2015-12-22

プー子と、シュツットガルトの奇跡

こんにちは、プー子です。

プー子たちは、日曜から月曜にかけて、シュツットガルトに旅行に行った。

ストラスブールからシュツットガルトまで、車で2時間弱。
乗り合い車で国境を越えたけれど、なんの検閲もなかった。
非常事態宣言はドコニ行っタノダ??





シュツットガルトは
メルセデス・ベンツのお膝元なので
中央駅の一番目立つところに
ベンツマーク。







今回の目的は、観光!
そしてラッキーなことに、旅立つ前日にシュツットガルトバレエのチケットが手に入ったので、日曜日は着いて早々、バレエ鑑賞をした。

ご存知ない方のために説明すると、
シュツットガルトバレエ団は、現代バレエを語る上で、とても重要なバレエ団だ。
ちょっと昔にジョン・クランコという人がここの芸術監督をやっていて、
この人がこのバレエ団を大きく育てた。
そこから巣立っていったのが、今を代表する振り付け家、
ノイマイヤーだったりキリアンだったりフォーサイスだったりするのであーる。
面白いことに、この三人は全然毛色が違うのであああーる。
今でもシュツットガルトには、ジョン・クランコバレエ学校が健在。

プー子たちがシュツットガルトにいく12月20日は、
『眠れる森の美女』が上演されていた。
「眠り」は、三大バレエの中でも特に好きな演目なので、
シュツットガルトに行く予定を立てているときから、
見たいなあと思っていたけど、チケットは即完売状態だった。
ところがどっこい、旅の前日に、残りが出たのだ!

しかも、プー子のとったマチネは、
主役がアリシア・アマトリアンとフリーデマン・フォーゲルで、
カラボスがジェイソン・レイリーということで、プー子の見たところ、
かなり力の入ったキャストなんじゃないかと思う。
特にフリーデマン・フォーゲルは、かっこよくて、有名です。
もちろん上手いのだけども、かっこよくて、カッコ良いのです。
ちょっと調べたら、サイトまであって、きゃーゲイノウジンみたーい。
http://friedemannvogel.com/gallery/


そういうわけで、プー子は、
シュツットガルトバレエ団の本拠地シュツットガルト州立劇場で
「眠れる森の美女」を見たのであーる。



プー子はこの作品は何回も見て、音楽も全部覚えてるので、
やっぱりそこまで身に染み込んだ作品を
生オーケストラで、生舞台で見るのは、もう、とっても感動的だった。
序曲から鼻息が荒くなった。


シュツットガルトでは、
プティパ版をもとにしたマリシア・ハイデ版で上演されている。

ハイデ版の特徴的なのは、魔女カラボスを男性が演じるところだ。
今回はジェイソン・レイリーがカラボス役だった。
衣装も、黒くて長〜いマントに、黒い長髪をたらしていて
すごくインパクトがあった。
この人はちょっと細身なので、中性的な感じを出すのにぴったり。
ちょっと、ミッツ・マングローブの見た目に、
ジル・ロマンみたいな細くてしなやかな体を足した感じ。
それが舞台を所狭しと、飛びまくる回りまくる踊りまくる。
ものすごく邪悪だけど、きれいで、人間的なところもあって、憎めないカラボス。
間違いなく、作品全体を通して、主役よりも誰よりもカラボスが目立っていたと思う。

おかげで、リラの精があんまりぱっとしなかった。
プリンシパルダンサーのミリアム・サイモンが演じていて、
結構オーラもあるリラの精だったんだけど、
演出的に、最初からカラボスが一人勝ちしていて、かわいそうだった。
おまけにプロローグのところで、
「オーロラ姫は死にません、眠るだけです」というマイムがあるはずなのに
どうもこのハイデ版ではこのマイムが省略されているようで
またもやリラの精、見せ場カット。

オーロラ姫のアリシア・アマトリアンは、
ポワントの音が全然しなくて、それが
生まれたての赤ん坊みたいな柔らかい純粋無垢な感じを醸し出していた。
オーロラ姫というのは、ちょっとパッパラパーな役どころなので、
何も知らない感じが、とてもうまく合っていたと思う。

フリーデマン・フォーゲルに関しては、
もう、何もかもがプー子の好みで、リアル王子様だった!!!
振り向くときに揺れる髪の毛さえ、計算されているかのように、かっこいい〜















ただ、頂けなかったのは、三幕の大道具と衣装のチグハグ感だ。
それまではわりと小綺麗な感じだったのに、
三幕は枯れかかったバラに覆われた宮殿に、赤絨毯とろうそくなので、
まるでアダムスファミリーの家。
そこにドギツイ色の衣装の人たちがどんどんやってくるので、
オーロラ姫とデジレ王子は、ゲテモノにかこまれて結婚式を挙げたみたいだった。
実際のところ、この結婚式に呼ばれるゲストは、猫とか狼とか小人とかなので
確実にゲテモノなのだけども…  パリオペラ座の「眠り」三幕は
ロココ風宮殿のセットに、控えめな色合いの衣装が続くので、
ゲテモノをゲテモノと見せない、そういうところが上品だと思う。
ちょっと残念だったー。

それでも全体的にはとっても満足。
幕間もプー子は、ドイツ語をいっぱい話した。
それからなんと、2幕と3幕のあいだに、リラの精とカラボスのサイン会があった!
2幕の終わりといえば、ちょうどデジレ王子がオーロラ姫を見つけるところ。
ハイデ版では、そこでリラの精vsカラボスの戦闘が起こるので、
まさについさっきまで舞台上で戦っていた二人が
サイン会をしたのであーる。



プー子も、プログラムにサインをしてもらった。
ジェイソン・レイリーに、「あなたのカラボスが好きです」ってドイツ語で言おうと思ったんだけど、どういっていいかわからないし、ジェイソンはカナダ出身なので、結局、英語で言った。
ミッツマングローブが満面の笑みで、Thank you very muchと言ってくれた。


シュツットガルトのクリスマスマーケットのこととか、書きたかったけど
バレエのことでいっぱいになったので、また次回!




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