だけど、甘みがあって、やわらかくて、おいしい。
ストラスブールで買ったCabillaudも… 美味しかった。
お魚禁断症状ゆえに、美味しいと思ったのかもしれない。
もしかしたらそんなに美味しくないのかもしれない、けど美味しかった。



プー子は負けた。
フランス宮廷は堕落しました!
プー子が、ストラスブールのお魚に負けたのです!




オスカル! 

2015-10-20

プー子、アルザス新酒祭りに行く

こんばんは、プー子です。

昨日の日曜日、プー子は、マーレンハイムの新酒祭りに行った。
マーレンハイムは、ストラスブールからバスに乗って20分ぐらい。
アルザスワイン街道の北の端にある。

どうもアルザス地方では、新酒祭りというのは、わりと一般的らしい。
今年の葡萄でできたお酒を飲む、収穫祭みたいなもんだ。
葡萄の収穫は9月なので、つい最近摘み取られたばかり。
まだ殆どワインの味がしない。

フランスの他の地方では、そういうことはしないんじゃないかあなあ
一番早くても、11月中頃のボジョレーまで待たないと
その年のワインというのは飲めない、と思われている。

アルザスの人は余程せっかちなんだろうか。

とにかくプー子は、早速、新酒をいただいた。


味は、とってもあま〜い葡萄ジュースみたいだった。そこにちょっと湯の花の匂いがかさなった感じ。ほんのり微炭酸。

正直な感想は、ふーん…
まあ、初物でした。
おいしかったことは、おいしかった。




マーレンハイムの町中が
蚤の市状態になっていて、
町をあげてのお祭りだった。


たとえば、八尾のおわら風の盆もこんな感じかなーと思った。行ったことないけど。




ハイライトは午後2時。

タッタカラッターと
楽隊が登場。

続いて、葡萄農家の人たちが、葡萄をたくさん載せたトラックに乗って登場。
農家のみなさん、
教会前の広場に到着。

ワイワイ集まる観光客。
観光客のみなさんの目の前で、とれたての葡萄を絞って、葡萄ジュースを作りまーす







よいしょっ


ぐるぐる
ごごー
ぴかっ
めえー





搾りたての葡萄ジュース
見た目はちょっとアレだった。
緑の葡萄で作ったから、濁りきったキウイジュースみたいな色だった。
青汁とか、緑がかった泥水とか、そんな感じを想像してもらいたい。


ところがどっこい、一口飲んでみると、フレッシュで、おーいしーい!!!
甘いだけじゃなくて、葡萄の香りとか、まろやかさとかが感じられる、奥深い味だった。
あまりの新鮮さに、一口飲んで、目がパッチリ! プー子は二重まぶたになった。


どんどん人が集まって、
広場はこんな感じ。

左手に楽隊
右手に葡萄農家のトラック。

このお祭りは、
昔からずっと続いているんだろうなあ
風の盆みたいな感じかなあ
行ったことないけど。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



それから最近は、落語にも行きました。
ストラスブール大学に、文枝師匠の弟子の桂サンシャインというカナダ人落語家がやってきたのだ。なんとフランス語で落語をやった。
動物園を演って、観客はおおいに受けていた。
お囃子がなかったのが残念だったけど、久しぶりに寄席の感じが味わえてよかった。

2015-10-15

ボク、冬眠したい。

こんばんは、ボクです。
ノーベル賞は要りません。


ストラスブールは、昨日からぐっと冷え込んで
なんと今日の最高気温は6度だった。
今朝が3度ぐらいで、そのあと日中でもずっと5、6度だった。
全然温度が上がらない。
それで、なんとなく街全体に霞がかかっている。
春霞とは全然ちがって、見ているだけで凍てつくような霞だ。

おお寒い、おお寒い。

ボクは、寒くなってから、昼寝ばかりしている。
急に寒くなると、体が疲れるのだ。
お布団の中は暖かくて、体も楽なので
本当は、ボクは、冬眠をしたい。
目が覚めたら春になっていてほしい。

それで毎晩、寝るまえに
ボクはこのまま春まで起きませんようにと思って
冬眠をしようと思って、願をかけてから寝るのだけど
それでも夜中に何回か目が覚めて
お手洗いに行っているうちに
朝がやってきてしまう。

ボクは、冬眠が したい。




これは寒くなるまえのイル川。

この川にはカワウソみたいなのが
棲んでいるんだけども
この日は彼らも日向ぼっこをしていた。


次の日から寒くなることを
知っていたのかもしれない。






来週には少し寒さはマシになるらしいけれども、
そういっても、もうあと1ヶ月半もすれば、クリスマスマーケットが立つのだ。
ボクは曹洞宗の僧侶ですから、クリスマスマーケットは見れなくてもいいですから、
冬眠がしたいです。


