先週、日本から、おばちゃんがやってきた。
そして今週、帰っていった。
土鍋とコシヒカリと日本酒と梅酒と
もずくと俵屋吉富の雲龍を持ってきてくれたので、
ボクはうれしい。
日曜は、エミリーのご両親のおうちを訪ねた。
今回は、近くのRieux-Volvestreという村も訪れた。
大聖堂の近くを流れる川が、なんともいえないみどり色で、美しい。
水が、ボクの瞳のように透き通っていた。
古い町並みが残っている村で、のどかです。
何年か前には、帰ってきたマルタン・ゲールという映画のロケに使われたらしい。
この写真で、ボクの左後ろに写っている格子柄の建物なんて、
14〜15世紀のものだそうだ。
映画の撮影中は、コンクリートに土を敷き詰めて、中世らしく見せかけたらしい。
ボクが監督だったら、
土を敷くのは面倒だから
地面を映さないで撮るだろう。
ところでこの映画の主役を演じたジェラール・ドパルデューは、
今ちょっとフランスで話題になっている。たいへんなお金持ちなのに、
税金を払いたくないからベルギーに引っ越そうとしているらしい。
さらにはそれを批難されたのが気に入らないらしく、
フランス人なんてもう辞めてやると豪語しているらしい。
税金を払いたくなければ、最初からお金持ちにならなければいいのだ
と、ボクは思う。
そんなことは置いといて、
ここでもマルシェ・ドゥ・ノエルが出ていた。
蜂蜜とか鴨の缶詰とか、
村の特産品が売っていた。
そんなに商売っ気もなくて、
なんとなく長閑だ。
小学校のバザーみたいなゆるゆる感です。
マルタン・ゲールの話というのは、
ちょっと有名な中世の人間違い事件で、実際におこった話です。
カラス事件と並んで、
「トゥールーズ(近郊)にちなんだ歴史的事件」として
知っていると、教養のある人に思われる。
それでボクは、「マルタン・ゲールの話、知ってるよ」と
いろんな人に言ってまわっていたけれども
そのうちにどんな話だか忘れてしまったので、
最近はこの話はしないようにしている。
忘れようとしても思い出せないのだ。
エミリーのおうちでは、一足早いクリスマスディナーをいただいた。
おいしいスープに始まって、フォアグラとか、
鴨のコンフィ&リンゴ&蕪のオーブン焼きとか
もちろんワインも地元のもので、おいしかった。
蕪は、お庭で採れた蕪だった。
チーズのあと、ブッシュドノエルが出てきた。
お店でよく売っているブッシュドノエルは
キノコとかサンタクロースが飾ってあるけれど
このケーキはエミリー風で、本物の葉っぱが使われている。
ブッシュというのは丸太という意味なので、本物の丸太みたいだ。
黒いのはぜんぶ、ブラックチョコです。中はスポンジで、本当においしかった。
いったい、丸太町のどこにこんなケーキが売ってあるんだろう。
ボクはもう一度食べたい。
典型的な、フランスの日曜日のお昼ご飯で、
アペロから数えると、4時間ぐらい食べていたんじゃないだろうか。
もちろん話して、食べて、話して、話して、食べる。
みんなが一同に会する機会を楽しむのだ。
帰り道に、小高い丘に登って、ピレネー山脈をみた。
街の光が、きらめき始めている。
エミリーとご両親に感謝です。
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