2014-11-30

ボク、ブロカントへ行く

こんばんは、ボクです。

最近のボルドーは暖かい。
先週末なんて、最高気温が20度あった。
だけど明日から急に寒くなって、最高気温は8度だそうだ。
12月だからな。



サンタンドレのタワーが見える













ボクは今日、大きなブロカントにいった。
ブロカントというのは蚤の市のことで、
いま、ボルドーには年に2回の巨大蚤の市がやってきている。
ボクは、明日から寒くなるのに備えて、
今日はまだ暖かいけれど、帽子とマフラーを巻いていった。
なにごとも、早め早めが肝心だ。



カンコンス広場という
ヨオロッパで一番大きい広場の
そのほぼすべてが
蚤の市!
全部見て回るだけでも大変だ

家具、食器、服、絵、本…




なんと車まで!
こちらは1951年のキャデラック
37000ユーロだそうです

どなたか如何。







この自転車も
売り物なんだろうか…











こちらはアンティークの
ウェディングドレスだ。

ミカちゃんが買おうかと
本気で悩んでいたようなので
ボクは、この細い袖に
ミカちゃんの太い腕は入らないと言ってやった。







それから、
これは豚焼き機械。

電動で、手前の歯車が
ゆっくり動く仕組みだ。

焼かれているのは
黒豚なんだそうだ。
こうやってじっくり時間をかけて
焼くことで、あぶらが落ちて
旨味が出る。

ボクは、はっきりいって
今日一番驚いた。




ブロカントをうろうろしていたら、だんだんお手洗いに行きたくなってきた。



かえりみち。
もう、マルシェ・ドゥ・ノエルが始まっていた。クリスマス市といえば聞こえはいいけど売っているものは、全然クリスマスと関係ないものが多い。


ブロカントやクリスマスマーケットのせいか、
日曜日だけども人が多かった。


サンタンドレ大聖堂の正面には
巨大なクリスマスツリーが出ていた。



あしたから12月だなあ



きょう、ブロカントで買ったもの。手紙を整理する木の容れ物だ。1ユーロだった。

2014-11-24

ボク、りんごのお菓子が食べたい

こんばんは、ボクです。





最近、
樹々の葉っぱが少しずつ減ってきて、
風が吹くたびに、
きらきら陽光を受けて光る。
とても美しい季節です。






だけど今年はボルドーもトゥールーズも暖かい日が続いていて、
ぜんぜん11月の気分じゃない。
暖かいせいか、鳥もぜんぜんやって来ない。


『暮しの手帖』に、鳥を呼ぶためには、
餌台と水場と巣箱の3つが必要だと書いてあった。
逆に言うと、その3つさえ揃えば、必ず野鳥をよびこめるらしい。
本当かなあ

去年の家では、餌台だけでも十分鳥が来ていたけれど、
今年は樹のあまりない地区に引っ越したので、
餌台のほかに水場も作ることにした。
巣箱はまだ置いていない。
三つすべて揃えて置いて、それでも来なかったら、ショックが大きいからだ。

プラスチックの、
小さいボウルを鳥用にした。

他のボウルと間違えないように
ミカちゃんが「鳥」と書いてくれたけど
水性インキだったので、
翌日に雨が降って、消えていた。





ボルドーの街もトゥールーズの街も、
ライトアップの準備が着々と整っている。
クリスマスのマルシェも準備万端だ。


ボルドーのライトアップ準備

12月になって待降節が始まると、
ライトアップされる。

ぐるぐる輪っかが
光るようになる。

だけど最近は暖かいから
ちょっとおかしな気分だ。


今はりんごの季節なので、ボクは寝ても覚めてもりんごのお菓子が食べたい。
もうすでに、りんごのクランブルと、タルトタタンとりんごのパイを食べた。
でもまだ食べたい。
りんごを食べて、リンゴ・スターになりたい。

フランスはりんごの種類が豊富だ。
日本よりちょっと小ぶりのリンゴを丸かじりする。
ボクたちは、相変わらずシャントクレールという古い種類が好きだ。
リンゴは、食感・酸味・甘味・香りなど、奥が深い食べものなのです。


まだ上げ初めし前髪の 
りんごのもとに見えしとき
横に置きたるアイスクリイムの 
花あるきみと思ひけり
やさしく白く溶けはじめ
りんごをわれに与えしは
うす紅の秋の実に
お菓子こい初めしはじめなり


