2013-01-18

ボクと初冠雪

ボクです

春は正午過ぎ。
ぬるい空気にかすみがかかって、なんとなく何もかもが白地んで見えるころに
桜の木の下で、重箱に入ったお弁当を広げるのがいい。
濁り酒に花びらが浮かぶのも一興(ボクはお酒は飲まないけれども)。
もう何も食べられないと思ったときでも、花見団子は別腹。
大川に船を浮かべて、あ、ここで会ったが百年目。
このときばかりは、この世にはただ春しかないと信じて疑わない。

夏は昼間。
けだるい暑さに嫌気がさして、窓を閉め切りクーラーをつけ、
お素麺をすする。横には濃い麦茶。
お素麺の上には、錦糸卵にハムとキュウリの細切り。
透き通ったくずもちのぷるぷるした食感と、中のこしあんの冷たさよ。
食べたらお昼寝、竹のござの上に寝て、ほっぺに竹の活版印刷。
絽の着物に紗の帯の組み合わせを考えるだけで、涼しげな気になる。
夕暮れ時には雀の大合唱。

秋は夜。
だんだん過ごしやすくなって、昼間は外に出ていた日の、
家に帰ってきたときに今夜の晩ご飯が栗ごはんと秋刀魚の塩焼きと知ったときの悦び。
秋刀魚の横には酢橘と、まだ辛い大根おろし。
お月見をしながら、土瓶蒸しをすすって、
お月見団子をぽいと食べれば、闇夜にキンモクセイの香りが漂う。
チャイコフスキーの秋の歌に聴きいって、やがて落ちる葉っぱを想うのもよい。

冬は夕方。
真っ暗になったから慌てて家に帰ってきたのに、まだ4時台だったときの、途方もなさ。
ストーヴをたいて、ホットカーペットをつけて、
こたつに入ったところで、相変わらず外は真っ暗。
お腹は空くけど、晩ご飯までまだまだある。
NHKの教育番組を見ながら、肉まんを頬張る。
晩ご飯は鍋。蟹なんて王道もいいが、
石狩鍋とか利休鍋とか、地方色満点の鍋もいい。
そのあとには、こたつの中で食べる
ハーゲンダッツのアイスクリーム!!!

















何が云いたいかというと、ボクは、暖房がないかぎり、冬は嫌いなのです。

今日トゥールーズ市内は、初冠雪を記録した。
でもボクのおうちは天井がとても高いので、暖房の効きがそれほどよくない。
ボクは暖かい地べたに座りたい。こたつに入りたい。
こたつのなかで喉の渇きを感じたい。アイスクリームを食べたい。



人間の足跡と、鳥の足跡。

雪は午後には消えた。



それでも一足早い春も来ている。
去年の暮れから水栽培しているヒヤシンスが、咲き始めました。
いい匂いだけれど、水栽培だからか、そんなに強い匂いじゃない。


先日結成したロックバンド、名前が決まらない。
ボクはローリングスプーンズがいいと思うのだけど、
プー子ちゃんは、ハデヘンドリックスがいいと譲らない。

そんなプー族の日々です。

2013-01-13

プー子とガレット・デ・ロワとバンド結成

プー子です。

今の時期のフランスといえば、ガレット・デ・ロワ galette des rois!
東方の三博士が幼子イエスを表敬訪問したのにちなんだお菓子だそうです。
1月6日ぐらいに食べるのが本当らしいけど、1月中は売られている。

このお菓子はまんまるのホールで買うのが定番です。
というのもこのケーキには有名な遊びがある。
ケーキの中に、フェーヴという陶器のオブジェが入っていて
その陶器の入った部分を当てた人が、その日の王様(女王様)になる。
フェーヴを当てると、何でも好きな命令ができるという
なかなか権力を揶揄した遊びで、
決め台詞は「民間なら当たり前」。
だからこのケーキを買うときは、お店のひとが、紙でできた王冠をつけてくれる。

中にアーモンドクリームが入ったパイ生地のケーキが有名だけれども、
実はブリオッシュ生地のケーキもあって、先輩によると、これは南部のお菓子らしい。
もちろんトゥールーズは南フランスなので、両方売られています。
ブリオッシュ生地の中でも、フルーツのシロップ漬けが入ってるのがリムーLimoux風
オレンジフラワーの香り付けをしたのが、ロワRoiです。

今回プー子たちは、先輩と一緒にパイ生地を食べ、
ピエールおじさんと一緒にロワを食べた。
フルーツのシロップ漬けは化学的な緑色なので、遠慮した。

食べるに先立って、プー子たちは、プー族会議をひらいて、
どうしたら百パーセントの確率で
フェーヴを引くイカサマができるか、思案に思案を重ねた。
自分たち以外に王様ができるなんて、まっぴらごめんだから。

結局、ケーキをまるごと食べるか、
細かく切っていって、包丁が何か固いものにあたったら、
知らぬ顔をして、そのパートを食べる、というのが有効だという結論になった。

その結果。プー族は王様になりました。いえい。

こちらが、当てたフェーヴ。
細工が細かいです。
















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今の時期のフランスといえば、ガレット・デ・ロワの他に、セールもあります。
フランスのセールは法律で期間が決められていて、今週始まったばかり。

プー子は、最近Charにはまっているので、
プー子のサイズのエレキギターと、プー子のサイズのアンプが欲しいと思っている。

そしたらそれを聴いたお兄ちゃんが
「プー子ちゃんがギターをするなら、ボクはタンバリンをする!」と言い、
エセル卿が
「わ、ワタクシは、合いの手を入れます!」と言ってくれた。
そういうわけで、プー子たちは、ロックバンドを結成することにした。

ギター&ボーカル:プー子
タンバリン:お兄ちゃん
コーラス:エセル卿

1月13日、結成。いえい。
まずはCharかジュリーのカバーから始めたいと思うけれども
それより前に、ギターを見つけるところから始めなければいけない。

そういうプー族の毎日です。

2013-01-05

ボクは働き者

みなさん、あけましておめでとう
プー族はお元気です

ボクたちは鴨そばを食べて年をこした。
元日は、毎年のことながら
「なんちゃってお節料理」を食べた。
今年は、黒豆も昆布巻きもあったので
わりと本物に近かった気がする。
その他に煮しめ、出し巻き卵、鯛飯にお吸い物。

けれどもおせち料理というのは塩辛いので
食べてもすぐ、おなかがいっぱいというか
もう食べたくなくなる。
そして何時間か経ったらすぐにおなかが減る。
サラダとかさっぱりしたものが食べたくなる。





ボクのお誕生日は豪華だった。
お誕生日の朝、窓を開けると、
ウィーンフィルが道に待機していて
いっせいにハッピーバースデーを演奏してくれた。



ボクは去年から、働かないように努力している。
けれどもどうやらボクは本来働き者のようだ。
どれだけ働かないように努力しても、
ボクの脳は働き者で、寝ている間もついつい働いてしまう。
それでボクは、寝ているあいだも
いろいろな絵を見たり、話を作ったりしている。
これはやめようと思ってもやめられない。
こんなに働き者だなんて、ボクは作家の鏡だと思う。

それをもとにまた新作を書いてしまった。
『夢十一夜』です

今年もよろしく。