2011-06-27

ボクと大学と水無月

今日は、暑かった。
トゥールーズで35度、パリは37度、ボルドーは39度…
ラジオは、何年か前の記録的猛暑のことを話している
といってもこの暑さは今日がピークらしいけれども。
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DSC07903, a photo by mikans100 on Flickr.



こんなに暑い日に、ミカちゃんは大学に出かけていった。
帽子を被って、レモン水を持っていった。
大学ってそんなにいいところなんだろうか…

ミカちゃんが出て行ったあと、
プー子ちゃんがもそもそ起きてきて、ボクに訊いた。
「お兄ちゃん、大学って何するところなの?」

「大学というのはね、プー子ちゃん、
ボクがずっと前に書いた本の名前でね、
大学芋の作り方が書いてあるんだよ」

「ふーん、大学芋かあ…
でもプー子、こんなに暑い日は、大学芋より水無月が食べたいなあ」

「ああいいねえ、水無月、
水無月の作り方も、大学に書いてあるんじゃないかなあ
なんてったって"カクカク""チ"たお菓"チ"だからね」

「…
水無月を食べて、わっかをくぐって、夏を越すのよね」

「そう水無月を食べるんだ」

「水無月、食べたいわあ」
「水無月、食べたいなあ」

ここで一句
水無月や、ああ水無月や、水無月や

プー子ちゃんが下の句
麦茶に透ける、あずきもひんやり

(日陰で語るプー族、イメージ図)
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2011-06-23

ボク、朝の散歩をする

ある日、ボクは、朝の散歩にでかけた。
行き先は、近所の公園、ジャルダン・ロワイヤル。
ここはボクたちのお気に入りの公園。
デオダ・ド・セヴラックという作曲家も好きだったらしい、
セヴラックて、ボクだ。
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まんなかに大きな池があって、橋がかかっている。
橋の両端は全部ベンチ。朝はとくに、すがすがしい。
こういう感じ。
遠くからみたところ
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近寄るとボク。
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トゥールーズは、鳥が自由だ。
スズメでもカラスでも、単独行動がおおい。
鳩だって、日本みたいに切羽詰まった感じはなくて、のんびりしている。
田舎だからだろうと思う。
このハトたちがもし東京にいったら
車に轢かれてしまうかもしれない。
ああどうしよう、ドキドキ…
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これはメルレ・ノアール。
春先に現れたころはもう少し痩せていて、いい声だったけど
最近はちょっと厚かましい。
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少し前から見かけるようになったのは、
セキレイとシジュウカラと火の鳥。
これは、鴨の親子。
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この鴨の子たちは他よりずいぶん遅く生まれたけど
それでももうボクより大きくなってしまったから、
ボクはあまり興味がない。

すぐ隣の公園、ジャルダン・デ・プラントへ。
朝の光、
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ダリアとボク、うしろにハト侯爵。
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実にこのあたりは、公園がおおい。

この散歩の途中、ボクは俄に次回作の案ができあがった。
『失われたトキを求めて』という
チルチルとミチルが、いなくなったトキを探しに
メフィストフェレスと地獄を旅する
ああバビロンまでは何センチ…

とまあ、オチまでブログに書いてしまっては
読者の楽しみを奪うことになるので
それは読んでからのお楽しみ。

これは児童文学なので、近日中に岩波少年文庫にはいる予定。

2011-06-16

プー族、Moissacへ行く

昨日は月食だったので、赤黒い月が出ていた
これは食あけ
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それでプー子たちはすっかり、ぶらり旅気分
思い立って、Moissac(モアサック)へ!
トゥールーズから電車で40分ぐらい
日帰りも余裕のよっちゃん

最近はうだるような暑さだったので
今日の霧雨はちょうどよかった

電車のプー族
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車内でお弁当、お茶はもちろんほうじ茶
プー族はフランスでも基本的に和食です
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さてさて
まずは有名なロマネスク建築
サンピエール修道院へ
門の彫刻、女学校の美術史の教科書でみたことある!!
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ここの回廊は世界一美しいと云われているそう
柱頭が全部ちがう模様です
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たとえばこれはジュタイコクチ
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ゲンザイ
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フクイン歯科
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プー子
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修道院を出ると、丘の上にはカルメル修道会の教会
ノラネコも礼拝中(左のほう)
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途中で雨もあがって、とっても気持ちよかった
だって緑が沢山の小道を通ったから
葉っぱや土の香りが清々しくて、
小鳥もとおっても賑やかだった
プー族ラッキー、ラッキーはプー族