ああ ボクは もうリンゴのお菓子のことばかり考えてしまう
ボクは、もうライトアップはどうでもいいので、
リンゴのお菓子が食べたい。



2014-11-16

プー子、6歳になる



こんばんは、プー子です。

12日はプー子の お誕生日だった。
プー子は6歳になった。

プー族は伝統的に「不登校」なので、プー子は学校に行かない。
お兄ちゃんなんて、不登校を貫き通して
もう大学を出る歳も越えてしまった。
プー子は、もうひらがなもカタカナも書けるし、
漢字だって書ける天才児だから、学校に行かない。








プー子は、お兄ちゃんがいてよかったと思う。
お兄ちゃんは ときどき
プー子のことを心配するふりをして
自分のことを考えているので、
プー子はいい社会勉強になる。
それにお兄ちゃんはちょっと色々おかしいから、
プー子はしっかりしなくちゃと思う。






いったいぜんたい、プー子は妹という立ち位置が好きだ。
浅田姉妹でいえば真央ちゃん
村主姉妹でいえば千香ちゃん
フランソワーズ・ドルレアックの妹はカトリーヌ・ドヌーブ
リア王の末娘は、コーディーリア
海原千里万里でいえば、海原万里
いとしこいしでいえば、喜味こいし
細雪なら蒔岡妙子
そう、プー子はこいさん!









(バカンス中、
メリーゴーラウンドに乗ったお兄ちゃん)







ところがところが
誕生日のケーキを楽しみにしていたのに
前日の火曜日からミカちゃんが風邪をひいて寝込んでしまった。
熱が出てうなされていたので、
プー子は誕生日のケーキを一日待ってあげてもいいと言った。
スーパーナースプー子は、熱が続くようなら大胆な瀉血をも辞さないつもりだった。

水曜日、誕生日の日、ミカちゃんの熱は下がり始めたけど
咳がひどかった。プー子は看病して待った。
週末はパリに行く予定だったので、
なんならパリのおいしいケーキでも構わなかった。
とくにモンブラン発祥のアンジェリナだったかというカフェのモンブランでもよかった。

その翌日、木曜日。
そろそろ週末のパリ行きが気になったらしく、
ミカちゃんはお医者さんの診察を受けた。ら、
気管支炎でドクターストップが出たらしく
土曜日まで外出禁止になった。
ガビーン
パリには、金曜に出かけるはずだったのに!

フランスではドクターストップが出ると、そのぶんのお給料も保険から出るらしい。
だけどそのかわり、ドクターストップの期間中は
9時から11時までと、14時から16時まで外出できない。
抜き打ちで調べに来ることもあるらしい。
そういうわけで、パリ行きは泣く泣くキャンセル…

プー子は、お兄ちゃんと「君の名は」ごっこをして遊んだ。
「君の名は」に飽きたら、「めぞん一刻」ごっこをした。
それも飽きたら、電話の呼び出し音を変えてみるという、
じっみーな遊びをした。たまに看病もした。
病人も外出禁止に飽きているらしく、本を読んだり寝たりダラダラしていた。
外出禁止にするほどだったのかなあ

そうしてようやく土曜日、だいぶ症状の治まったミカちゃんが
外出禁止時間帯のあと、近所のケーキ屋に行った!!!


ずっと気になっていた
噂のお店。
これはブッセみたいなお菓子だった
最近トゥール―ズで買った
アンティークのお皿と一緒に。

いつもプー子は誕生日になると
バニラ味が食べたくなる。
ブッセがバニラ味だったので
もうひとつはフルーツ。
シンプルに、木苺のタルト。

どちらも素朴でおいしかった。
全然気取っていなくて、丁寧に仕事がしてあって、なんだか好感がもてるお菓子だった。


プー子の6際は、忍耐と共に幕開けだ。
気にしなーい、気にしなーい
お菓子が食べられたので、プー子はハッピー!



…と思ったら、今日きゅうにアパートの天井から水漏れがあった。
フランスの古いアパートめ!

2014-11-09

ボク、ワインのシャトーを見学する

こんにちは、ボクです。

昨日、ボクは、ワインのシャトー見学に行った

ボルドーに着いて早1年と35ヶ月、ワインの有名なこの街で、
よく考えたらボクたちは、まだシャトー見学をしていなかった。
シャトーというのは城という意味だけど、
とくにワイン畑を有していて、ワイン作りをしているところという意味もある。
ボルドー近郊には、大小多くのワインシャトーがある。
ボクたちは、行きやすいシャトーを選んで、見学ツアーに申し込んだ。

