2015-09-28

プー子、ドイツ語を習い始める。

みなさん、Guten Abend! プー子です。

最近はすっかり秋めいてきて、カボチャや蕪がおいしくなりました。
プー子は、蕪が大好き。
根っこは甘くておいしいし、葉っぱもシャキシャキしておいしい。
なんでも蕪は、根っこより葉っぱのほうが栄養価が高いらしい。




お兄ちゃんは、
お腹を冷やしてはいけないということで、樽みたいな腹巻をし始めました。








そんな秋の日、プー子は、ドイツ語を習い始めた。
ストラスブールには、市民大学というのがあって、そこでは誰でも登録料さえ払えばいろんな授業が受けられる。巨大なカルチャーセンターのようなものです。
プー子は、そこの、ドイツ語講座に申し込んだ。
今日がその初日。

プー子は、教室の最前列のど真ん中に座って、たくさんドイツ語を喋った。
喋って、喋って、喋りまくった。質問にたくさん答えた。たまにはノートも取った。
Ich komme aus Japan!

ヤーパンというとき、ジャパンのおっさんの顔を思い出した。

クラスは満員で、20人ぐらい居たと思う。
国際色豊かなメンバーで、ベネズエラとかルアンダとかカナダから来ている人もいた。
みなさんどうしてストラスブールに住んでいらっしゃーるのかしらと思った。
一年通して授業を受けていくうちに、この人たちと
ドイツ語で話せるようになるんじゃろうか…
今からワクワクドキドキの一年生、プー子。
いつかドイツ語ペラペラになって、ドイツまでお菓子を食べに行くのだ!



授業のあとは、疲れたので、買っておいたエクレアを食べた。
おいしかった。
ストラスブールは、とってもお菓子偏差値が高いと思う。



最近食べたお菓子たち。


甘いだけじゃなくて、
全体の調和がよく計算されているお菓子が多い。一言で言うと、洗練されているということです。




市民大学の帰りに
サンポール教会の前を通った。

ストラスブールの大聖堂は圧巻だけども、
サンポール教会も、川と川に挟まれた三角州にあって、凛とした佇まいです。
この教会は、ちょっとした貴婦人を思わせる。


プー子の、お気に入り三角州第5位です。






それではみなさん、Gute Nacht!

2015-09-12

プー子、ドイっチュラントへ行く。

こんばんは、プー子です。

プー子たちは、2009年にフランスに来たときから
ずーっとドイツに行きたいと思っていた。
プー子たちは、どちらかというと音楽も食べ物も、フランスよりドイツのものが好き。
ラテン気質ののんびりよりも、ゲルマン気質のキビキビが好き。
一番好きなピアニストは、ケンプ先生。


だけども今まで南フランスに住んでいたこともあって
なかなかその思いは現実にならなかった。
2009年から今までに行った国は、スペイン、イタリア、モロッコ、アンドラ…

けれども今日ついに、ドイツ行きの夢がかなった!
プー子たちは、今日、ドイっチュラントの空気を吸ったのであーる。
以下レビュー。

実を言えば、ストラスブールの街はフランスとドイツの国境ギリギリにあるので
ストラスブールの東を流れるライン川を渡れば、そこはドイツの街、ケールなのだ。
ドイツは、自転車で、うちからほんの15分ほどの距離だった。


国境沿いには
ヨーロッパ橋Pont de l'Europeという
橋があって
これがライン川にかかっている。


この看板は、ここから先は
ストラスブールじゃないですよ、
という意味。
つまり対岸に見えているものは
すべてドイっチュラント!





ライン川は国境を決める川なので大きいかと思いきや
淀川大橋の三分の一ぐらいだった。

スイスイスーダララッタ スラスラスイスイスイ〜 と自転車で渡って
ドイツ入国!

もちろんフランスとドイツはシェンゲン条約によって何たらかんたらなので
検閲も何もなく、普通に橋を渡って、誰にも何も言わず、ドイツに入りました。





入ってすぐ、こういう看板を見つけた。
たぶんドイツの地方の看板。
ケールは、このバーデンなんとか地方に
属しているんだと思う。










ドイツに着いて
初めて見た建物。

なんというか、
うーん、
フランスと違いますねえ

と言いたかったけど、
そんなに違いがわからなかった。







実際のところ、ストラスブールにいたってドイツ語は聞こえてくるし
今やドイツもフランスもEUなんだから、
たった1キロ離れた街同士では何も大して変わらないんじゃないの〜
というのが、プー子の本音だった。



ところがどっこい。


ケールの街を散策していると、やっぱりフランスと違う!



