ボクは、ここのところ、ミカちゃんについて、パリとストラスブールの旅に出ていた。
この旅は、ボクとミカちゃんだけだったので、まあいわば大人の旅だった。
まずはパリ。
ボクは、パリがあまり好きじゃない。
人ごみに疲れてしまう。
そこで日曜日は、
郊外のソー公園へ行った。
ここの近くに住んでいる
サイトー先生に会うためでもある。
ソー公園は、大きな大きな公園で、
四角や三角に切られた樹が整然と並んでいた。
ルイ十四世はここの公園を見て、
ここよりいい公園を建てようと思って
ヴェルサイユ宮殿を作ったそうだ。
なんだ、見栄っ張りだなあ。
ボクたちは、ここの公園でピクニックをした。
お惣菜屋さんに行ってお惣菜を買って、
パン屋さんに行ってパンを買って、
公園の木陰でご飯を食べた。
パリのお惣菜屋には
ボクたちの見たことのない
色とりどりのきれいなサラダや
オシャレな食べ物が並んでいた。
パリのパン屋には
見たことのないお菓子が
きらきら輝いていた。
ボクたちは、バゲット一本を買うのに
とても長いあいだ、並んだ。
パリは都会だと思った。ボクは御免だ。
それからボクは、TGVに乗って、ストラスブールへ向かった。
ボクの隣には、オーレリー・デュポンに似たお嬢さんが座っていて
ボクを見ては、愛くるしいと言って、頬を赤らめていた。
ストラスブールまで、ノンストップで2時間15分です。
ストラスブールの大聖堂。
とっても大きかった。
どれぐらい大きいかというと、
ボクの上にボクが肩車をして
その上にまたボクを肩車をしても
全然まだ足りないぐらい、大きかったです。
ストラスブールの街は、
お花がたくさんあった。
川もたくさん流れていた。
名物は、写真のような木組みの家なんですが、
これは実は、ごく一部の中心部にしかない。
ここは観光客がいっぱい。
それからストラスブールの街は
自転車が多いのでも有名です。
自転車道が必ずといっていいほど
走っていて、車は自転車に
気を遣いながら走ります。
街中には
巨大なシャンプーハットがあった。
ボクは、ストラスブールで、お菓子を食べたかったのに
なかなか食べられなかった。
というのもミカちゃんが、アパート探しをしていたので
それに付き合わされたのだ。
アパートを探すのは大変だった。
いくら電話をしても、誰もでんわ!だった。
それでもなんとかして、三日間で、三軒のアパートを見学した。
ミカちゃんは、アパートが決まったら
ケーキを食べようと言ったので、ボクはひたすら
早くアパートが決まればいいと思った。
ボクは、ケーキさえ食べられれば、アパートなんてどうでもよかった。
一軒目のアパートは
不動産屋のお兄さんがとても陽気だった。
窓の外に緑が見えます、と言っていたけど
見えたのは雑草だった。
これを緑と呼ぶのか…
本物の緑の多い地区だったけど、中心地から遠かった。
三軒目のアパートで
ようやく良いところを見つけた。
静かな、いいアパートです。
ボクたちは、ここに住むことになるらしい。
さあさあ厄介なアパート探しは終わった!
ケーキを食べるぞ!
ボクたちは、前から目をつけていた
サロン土手に入った。
ボクは、ケーキを選ぶのに、いろいろ迷った。
迷って、お店の人に聞いたけど
お店の人はひどいアルザス訛りで
何を言っているのかわからなかったから
見た目で選んだ。
チェリーのタルトです。
生地にナッツが練りこんであって、
とってもおいしかった。
どうも老舗のサロン土手のようで、
外からはわからなかったけど、内装も凝っていた。
ボクはご自分の目利きの力がおそろしい。
樹の重厚な机や椅子が並んでいて、ちょっとだけ、わびすけみたいだった。
ボクは、本当は、たくさんのアルザスのお菓子を食べたかったのだけど、
三日の間に食べたのは、このチェリータルトと、アルザス銘菓クグロフぐらい。
あと、ベトナムのお菓子。
クグロフには、しょっぱいのと、甘いのと、あった。
ボクは、どっちも召し上がった。
しょっぱいのは、チーズ味にベーコンと玉ねぎのかけらが入っていた。
味は、まあまあだった。
甘いのは… ブリオッシュよりも卵の少ない生地に、干しぶどうが入っていた。
そんなに甘くなくて、はっきりいって、パンだと思った。
それで、いくら食べても、なくならなかった。
ボクはちょっと、クグロフには、がっかりした。
ストラスブール大聖堂には
巨大な巨大な仕掛け時計がある。
ボクたちが着いたとき、
2時まであと3分だったので、
2時の仕掛けを見ようと思って、
ボクは暫く待った。
ドキドキ
こんなに大きな時計なんだから
相当すごい仕掛けが動くに違いない。
ドキドキ…
チッ、チッ、チッ、ピーン!
2時になった!
と思ったら、チン、チン、と鐘が二回なって、
上の方の人形が、とっても静かに、右から左へ動いた。
それだけだった。
なんだいなんだい!
これから、夏休みが始まるぞ。
ストラスブールの街は、緑と花と川と自転車が多くて、車が少なくて、
それは住みやすそうだったけど、
南のゆるーい雰囲気はなかった。
ボクたちは、この夏せいいっぱい、南のぬるま湯ダラダラ生活を楽しむぞ。
0 件のコメント:
コメントを投稿