2011-09-12

エセル卿、日本にゆく、その1 〜初めての飛行機〜

みなさん、初めまして、エセル卿・ヘンリー・ジョージ・アーサーと申します。


いつもはプーちゃんとプー子ちゃんの書いているこのブログに、
プー族でないわたくしが参加させていただくのは
大変恐縮でございますけれども、
ただいま初めてヨオロッパ以外の国を訪れているわたくしといたしましては
その印象を寄稿させていただきまして
ブログの発展につながるならこれ幸いと思っております。
これからしばしお付き合いください。

わたくしは、イギリスの育ちでございます。
百年戦争の折りに、ひょんなことからフランスに残ってしまいまして、
今日に至るわけであります。
久しく長距離移動というものをしておりませんので、
船と馬以外は存じ上げません。わが倫敦を走るという、赤い化け物も知りません。
したがいまして、今回の日本行きは、
飛行機なる鉄の鳥がわたくしの最初の関門でございました。

プーちゃんはエアプォースワンで移動すると仰るし
プー子ちゃんは歩いていくと仰る、
けれども、わたくしはそういうわけにまいりませんから
ミカさんと一緒に、飛行機なるものに乗ったのでございます。
これが、いやはや、大変でございました。

空港では変なベルトに乗せられ、息を止めて死んだふりをいたしました。
変なレーザーが体をぬけて、生きた心地がいたしませんでした。
一度で終わりかと思ったら、
あの、シャルル・ド・ゴール空港というところで、
大変な行列を待たされたあと、ふたたび死んだふりをいたしました。

やっと抜けたころには、お腹がペコペコだったんですけれども
不思議なもので、免税店ばかりで、食べ物屋がございません。
エルメスとかグッチとか並んでいるのは、やはり飛行機の食べ物でございましょうか。
わたくしはひもじさに耐えながら、飛行機に乗り込んだわけでございます。
けれどもここは英国紳士、顔には出しませなんだ。

しかし飛行機の本当の恐ろしさは、やはり飛行中にございます。
トゥールーズからパリへ行くあいだは、よく揺れました。
わたくしは、何度もこの世の終わりを感じました。
縦に横に、がくがく揺れるわけでございます。
そのたびにわたくしは、うっかり叫び声をあげてしまうのですが
不思議なことに乗客のみなさんは涼しい顔をされています。
わたくしには、この乗客のみなさんさえ、恐ろしい飛行機の一部に見えるようでございました。

これも一度で終わりかと思いましたが、二度目がございました。
パリから大阪でございます。
このとき、わたくしは、飛行機がなぜ揺れるのか、その理由を確信いたしました。
わたくしの席からちょうど、つばさが見えたわけですが、
これは、わたくしの見たところ、トタンでございます。
ペラッペラの板のようなものがひらひら付いているだけでございます!
なんと、質素な!!
現に、風が吹くたびになびいているのでございます。
こんな、ちっぽけな羽で飛んでいるのかと、そう思うとぞっといたしました。
プーちゃんが、飛行機の羽は虹色のゴクラクチョウみたいと仰っていましたのですが
どうやらそれは、もっと高級な飛行機であるように思います。
いわばわれわれは、一番ちっぽけな、つまり一番落ちそうな飛行機に乗せられているのです。
わたくしは、背中が寒くなるのを感じました。
トタンゆえの、すきま風かもしれません。

いやはやわたくしは愕然といたしました。
思えばベルトコンベアーに乗せられた時点で、
わたくしは飛行機のしもべとなったわけであります。
飛行機は偉そうにエルメスを食べて生きておりますが、
わたくしは、その飛行機の言うなりになるしかない
生きた心地のしない、仮死状態のしがないエセル卿でございます。
わたくしは、鉄、じゃなくて、トタンの鳥に食べられたのでございます。
来世は必ず、飛行機のない時代に生まれよう、とそう決心いたしました。
やはり地に足をつけて生きるのがよろしゅうございます。
まあ、わたくし、足はございませんけれども。

そういうわけで、わたくしの日本旅行は恐ろしき飛行機によって始まりました。
その後の日本での滞在もまた、驚きの連続でございます、
が、それはまた次回、写真を交えてご報告いたしたいと思います。
本日はひとまずこれにて。

4 件のコメント:

  1. エセル卿の名前初めて知った・・・
    みんな元気ですか? By R

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  2. やあ元気だよ、ラビは?ボクはだんごを食べ、プー子ちゃんはタイガースの試合ばかり見て、ボクはだんごを食べているよ。エセル卿は、だいぶ日本がショックなようだ。ボクはだんごを食べているよ。byプー

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  3. はじめまして。日本へようこそ、ですぞ。

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  4. 彼の名前も知らないなんて、らびやんどうかしてるよ。エセル卿君は、ぼーくーの部下だよ。
    あぁ、これから、らびやんと本当に一緒に暮らしていけるのだろうか。。。by aochan♥

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