みなさん、こんにちは。エセル卿でございます。
遠い日本で、紳士の方に巡りあえたわたくし、
その後の日本滞在は楽しうございました。
暑いですとか、狭いですとか、
気にしてはいけません。
日本には、それを補って余りある楽しみがあるのでございます。
思い出を少しばかり、列挙してみましょう
ある日は、プーちゃんが、中之島を案内してくれました。
大阪のど真ん中にありながら、
落ち着いた雰囲気の界隈でございます
大正マロンという時代の雰囲気なのだそうでございます。
公会堂のなかではいつも和栗の品評会が行われているらしい
プー子ちゃんはここの常連で、栗まんじゅうや栗どらやきにお詳しいのです。
中に入ってみますと、どこかでみたようなレンガ造り
ワタクシ、ついつい壁の穴に入ってしまいました。
それからわたくしは、日本のラジオが大変気に入りました。
生活の知恵を言うております。
たとえばよい新じゃがの見分けかたですとか
子育て相談室ですとか、防災一口メモですとか、
大変ためになります。フランスのラジオではこうはいきません。
わたくしは日本のラジオから沢山のことを教わりました。
あの、みなさん、じゃがいもは、できるだけ
ごつごつしたものを選ぶのがよいんだそうでございますよ。
運良く、国民的アイドルのみなさんとも
お会いすることができました。
また別の日には、プーちゃんとプー子ちゃんが、お家に連れてってくださいました。
白鷺城というんだそうでございますが、
残念ながら今は工事中で、覆いがかけてありました。
中には白鷺がいるんだそうでございます。
なんと立派な門構え!
わたくしを迎えたプーちゃんが
「友あり 遠方より来る また楽しからずや」と仰りました。
これはのちにプーちゃんのご本の一文になったそうでございます。
日本にはお城に住んでいる人が少なからずいるんだそうでございます
生活笑百科という、しかくい顔をした落語家の番組があって
今回の滞在中にわたくしはすっかり好きになってしまったのでございますが、
そこに出てくるカミヌマエミコさんと仰る方も、
大阪城に住んでいると仰っておられました。
さしずめプーちゃんたちのお友達でございましょうか
そしてなにより楽しかったのは、お笑いでございます。
ある日ラジオで聴いた上方演芸会がきっかけでございました
いとしさんが、「うちとこの妻(さい)がね」というと
こいしさんが「君んとこサイ飼っとるんか」と仰るのでございます
妻とサイ!天才的なボケ!なんとよくできているんでしょう!
これこそ紳士のめざすべき洒落でございます
わたくしは何度も関心し、腹筋がいたくなるまで
笑い転げました。だって、妻とサイですよ。ああ思い出すだけで可笑しい
まちがいなく、この漫才とか落語とかいうものは
わたくしの今回の日本滞在の最大の収穫でございます。
ああ、もう一度行きたい
今度は寄席に通いとうございます、が、
ひとまずこれにて。
お線香がたちきれました。
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