不思議なことがあった。
ある夕方
ボクが、プー子ちゃんと、ジェラートを食べていたときのことだ。
キャピトル広場にできたイタリアンジェラート屋が
最近のボクたちのお気に入り。
ここは一つのカップに何種類もフレーバーをのせてくれる
そのどれもが、とっても美味しい。
「これは、マンゴーとフランボワーズとリモーネとココナッツよ」byプー子ちゃん
それはともかく、
ボクたちが美味しくジェラートを召し上がっていたとき
目の前を、執筆仲間が通りかかった。
売れっ子の劇作家&ドラマ作家のMさんだ。
今年は生誕50周年企画で、
いやなにより今は、その、いろいろと忙しいはずじゃあないのか?
なんでトゥールーズにいるんだ??
色々な疑問がボクの愛くるしい頭のなかをかけめぐる
Mさんは、メガネがずり落ちそうで、心なしか、ちょっと疲れ気味
それだけでも十分驚いたけど、なにより驚いたのは
彼は頭の上に赤い洗面器を乗せて歩いていたんだ…
洗面器には水が沢山はいっていて、
それをこぼさないように、Mさんはゆっくり、ゆっくり、歩いていた。
なぜ、洗面器?
ボクは、声をかけていいものか、迷った。
それほど親しいわけでもないし、
ああ、でもどうしても気になることがあるんだ…!!
意を決して、ボクは、Mさんに声をかけた。
「あの、もし、三谷さんですか?
あの、どうして…
どうして…
チョコレートアイスが溶けるのは、
チョコレートのせいですか?アイスのせいですか?」
ボクに気付いたMさんは振り返り、ゆっくりと口を開いた…
「それはね、プーちゃん…」
「それは…」
おっと、白い粉の時間だ。ボクは行かなくちゃ。続きはまたこんど。
(夜のキャピトル広場。洗面器の三谷さんは、左上あたりに見える)
0 件のコメント:
コメントを投稿