この夏、プー子はまたベルジュラックに行った。
プー族には内緒だったみたいだけど
ミカちゃんが、ビランさんのおうちのランチにおよばれされたらしい。
プー子は勘がするどいので、見抜いたわ。
ビランさんといえば、伝説のお菓子職人
そんなところのランチなんて、
お菓子パラダイスに決まってる!
内緒にするなんてズルいズルい、
ひとりで行かせやしないわよ
ということで、朝早くに出て行こうとする
ミカちゃんを、プー子、がしっと捕まえた。
抜け駆けは許さないわよ、ふふふ
トゥールーズからベルジュラックまで、電車で4〜5時間ぐらい
行きはボルドーで乗り換え
ボルドーの駅は、駅舎の扉に、昔の扉番号が残っている。
お昼すぎにベルジュラックに到着
今回はビランさんのシソンとおっしゃる方が駅まで
お迎えに来てくだすった
「初めまして、プー子です」
「あらこれは素敵なお嬢さん」
ビランさん家、ふたたび
古いお城で、前庭と中庭がある。こっちは中庭のほう。
ところが
待てども暮らせども お菓子のおの字も出てこない
プー子、やきもき…
だんだん二人は本だかなんだかの話を始めて
とまらない…
ビランさんはどこ…
プー子、朝が早かったので うとうと
お菓子、まだ… むにゃむにゃ…
はっ!
起きたら、夕方、
ベルジュラックの駅、
シソンさんが見送ってくだすってる
「ごきげんよう、美しいお嬢さん」
「ごきげんよう、シソンさん…」
なにかおかしい…
ビランさんは、本当にお菓子職人なんじゃろうか…
トゥール—ズに着く前に、陽が沈んだ
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