今回ボクたちが行ったシャトーは、ボルドーの隣の隣の街、ペサックにある。
パップ・クレマンという。



トラムとバスで行きました。


ペサックの街にはいると、バスから、たくさんのシャトーが見えた。
普通のお家よりちょっとおおきいシャトーもたくさんあった。
こういうのはみんな、小さいワイン製造家たちなのかもしれない。


そして遠目に見える、
パップ・クレマン城。

このあたりで一番大きかった。






見学ツアーの待ち合わせは、お城付きのワインブティックで。

ワインブティックには、
落書きだらけの樽があった。

おっと、どこかのだれかが、
「プー」と書いたらしい。

ボクは、有名だからなあ。
「プー」の隣で、記念撮影。




ツアーは、このお城の歴史の説明から始まった。
このお城は、1200年代から続くお城だそうで、
フランス革命の翌日に植えられた大きなスギの樹がお庭にあった。
一時は、お城の持ち主が教皇(パップ)にまでなったそうで、
お城の名前はそこからきたらしい。

現在の持ち主は、ナンタラカンタラ氏といって、
世界中に20ほどのワインシャトーを持っている人らしい。
ボルドー付近に3つ、他にカリフォルニア、チリ、日本にも持っているそうだ。
大金持ちだ。ボクは、ワインの話よりも
このナンタラ氏がどういう生活を送っているのかが気になった。
超有名なスポーツ選手より、映画監督より、
もっと贅沢な生活を送っているにちがいない。
ワインはビッグビジネスだ。



お庭にあった、
樹齢1800年のオリーブ の樹。
ここに植え替えられたのは2年前のこと。


「プーちゃん、どうしてこんな古い樹が
ここに植え替えられたんでしょうか」

「お金に物を言わせたにきまっているさ」
 ぶどうばたけ。このお城では
赤ワインも白ワインも作っているらしい
何種類ものぶどうの木がある。
つい最近、9月半ばに
すべての収穫が終わったそうだ。
当たり前だけど、収穫はすべて
手でおこなわれる。
ここのぶどう の木の寿命は
平均60年だそうだ。

それから、醸造場。

ここで、
ワインの作り方を教えてもらった。
いろいろ言っていたけど、
要は、ぶどうを中に詰めて、
温度をあげたりさげたりすればいいらしい。
 これは、いろいろな
ワインの瓶の大きさ。

一番奥にボクがいます。
ボクの隣の瓶が、ふつうのワイン瓶。
右の一番大きいのは、
18リットル入りです。
瓶の大きい方が
ワインの味はいいらしい。
つまり、ワインの味がいいほうが
瓶は大きくなるということだ。




樽の上にものぼった。

細かい作り方は、
お城によって違うらしい。

ひとつの樽に、一種類のぶどうの木。

この段階で、液体のほかに、
凝縮液もつくるらしい。







それから樽詰め。
温度が厳しく管理されている。

樽の作り手によっても
微妙に味が変わるらしい。

つまり、同じぶどうから作っても、
詰める樽メーカーによって、味が変わる。
ずいぶん繊細なんだなあ。
本当かなあ。


最後に、いろんな種類のぶどうの木、いろいろな樽、凝縮液を足して、
その年のワインを作る。こういうやり方はここ10年ぐらいで確立されたそうで、
だからここ最近は、つねにそれなりに美味しいワインができるようになったらしい。


それからボクたちは、シャトーのバーに移動して、
3種類のワインのテイスティングをした。

けれどもボクは、お酒がのめない。

ソムリエが、ワインの色の見方を教えてくれた。
紫とルビーとオレンジ色があると言っていたけど、
ボクには全部紫色に見えた。

ワインの涙の見方も教えてくれた。
ボクはべつにワインをいじめて泣かせたわけではない。

それからワインの匂いの違いも教えてくれた。
樽の匂いとか、なんだか言っていた。
レッドベリー系の匂いで、これは木苺の匂いとか、
カシスの匂いとか、ブラックベリーの匂いとか言っていた。
ボクは一生懸命に嗅ごうとして、ちょっと過呼吸気味になった。

なんだいなんだい!
ボクはフルーツの匂いを知ってるぞ!
木苺はこんな匂いじゃないやい!

紫のことをルビーとかオレンジとか言ったり
バカにしてらい!


