2011-07-20

ボクたち、初めてのオペ?

ボクは世界的に有名な外科医、プー。
手術刀をもたせると、ボクの左に出るものはいない。

ボクの妹は、オペ室専属の敏腕ナース、プー子ちゃん。
デビューはミラノスカラ座で、夜の女王だった。


さて、
7月なのにアルプスでは雪で通行止めになってる今日このごろ、
先月に引き続いて、今月も、ミカちゃんが食あたりになって寝込んでいる。
これは最強兄妹の出番じゃないのか、
ボクたちは早速、枕元でプー族会議。
「これは手術だね、プー子ちゃん」
「これは手術だわ、お兄ちゃん」
全会一致で、手術が決定。
ああ初めてのオペだ、腕がなるぜ。

ところがメスが見つからない。
一体この部屋は、どこにメスが置いてあるんだろうか
「台所の方だろうか…」とボク
「書き物机の辺りもあやしいわ」とプー子ちゃん。

そこへ、エセル卿
「待ってください!
食あたりに手術は要りません!
日にち薬なんです!」


顔を見合わせるボクとプー子ちゃん。
「日にち薬だって、プー子ちゃん…」
「出番がないわ、お兄ちゃん…」


なーんだ、つまんない。
そういうわけで、ボクたちは病床でごろごろと
食あたりで食が細くなっている人には
耳に毒だから聞かせないほうがいいもの、は何だろう、とプー族会議をしている。

オペの代わりに初めてのオペラ風会議。
スパイシ〜なインドカレ〜(ぷわぁ〜)
カラッと揚がったサクサクドーナッツ(ぴろぴろぴろぴろ)
脂のぉー のおーぉったぁーうなぎぃー(どどーん、じゃーん)
ボクは今、極上の青椒肉絲が食べたい。
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RIMG0206, a photo by mikans101 on Flickr.

2011-07-17

ボク、ラ・ロシェルを歩く

ロシュフォールを出たボクたちは、
そのすぐ北にあるラ・ロシェルという街に行った。
古いふるい港町で、洗練されたマルセイユ、という印象だ。
これは港の大時計、ボクはちょっと、
魔女の宅急便の街みたいだと思った。
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RIMG0260, a photo by mikans101 on Flickr.



こちらは日曜日のマルシェ、
とても活気がある。
フランスにしては珍しく、魚屋さんが多くて
フランスにしては珍しく、魚が美味しい。
でもこれは野菜のマルシェの写真。
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海上バスで移動するボクとエセル卿。
朝なので、プー子ちゃんはまだ寝ている。
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いつもトゥールーズを出て気づくのは
街が赤くない、ということ。
トゥールーズは「バラ色の街」をキャッチコピーにしているので
街中はほとんどレンガの建物、赤色だ
だからたまに他の街に行くと、
「ああ、赤くない!」
ちょっと目がスッキリする。

ラ・ロシェルは白い。
トゥールーズが赤で、ラ・ロシェルが白だから、
トゥールーズ、ラ・ロシェル、トゥールーズ、ラ・ロシェルと並べておくと
これは紅白でとっても縁起が良いから、ぜひそうしたらいいとボクは思う。

港町の日曜は、とっても気持ちよかった
下に写真をならべるので、
顔を左に90度傾けて、画面をずずーっとスクロールしてほしい
なぜかというと、ボクたちのカメラには
パノラマ機能がないからだ。
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RIMG0261, a photo by mikans101 on Flickr.



かつてロシュフォールやラ・ロシェルからは
イギリスへと向けた軍艦が発っていった
遠く故郷を思うエセル卿
「エセル卿、ビー・アンビシャス!」
「はい、プーちゃん!」
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※後日談
旅を終えて、トゥールーズに帰ってきたボクたちに
大家さんがやってきた。
なんでも、ラ・ロシェルにいる大家さんの親戚の娘さんが
ボクの大ファンらしく、ぜひボクを
ラ・ロシェルにご招待申し上げたい、と言ってるらしい。
ボクは、ラ・ロシェルはもう一度行きたいけど
あまりに最近行ったもんだから、どうしようかと考えあぐねて
考えあぐねたので 眠くなっている。

2011-07-13

ロシュフォールのプー子たち

夏の旅、三日目。
訪れたのはロシュフォール、大西洋沿岸のまち。
ここは『ロシュフォールの恋人たち』という
プー族遺産に認定されている映画のロケ地で
プー子たちはずっと前からロケ地めぐりをしたかった。
とってもハッピーになるミュージカル映画よ。
少しyoutubeのリンクを貼っておく
有名な双子の歌
Les Demoiselles de Rochefort


今回たまたま、
お友達のお父さんがこの近くに住んでいらっさって
プー子たちを泊めてくださるというので、お言葉に甘えた。
お父さんは、お友達とおんなじ目をしていた。

これは映画のなかで何回も出て来た広場
2006年に改装されていたけど、当時の面影がある
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RIMG0156, a photo by mikans101 on Flickr.