街のショッピングセンターに
大きく張り出された張り紙。
タバコの宣伝であーる。
フランスでは、タバコをこういうふうに宣伝するのは禁止されている。

さらに面白いのは、この宣伝がフランス語で書かれていることであーる。フランスで買うよりタバコが安いんだそうだ。これはフランスとドイツのタバコ税の違いのせいだ。国境沿いの街だから、タバコを目当てに買いに来るフランス人を狙っている宣伝なーのであーる。




ショッピングセンターに入ってみると、
タバコ屋がショッピングセンター内にあった。
これもフランスでは禁止。

スーパーに入ってみると、そこにもタバコ売り場!
当然これも、フランスでは禁止。

ドイツ人はタバコに対して寛容なのか、
それともフランス人ほど規制をしなくても
自分で吸う量をわきまえることができるのか…

スーパーで売っているものにも、いろいろ違いがあった。
プー子が気づいた限りで、挙げてみる。
まず、ビオの食品がたくさんあった。
コーンフレイクみたいなシリアル食材が、たくさんあった。
コーヒーにいれる用のミルクが売ってあった。
ビオ食品のブランドが、フランスとは全然違っていた。
ビールがリュックサックに入って売っていた(!)
などなど

やっぱり違うもんであーる。


街の広場では
アマチュアのコンサートをやっていた。
その前には大量のテーブルが設置され
老人たちがそこでビールを飲んで、
音楽を聞いたり談笑したり
さながらビアガーデン状態だった。

ここまで所狭しとテーブルを敷き詰めて、そこにみんな行儀よく座って、知らない人と一緒に過ごすひとときを楽しんでいるのも、あまりフランスではないんじゃなかろうか。もっとこう、フランスでは、他人は他人なところがあると思う。




お約束の、カフェ。
ドイツで頼んだコーヒーは
小さいコーヒーをくださいと言ったのに
フランスに比べると、大きかった。

給仕のお姉さん達はドイツ語しかできなかったので、プー子たちは、あらかじめ調べておいた言葉を連呼した。
クッヒェン(お菓子)!クッヒェン!
国境沿いと言っても、フランス語がそんなに通じるわけではないらしい。
スーパーのおばさんも、フランス語だめだった。



アイン カーヒー ビッテ!
イッヒ ズッヒェ デン クッヒェン!
バイ カルテ ビッテ!

正しいかどうか、知らないドイツ語を連呼するプー子と
後ろで黙って様子を伺うお兄ちゃん。

なんだかんだで、外国気分。

ほんの自転車で15分移動しただけなのに
こうやって外国にいる気分が味わえるのは、悪くない。


帰り道。
ヨーロッパ橋を、ドイツ側から見る。

今度は、
ここから先はケールじゃないですよ
という意味の看板。


ケールの街は、国境のすぐ側にあった。
とても古い街ってわけじゃないけど、ちゃんとそれなりに街だった。
ところがフランス側は、国境のすぐ近くは
これからの新興開発地域で、なんだか無機質で、寂しかった。
ニュータウンができる前の千里中央って感じだった。
この辺は、昔は、何があったんじゃろうか。

フランスとドイツの国境は、なかなか大変な歴史だったそうなので
もしかしたら結構な合戦が繰り広げられたのかもしれない。
国境沿いで、こういうサラ地を見ると、いろいろと考えさせられる。





そういうわけで
今回の戦利品、
シリアルとフルーツティー。
試食が楽しみです。
ふっふっふ。





2015-09-04

ボクたちの家にピアノがやってくる

こんばんは、ボクです。

今日は、とてもいいことがあった。
うちにピアノがやってきた!














本物のピアノじゃなくて電子ピアノなのが、とてもとても残念だけども
うちは引越しが多い家庭なので仕方がない。
何回も転校ばかりして、新しい友達ができなくて屋上に逃げ出したくなって、
長崎あたりでアレヨアレヨという間にジャズを始めても仕方ない。

いつか住む街が定まったら本物のピアノを買う予定なので
それまでのあいだの繋ぎとして、この電子君が来た。
名前はフレデリック。
ショパンから取ったのではない。
ショパンが、この電子君から名前を取ったのだ。


これでついにピアノのない生活から脱出できる!


記念撮影


手慣らしに、ミカちゃんはいろいろな曲を弾いた。
バッハ、ベートーヴェン、シューマン、ドビュッシー…
ドビュッシーは全然指が回っていなかった。
久しぶりなのに難しい曲を弾こうとするからだ。

その中に、セヴラックがあった。
セヴラックの音楽には、トゥールーズの光が溢れていて
ボクはとってもトゥールーズが恋しくなられた。
ああジャルダンロワイヤルの木漏れ日よ…
ボクたちは、なんて遠いところまで来てしまったんだろう。

それからミカちゃんはチャイコフスキーの秋の歌を弾いた。
実はストラスブールは、9月に入ってから涼しい日が続いて、秋っぽくなっている。
今まで南仏で過ごしていた9月と全然違うので、ボクは心の準備ができていない。
ボクはどうかこのまま秋にならないでほしいと思っていた。

けれども秋の歌を聞いていたら
もうそれは秋満開というか秋の終わりの雰囲気がしていて、とても切なくなった。

木枯らしが吹いては落ちた葉っぱがくるくる回っている。
ちょっと秋の陽が当たる瞬間があって、そのときは暖かいんだけれども、
茶色い 葉っぱは静かに散り続けるのだ。
最後の一枚が、ほんの小さな風に吹き上げられて
あっけなく落ちていく、その終わりまで、とっても切ない。
そういう曲だ。

どうもミカちゃんはこれをしばらく練習する気らしくて
何度も何度も弾いていた。
そのたびにボクは、最後の一葉が落ちる切なさを感じた。


ご存知ない方のために、こういう曲です。
ボクは昔、トラダテラヒコというペンネームで
この曲についてエッセイを書いたことがある。

そういうわけで、ボクはすっかり、秋を迎える準備どころか
初雪を迎える準備ができてしまった。

今年はトロイカに乗るぞ!