人間たちは面白い面白いと言っていたけど、
ボクは、シャトーを見て回るのは楽しかったけれど
テイスティングは苦手だ。

2014-11-02

プー子とデモ隊

みなさん、こんばんは、プー子です。

今日は、バカンス最終日。
トゥールーズ最後の夜です。


バカンスのあいだ、
プー子はクリオロのあたらしい
チョコカフェにいった。

クリオロは、
トゥールーズの有名なチョコ屋さん。



ホットチョコレートがおいしかった。
プー子は、ライムの味の
チョコを飲んだ。
香りが絶妙だった。






10月31日はハロウィンで、仮装した若い人たちが街に溢れていた。
翌日11月1日は、万聖節の祝日にもかかわらず、ちょっと大変だった。

実は最近トゥールーズの近くの村で、
ダム建設に反対するデモに加わっていた若い男の人が、
警察官の投げた手榴弾によって死亡するという事故があった。
警察のほうに殺すつもりはなく、男の人は運悪く亡くなった、ということらしいけど、
それにしても手榴弾を投げるなんて、だいぶん穏やかじゃない。

それで、その亡くなった男の人に捧げるデモが、11月1日にあった。
デモ隊と、それを迎え撃つ警察隊のあいだで、ことはだんだん過激になってきた。
15時にデモが始まったのだけど、20時ぐらいにメトロは完全封鎖、
街中のガラスは破壊され、道には催涙ガスがまかれた。
プー子たちは、お友達とバーにいて、そのバーのテレビで知った。
テレビには、よくよく知っているトゥールーズの道で、
警察が暴力を振るったり、暴漢が車を燃やしたり、
もくもくと煙が上がるなか、ターミネーターみたいな格好をした警察官が
ノシノシ歩いているのが映っていた。
今回のデモは、トゥールーズとナントで起こったそうで、
全国ネットでテレビ中継されていた。

市民と警察というのは、フランスでは仲が良くないらしい。
なんでも、アメリカの警察はもともとが保安官だから、
アメリカ市民には好かれているんだそうだ。
けれどもフランスの警察は、もともと近衛隊なんだそうで、
フランス市民はあまりよく思っていないんだそうだ(いつの話だ)。

それにしても、今回の事件にしたって警察のほうで、
誠に遺憾ですというコメントを出すのでは
収まらないのだから、プー子は不思議だ。

テレビでは、トゥールーズ市長やナント市長が
街を破壊したのはデモ隊でも警察官でもなくて、
どこからかやってきた人たちだと言っていた。
内務大臣も、善良なフランス人を脅かす小グループが
どこからかやってきて、街を破壊したのだと言っていた。
これは明らかに政治トリックだ。
架空の犯人グループを挙げることで、テロとかなんとか言って
相手の要求に応えず武力制圧する言い訳を探しているのだ。

けれども、デモ隊のほうでも、警察を許すなんていう選択肢は最初からないのだろう。
たぶん積もり積もったいろいろがあって、今に至っているのだ。
一触即発のところに、今回の殺人事件が起こって、
これを機に警察への鬱憤を晴らしたい人たちと
武力で黙らせたい警察が衝突したのにちがいない。
たぶん最初の殺人事件も、そういう抗争の中で起こったんじゃないだろうか。

こういうことはフランスではたまにあることらしいけども、
やっぱり警察が市民にむかって催涙ガスをまくとか、
市民が走って逃げるとか、そういうことは、プー子は見慣れないからドキドキした。


ところで、昨日の夜は市の中心部が閉鎖されていて、
プー子たちはテレビで見ていただけだったので
今朝になってどのぐらい破壊されていたのか(お兄ちゃんが)見に行った。


「はい、こちら
社会部のプーです。
ボクはいま、トゥールーズの
目抜通り、アルザスロレーヌ通りに
来ています。ご覧のように
銀行の窓ガラスが割られています」

「この銀行のガラスが割られています。

他のお店は無傷で、
他の銀行もほとんど無傷です。

実は、そんなに破壊されていなくて、
破壊されているところを
見つけるほうが大変です。」




「ちょっと疲れましたから、
ボクもクリオロのカフェに行きます。
一休みします」

「新しいクリオロのカフェは
サンテティエンヌ聖堂のすぐ近くです。
ホットチョコレートは二種類です。
どの飲み物を頼んでも、もれなく
好きなチョコレート一粒が付いてくるので、
ホットチョコとチョコを食べるのが苦手な人は、
コーヒーを頼んで、一緒にチョコを食べるのも
悪くありませんね。」

「昨日のテレビでは
エスキロールが戦場と化していたように
見えましたが、エスキロールも
一部分だけが破壊されていました。

ご覧のように
無傷のATMが目立ちます」


「こちらも、
なんら問題ありません」

「アルザスロレーヌの
破壊されたATMです。
破壊されていたのは、
ここぐらいでした。」








テレビや新聞は、一部分だけ流すから、びっくりするのかなあ。