映画は45年前に撮られた。
映画のなかで、窓や壁が色とりどりに塗られていたけど
それはもうほとんど色あせている…
学校からでてくるブブ、をエセル卿が演じてくれたけど
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当時綺麗にぬられていた学校も、長年の潮風でぼろぼろ
ちょっと侘しい
映画では、ここでジーン・ケリーとフランソワーズ・ドルレアックが出会う
「マドモアゼル、下着がはみでてますよ」というところ
Andy Amoureux
このシーンで、ジーン・ケリーは前を見ずに車を発進している。


それでもなんとなく街の雰囲気はそのまま
土曜日だったので、広場ではアメリカ祭りがやっていた、
それがちょうど、映画の中の海祭りみたい。

これが映画の海祭り
Chanson d'un jour d'été
フランスのミュージカルって、歌がうまくないから味がある。
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これが2011年のアメリカ祭り
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ああ、またあの映画が観たくなっちゃった!
次はプー子主演でどうかしら
マドモアゼルの帽子だって、似合うと思うんだけどな。
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2011-07-12

ベルジュラックのプー子たち

ただいまフランスはバカンスシーズン
大きなリュックを背負ったバックパッカーをよく見かけるようになった。
彼らは旅人、ただ旅に出るために旅をする…

そういうわけで、プー子たちも、小さな夏の旅にでた。
まずベルジュラックに行って、それから大西洋沿岸のロシュフォールとラ・ロシェルに行った。
以下は第一弾、ベルジュラック篇。
(早春スペイン旅行のことも、そのうち書く)

プー子たちの地図。大体いつもこんな感じ。
こういう地図でも、今まで殆ど迷ったことがない。
唯一の例外はマラケシュの旧市街…
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RIMG0004, a photo by mikans100 on Flickr.



ベルジュラックといえば、
長鼻の白野さん!
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お兄ちゃんが教えてくれたけど、
この街は白野さんとお六さんの純愛物語で有名らしい。
婚約をしていた若い二人、
ところがお六さんは富豪と結婚してしまう。
ドルドーニュの河べりで、お六さんを問いつめる白野さん、
口をわらないお六さん、「ええい、ダイヤにめがくらんだか!」
白野さんは、お六さんを蹴りとばす!

でも白野さんもお六さんも、
たぶん日本の人なのに
どうしてわざわざドルドーニュまで行って痴話喧嘩をしたんだろう
ああ嘆きのお六さん

ベルジュラックというのはなんとも長閑な街で、
時間がゆっくり流れる、とはまさにこういうこと。
お花が沢山、街の人たちはにこにこ。
プー子たちはたくさんお昼寝をした。
郵便屋さんも、自転車でのんびり配達する。
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葉っぱがきらきら
カフェでゆっくり本を読むのがとっても気持ちよかった。
エセル卿に白野さんの話を聞かせるお兄ちゃん。
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けれどもプー子たちが今回この街に来たのは
白野さんの純愛物語のためじゃなくて
メーン・ドゥ・ビランといふ人の足跡を辿るため。

「お兄ちゃん、メーン・ドゥ・ビランさんって何する人?」
「それはね、プー子ちゃん、有名なお菓子職人だよ。
ミルフィーユを最初に考えついた人さ」
「へー、それはすごい!」

そういうわけで、ビランさん家
残念ながら閉まっていたので、外から、不法侵入にならない程度に眺めた…
ビランさんは、中で新作のお菓子を作っているんじゃろうか
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ビランさん家に続く並木道。
お兄ちゃんによると、ここの樹の葉が、ビランさんに
ミルフィーユ(フランス語で千枚の葉っぱ)のインスピレーションを与えたらしい。
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その他ビランさんのお墓、ビランさんのワイン、ビランさん通りなどなど…
みんなやっぱりミルフィーユが好きなのだと思った。
こうしてプー子たちの旅の一日目は過ぎていった。

2011-07-03

ボク、煙が目にしみる

最近は暑かったり寒かったり。
でも暑いかな。
このところボクはウィンブルドンの解説で大忙し。
なんてったってゼロ番シード、
永遠に世界ランキング0位なんだから、仕方がない。

少し前に、息抜きがてら、ピクニックに出かけた。
小高い丘の上、ああ気持ちがいい。
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飛行機雲がたくさん
蹴鞠に興ずる人々
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ユリちゃんがボクに煙草をすすめる。
なんだって、そんな、ボクは、不良じゃないぞ
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ボクは、ああ…

案外、おいしい。
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煙草に埋もれるボク。
別にユリちゃんだったから
断らなかったわけじゃない。
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いやはや最近のウィンブルドンで疲れたボクには
とてもよい息抜きになった。
フランスにくると阿片を吸わされる、
というのは本当ですね。
一人前のボクは、阿片のひとつやふたつ、吸えなきゃいけない。
そういえば篤姫で、滝山を演じていた稲森いずみも
おいしそうに煙管を吸っていたっけなあ。
あの稲森いずみは綺麗だったなあ。
ボクもそのうち、けだるさそうな顔をしてオープンカーに乗って
ゴダール映画にでも出てみようかしらん
ジャン=プー・ベルモントだ
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ボクは体が小さいから、吸いすぎないようにしないと。
それよりも、プー子ちゃんにバレないようにしないといけない。