プー子は、ちょっと前に、『ジョゼと虎と魚たち』という日本の映画を見た。
このお話はもともと田辺聖子の原作です。
プー子は田辺聖子が好きだから、この夏、『ジョゼ〜』を日本で読んだ。
『ジョゼ〜』自体は短編だけど、収録されている短編集のタイトルにもなっている。
プー子は、短編のジョゼは不思議なお話だと思った。
足に障害を持った女の人と、男の人の、恋愛のお話。
タイトルのジョゼは、女の人の名前からきている。
ジョゼは高飛車で、自分のことを綺麗だと思っていて、
男の人のほうは、そういうジョゼに足蹴にされて、こき使われながら
でもそれが嬉しそうで、そういうあたりがちょっと『春琴抄』みたいだった。
大阪市福島区
オセイさんの写真館があったところらへん。
そういうわけで、原作を読んで、不思議な気持ちになったので
これは映画ではどう描かれておるんじゃろうと思って、
フランスに帰ってきてから映画を見たのです。
映画のジョゼは、池脇千鶴が演じていて、男の人は、妻夫木聡だった。
映画では、男の人のことがたくさん描かれていて
結末もだいぶ違っていた。
だけど、なんとなく頷ける結末で
たぶんオセイさんもすんなりオッケーを出したんだろうなと思った。
池脇千鶴がとてもいい女優だということを、プー子はこの映画で知った。
で!
オセイさんの作品には、だいたい、美味しいご飯が出てくる。
本当に美味しそうな、読んでいてよだれがたれそうなご飯が出てくる。
そしてみんな、これまた美味しそうに食べる。
今回は、映画の、ジョゼの調理シーンにそれが現れていた。
映画のなかで、ジョゼは焼き魚を焼く。
網の上で、丁寧に魚をひっくりかえして、それはそれは美味しそうな焼き魚だった。
プー子は、映画を見て、いろいろ思ったけど
結局、焼き魚が食べたいという結論に達した。
塩鮭の焼いたのが食べたいと思った。
ところがフランスには魚焼きグリルがない。
塩鮭も売っていない。
しかしこんなことで負けるプー子ではない!
インターネットによると、魚焼きグリルはフライパンで代行できるらしい!
塩鮭だって、自分で生鮭を塩漬けにすればいいらしい!
そういうわけで、ミカちゃんにチャレンジしてもらった。
鮭を前日から塩漬けにしてもらって、
フライパンにアルミホイルを敷いて、その上で焼いてもらった。
皮の方を長め、ひっくり返して身の方は短めに。
その結果...
うーむ
美味しかったけれども、やっぱり
焼き鮭特有の、あのパリッとした感じがない...
やっぱり塩ジャケの醍醐味は、これ水分あるんかいなというような先の細まった部分を噛んで、中からジュワッと汁が出てくるようなところにあるのだ。あるいは、肉厚のところでも硬くって、お箸で結構しっかりほぐさないといけないのがいいのだ。
フライパンで焼いたんじゃ、水分が全然飛ばせていない。
もしかしたら鮭に脂身が多かったのかもしれない。
ヨーロッパの鮭は、結構脂がギトギトなのだ。
それから鮭の切り方も、そもそも違ったのかもしれない。
フランスでは、日本の鮭2切れで1切れ分って感じ。
もうフランスサイズでは、嫌という程鮭を食べていますという感じがして
腹八分なんてもんじゃない。
お弁当の白眉・シャケ弁カットからは程遠い...
うーむ
いやいや、研究に研究を重ねて(ミカちゃんが)
プー子は、フランスでも焼き魚が食べられるようになりたいのだ!
今日は、焼き魚記念日。これからどんどん焼き魚を食べるぞー
写真は、この夏のピレネー