2015-10-10

ボクがノーベル賞を受賞しない奥深い理由









こんにちは、ボクです。

ストラスブールは、
ゆっくり秋に入っていっています。







だいたい今年のノーベル賞も出揃ったようだ。

おそらくこのブログのファンの皆さんは、どうして文豪プーちゃんはノーベル文学賞にノミネートされないんだろうと、訝しく思っていることだと思う。
ボクは今まで、実に多くの小説を書いてこられた。
代表作は、『太雪』『車輪の下敷き』『老いたウェルテルの平穏』などなど。
外国語でもたくさん書かれていて、英語ではGone with the window、
フランス語ではLe grand princeやCritique du raisin purなどが有名だ。
とくにCritique du raisin purでは、人間の本質を見事に描き出し、
コペルニクス的でんぐり返りをする主人公が社会現象になった。

つまりボクは、社会に絶大的影響力を及ぼす、思慮深い大文豪だ。
ではどうしてそのボクがノーベル文学賞を受賞しないのか。
実は、とても奥深い理由がある。




(ボクんち)


ボクは、とても想像力豊かでいらっしゃるので、
もしボクがノーベル賞をとったとき、その後どうなるのか、簡単に想像できる。

きっとボクほどの大文豪がノーベル賞を獲ったら、
ノーベル文学賞は、人間のレベルを超えてしまう。
その次の年からノミネートされた誰もが、ボクと同じ賞を受賞するのは
恐れ多いと言って、ノーベル文学賞を辞退することになるだろう。

そうすればノーベル文学賞は廃止になってしまう。

ボク自身はこの賞についてはどうでもいいと思っているのだけど、
世界中にこの賞をとりたいと思っている作家はいるようで、
それを思うと気の毒だ。
ノンベエの森だったかサスベエの森だったかを書いた
日本の小説家なんか、喉から手が出るほど欲しがっているんだそうだ。


だから、ボクは、ノーベル文学賞を受賞しないのだ。


ノーベル賞の方でも、ボクのこういう深いお考えを察してか、
今のところボクにノミネートの連絡をよこしてきていない。
ボクが辞退することを知っているんだろうと思う。





2015-10-02

ボクと秋の味覚

こんばんは、ボクです。
みなさん元気ですか。ボクはお元気です。

ストラスブールの秋は早いというのは本当で、
もう早くも10月になってしまった。秋本番だ。
みなさんは、何月ですか。






街のいたるところから見える
ストラスブール大聖堂。


秋晴れの空が眩しい。








最近のボクは、秋の味覚を楽しんでいらっしゃいます。
秋は身に沁むというのは本当で、
涼しくなってからというもの、お腹のあたりが、キュウっともの寂しく感じられる。

こないだ、 フランスに来て初めて、梨を見つけた。
ボクがフランスにいらっしゃった30年前には、梨なんてなかったのに…
どんどん果物のグローバリバリゼーションが進んでいるのだ。
梨は、小さかったけれども、味はちゃんと梨だった。
ボクは、涼しい秋の日に、梨のしゃりしゃりを味わうことができて、嬉しい。
ちょっと秋の日の運動会のデザートを思い出した。

フランスでは、柿も売っているので、これで巨峰がそろえば
秋のフルーツは文句無しだ。

梨とボク


それから、
お豆腐屋さんも見つけた。
ストラスブールの街中にあって、アジア人のおばさんが手作りのお豆腐を売っている。
ビオのお豆腐とか、オリーブ入りとか、野菜入りとか、いろいろあった。
ビオということは、つまり無農薬で、遺伝子組み換えでないということだから、
ということはそれ以外のお豆腐は遺伝子を組み替えているのだろうか…
そんなことが少し気になったけれども、やっぱりお豆腐は美味しかった。
コットン豆腐、別名木綿豆腐です。

どんどんアジア食品が手に入りやすくなってきているフランスです。

お豆腐屋さんにおあげもあったので、そのおあげで、炊き込み御飯を作ってもらった。
秋といえば炊き込み御飯である。ちょっと茶色いご飯粒の中に
いちょう切りの人参やキノコが混じっていて、まるで秋の落ち葉のようだ。
キノコは、今回は、trompette de la mortというフランスの黒いキノコだった。
コクがあっておいしいのだ。その名の通り、ラッパみたいな形をしている。

ああ、これで秋刀魚があれば完璧なのになあ、とボクは思った。
さすがに秋刀魚はストラスブールでは釣れないから、
このブログを読んでいる日本のみなさん、ボクに秋刀魚を送ってください。
フランスのお台所には、焼き魚グリルは備え付けられていませんから、
焼いてから送ってください。スダチも忘れないでね。


寒くなってきた季節の
フランスの食べ物といえば、ポトフだ。
ポトフというのはれっきとしたフランス料理で、pot au feuと書く。
意味は、ポットと豆腐。
これも体の芯から温まって、おいしいのだ。
ボクは、日本でおばちゃんが作っていたポトフは好きじゃなかったけど
フランスで食べるポトフは美味しいと思います。
おうちへ帰ろう〜 ポトフを食べよう〜







公共の図書館や学校では、
もう暖房がつき始めたらしい。

こちらはおいしいカフェの入っている
メディアテック。

あの人のケーキ思い出す
夕焼けの高瀬川〜





秋になったらチョコレートが食べたくなるのはどうしてだろう。