丘から街をみおろす
カルメル・プー族の対話
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でも、修道院はそりゃ楽しかったけど
街全体としては、うーん 車が多くて
修道院のまわりだけ栄えてた
でも修道院は本当に、きれいだったのよ

音楽漬けのプー子たち

つれづれなるままにコンサアト
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先週末は、Passe ton Bachだった。
これは、6月の或る土日に
毎時間、街中いたるところで
バッハ関係のコンサアトをしまくるというイベント
基本的に各コンサアトは30分だから、はしごができる。
今年のテーマはバッハとその家族とプー族。
入場は無料か5ユーロ、プー族は顔パス。
プー子も出演打診をうけたけど
回る方に専念したかったので、断った。
お兄ちゃんも、ウィーン少年合唱団の都合があわなかったらしく、断ってた。

土曜日、
まずは大通り沿いのカフェ
満席で入れなかった…
プー族、ガックリ
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次はアセザ美術館の中庭で
ヨハン・クリスティアン・バッハとテレマン
屋外なので気持ちよかった
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日曜は精霊降臨(パンケーキ)の祝日で
サン・セルナン教会のオルガンコンサアト
鐘楼の演奏もあって、得した気分
それにしてもPasse ton Bach,観客は殆ど老人

ところで土曜の19時の回は
お友達のカオリさんがクラヴサンを弾くアンサンブル、
の、はずだった

けど、19時前に着いたら、終ってた
聞いたら、急に18時半始まりになったらしい
コンサアトの前倒しなんて、さすがフランス!
コンサアトは演奏中をのみ聴くものかは
それでもカオリさんはクラヴサンのソロ作品を弾いてくだすった
これはこれはプー族のために、お気遣いかたじけない
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それからそれから、Passe ton Bachじゃないけど
最近は学年末で試験シーズン
それでユウコさんのバイオリンの発表会にいったり
(これはサン・タンヌの教会)
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カオリさんのコンセルバトワール卒業試験にいった。
カオリさんのは、午前はオーギュスタン美術館
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午後はサンセルナン教会
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こんな、古い教会で発表会とか試験とか、いいなあ
プー子が歌うのはミラノスカラ座とかメトロポリタン歌劇場が多いので
素朴な感じがうらやましい

そんなこんなで
プー族はあいかわらず音楽漬けの日々を送っているのです
音楽漬けって、おいしいのかな

こちらは塩漬けと酢漬け
最近お気に入りのサバ寿司です
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2011-06-06

ボク、道を説く

ある日、エセル卿がボクにこう言った。

「プーちゃん、あじさいの花が咲き始めました。
ほら、日本庭園のデシマルタイセン像の横にも。
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あじさいは、色がどんどん移ろいますね、
実に儚げです。
色だけじゃなく、あじさいだけじゃなく、
万物は生まれて消えて、なんと儚いんでしょう
私はなんだか、哀しくなります」


「エセル卿、こんな話がある。
あるときボクは昼寝をして、蝶になる夢をみた。
ひらひら飛んで、とっても気持ちよかった。
ボクはボクであることも忘れて、楽しかった。
目が醒めると、ボクはまだ蝶だった。
つまりね、なんちゃらかんちゃらでね、
道の世界からみれば、夢も現実、現実もまた夢なんだよ。
生まれるのも消えるのも、同じこと
空飛ぶ大鵬からみれば、地上のことはみんな同じなんだ」
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「はあ…」

「もうひとつのみこめていないようだね
じゃあハコヤだったかハコネだったか、そういう山にすむ
四人の神人の話をしてあげよう。
キョユウと、ゲツゲツと、オーケイと、えっと
あれ、えっと
あの、そういうのもね、
道の世界からみれば、みんな同じことなんだよ
だからくよくよ悩むのはよくないんだ」

「さすがプーちゃん!」


(お兄ちゃんがまたチンプンカンプンになってる…)
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