フィンランドで過ごした森のことを書きます。
ボクたちは、ヘルシンキで4泊したあと、森で2泊した。
森は、ヘルシンキから長距離バスで40分ぐらいのところです。
そこに民泊を借りた。民泊というのは、現地の人のお家に泊めてもらうことです。
泊まるところから一番近いスーパーは5キロ先だというので
バスに乗る前に食料を買い込んだ。いざ!
バス停まで、民泊のおばさんが車で迎えにきてくれた。
これが今回泊まったところ。
中はとっても広くて快適だった。
世話をしてくれたおばさんの娘さんの家らしいけど、その娘さんは遠くに暮らしているので、民泊として貸し出しているそうだ。おばさんは200メートルぐらい離れた隣の家に住んでいた。
おばさんが、フィンランドには森がひとつしかない、と教えてくれた。でもそれは、国全体だそうだ。なるほどとても静かで、どこまでも森だった。お隣の家は遠すぎて、見えなかった。
夜、アズマさんが窓を閉めるのを忘れたので、虫がいっぱい家に入ってきた。
アズマさんはドジだなあ。勇敢で頼りになるボクが虫を駆除してあげた。
翌朝、おばさんが手作りのシナモンクッキーを持って会いに来てくれた。
聞いたところによると、この辺り一体は、おばさん家族のもちものらしい。
ちょっとした池があって、小高い丘があって、一周すると1時間ぐらいかかるそうな。
そこで今ブルーベリーが旬だから、とっておいで、とのことだった。
さっそく、森の探検隊を組んだ。
チームリーダーは、ボク。
ブルーベリー発見!
甘酸っぱくて、おいしーい
フィンランドでは、森はみんなのものだと思われているから、私有地であっても、持ち主に迷惑をかけない限りは、誰でも果物やキノコを採ってもいいらしい。洗濯ネットで調べたところによると、川で遊んだり、テントを建てたりしてもいいらしい。
あと、家に鍵もかけないらしい。そういえばヘルシンキでも、扉をバタンと閉めただけだった。外からはドアの取手がなくて、鍵穴に鍵をひっかけて開けるようになっていた。
参考までに、これはアアルトさんちの玄関を外から見たところ。ほら、ドアの取手がないでしょう。
まあ、だから、たしかに家に鍵をかけないけど、誰でも簡単にすぐ入れるってわけじゃない。
とはいえパリの防犯事情なんかと比べると、デイウンの差ですな。
森に話をもどそう。
朝、お家を出たときは薄曇りだったけれど、途中で日が差し始めた。
木漏れ日が森を包んで、ああなんて気持ちがいいんだ...
さあ、おいでー ボクのところへー
小さなーその手を のばしてごらんー
ムーミンの歌が、頭の中をめぐる。
ボクはブルーベリーをたくさん摘んだ。
アズマさんよりもたくさん摘んだ。
そこへ突然、大きな動物の足跡を発見!
クマかな、アズマさんかな...
大型犬かな、大型アズマさんかな...
ボクは、怖くないけど、ちょっと怖かった。
たくさん摘んだブルーベリーは、そのまま食べたり、タルトにして食べたりした。
ブルーベリーは大量に食べるとちょっと酸っぱかったけど、ハチミツをかけたらちょうどよかった。ああ贅沢...
それから人間たちは、夕方にサウナに入っていた。
池のほとりにあるサウナだそうだ。ちなみにおばさんの家族は、3つサウナを持っているらしい。夏のサウナ、冬のサウナ、あともう一つは忘れた...
フィンランドの人は、サウナに入ったり、池で泳いだりを繰り返すんだそうだ。人間たちは素っ裸で池で泳いで、「フィンランド最高!」と叫んでいた。ボクは、いくらフィンランドが好きでも、裸で池で泳ぐ気にはならないな。
人間たちがサウナに入っているあいだ
プー族はラズベリーを摘んで食べていた。
ああ実に、森の滞在は、究極のフィンランド文化体験だった!
ボクたちはすっかりリフレッシュなさった。
あまりに素敵な体験だったので、現実世界に戻ってこれない。
ああボクは、仕事が手につかない。
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