プー子ちゃんからシュツットガルト旅行のことを
ブログに書けと言われたので、書きます。
この旅行は、安心と満足のプー子旅行エージェンシーによって
万事滞りなく、細心の注意を払って、万障お繰り合わせの上、遂行されました。
そもそもシュツットガルト行きは、
シュツットガルトのクリスマスマーケットと
ストラスブールのクリスマスマーケットを比較しようというのが、目的でした。
というのも、シュツットガルトのクリスマスマーケットはヨーロッパ1と呼ばれ、
ストラスブールのクリスマスマーケットもまたヨーロッパ1と呼ばれているので、
K式論理学によると(P式論理学でも)、どっちかが嘘をついていることになる。
どっちが本当のヨーロッパ1なのかを、見極めようと思ったのです。
結果からいうと、ボクは、
シュツットガルトのクリスマスマーケットのほうが、えらいとお思いになった。
シュツットガルトのほうが、出店の種類が豊富だ。
子供用の観覧車があったり、ミニ電車があったりした。
それにシュツットガルトでは、
毎年小屋の屋根の上の飾りのコンクールをしているらしくて、
小屋が、どれも同じじゃなくて、凝っている。
この屋根の飾りは、
動いていた。
ボクは、阪急百貨店の
ガスパールとガスパールを思い出した。
巨大な風車が、小屋の屋根のうえに
立って、ぐるぐる回っていた。
だけどボクは曹洞宗の僧侶なので、
本当をいうと、どっちが一番でも、どうでもいい。
フランスと違うなあと思ったことを書く。
シュツットガルトでは、
クリスマスの飾りとか植木鉢が歩道に置かれていた。誰でも盗れるところに置いてあるのに、誰も盗らないので、ボクはびっくりした。
フランスだったら、一日でも置いていたら、盗られてしまうだろう。
それから小さい子供が、大人の付き添いなしで、登下校していた。
これもフランスでは考えられない。安全じゃないからだ。
なんだかドイツは日本みたいだ。
ちょっと嫌だったのは、トイレがどこも有料だったこと。
ショッピングセンターでも、どこでもかしこでも、
トイレは50セントだった。
それからクレジットカードも、フランスの方が進んでいるらしい。
シュツットガルトでは、飲食店でもクレジットカードを受け付けてくれなかった。
なにより、たばこの自販機があった。
これはフランスではとっくに禁止されている。
日本では、どうだっけ。
ボクたちは、ちょっと文化的な香りを漂わせようとして
シュツットガルトで、ヘーゲルハウスに行った。
ヘーベルハウスじゃないよ。
ヘーゲルさんの生まれた家だそうだ。
へーベルハウス、外見。
ヘーゲルさんとボク。
肖像画とかを見ていると、
ヘーゲルさんは、
目のぎょろっとした人だったんだな。
それからシラーさんちにも行った。
シラーさんの生まれた家は、シュツットガルトから電車で30分ぐらい。
マールバッハという小さな村にあった。
シラーさんとボク。
こんにちは、シラーさん。
ボクは22世紀の大文豪、プーです。
シラーさんちで、シラーさんの本を読むボク。
ふむふむ。
この本によると、昔、シラーさんにナイフで切りかかった男がいたらしい。
だけど男は犯行をなかなか認めようとしなかった。
それで、検察官が言った。
「しらを切っても無駄だぞ!」
…ところが容疑者も、書記官も、この警察官のダジャレに無反応。
シラーっとしていました、とさ。ククククク
ああ、なかなか面白い本だった。
マールバッハは、
木組みの家がたくさんあった。
いかにもドイツだ。
他にも、電車から
市民農園やソーラーパネルが見えて
いかにもドイツだと思った。
マールバッハからの帰り、
有名なバロック宮殿、ルートヴィヒスブルク宮殿に寄ったけど、閉まっていた。ちぇ。
そうそう、
ルートヴィヒスブルクからの帰り道で、なかなかスリリングなことがあった。
ここからシュツットガルト中央駅までの電車は1時間に4本。
ボクたちは、時間に余裕をもって、駅に到着、
駅で切符を買おうとした。
ところがどっこい、ひとつめの券売機のタッチパネルが壊れていた。
仕方がないので、となりの券売機に並びなおしたけれども、
その券売機はカードを入れるところもお札を入れるところも壊れていた。
仕方がないので、さらに遠い券売機に並び直したけれども、
その券売機も壊れていた。
そうこうしているうちに、電車の時間が迫ってきた。
ボクたちは、窓口は見つからないし、
他の券売機に並び直しても、買えるかどうかわからないので、
イチカバチカで、切符を買わずに電車に飛び乗った。
ドイツでは、フランスと同じように、改札はない。
切符を自分で刻印して、電車に乗る。
たまにコントロールがまわってくるので、そのときに刻印ずみの切符を見せればOK.
この日はもう何回か電車に乗っていたけど、
一度もコントロールを見かけなかった。
ルートヴィヒスブルクからシュツットガルト中央駅まで、5駅ほど。
そのあいだ、もしコントロールを見かけたら、
こちらから事情を話して切符代を払えばいい、と思っていた。
ボクたちが悪いんじゃあなくて、券売機が悪いのだ。
シュツットガルト駅まであと2駅、1駅…
なんだ、結局コントロールは来ないじゃないか。
「次はシュツットガルト中央駅です」とアナウンスが流れたので、
ボクたちは、開くドアの方へ移動した。
と、そのとき、ボクは、名札をつけたおじさんが通るのを見た。
コントロールみたいな服装だ。
おじさんは、ボクたちの10メートル先ぐらいで立ち止まったあと、しばらく何もしない。
電車は、駅に近づくにつれ、速度を落としていった。
すると、例のおじさんが、近くの乗客に、切符を見せてくださいと言い出した!
やっぱりあの人はコントロールだったのだ!
切符の検査をしながら、だんだんボクたちの方に近づいてくる!
ところが電車は速度を落としてしまって、まだホームに入っていないのに
ほとんど止まってしまうかに思われた。
コントロール氏が、どんどん近づいてくる!ひゃー
というところで、電車は再び動き出し、ボクたちは間一髪でコントロールを逃れた。
ああ怖かった。
…券売機が悪いんだもん。
シュツットガルトは本当に、楽しかった。
いろんな発見があった。
心残りは山ほどある。たとえば、あんまりおいしいご飯を食べられなかったこととか、あんまりお菓子を食べられなかったことだ。また行きたいなあ。
今度は、周辺の南ドイツの街をぐるっと回りたいと思ふ。
りんごのタルトを食べるプー子ちゃん
今日が冬至なので、今日を境にインからヨーになっていくんだそうです。
ボクは、パジャマのシャツは、ズボンにインする派です。