こんにちは、ボクです。
6月恒例のプー族慰安旅行で、ボクたちは再びトゥールーズの地を訪れられた。
ストラスブールからトゥールーズまで、ボクはボク専用飛行機で、プー子ちゃんは歩いて、行った。エセル卿はお留守番だった。
なぜなら、今回はとても危ないミッションがあったからだ。
そのミッションとは...
ミディ観測所へ行くこと!
ミディ観測所というのは、ピレネーの山の中にある観測所だ。
Pic du Midiという、山の一番高いところにある。その標高は2877メートル。
ピレネー山脈というのは、山が線状に連なっているというよりも
もう、ほんとうに、山だらけの地帯のことだ。
中に入ってしまえば、周りは360度、山だ。
山は、危険だ。一歩間違えば、命を落とす可能性もある。
ボクは山頂暮らしが長かったので山に慣れているし、
プー子ちゃんは五大陸の高い山はすべて走破した。
けれどもエセル卿は山慣れしていなくて小さいので、
ピレネーの山から落っこちたら、助からない。
そういうわけで、エセル卿はお留守番。
観測所に行くので、ボクとプー子ちゃんは、観測隊を結成した。
観測隊を結成してから、さて何を観測しようかと考えた。
カエル... ブロッコリー... 色々考えたけど、
一つのことだけを観測するなんて、視野が狭すぎる!
ボクたちは目に入るすべてのものを観測する観測隊になることにした。
さて、ミディ観測所へ行くためには、
自力で山を登る方法と、他力で山を登る方法がある。
ボクは仏教徒なので、迷わず他力を選んだ。
ピエールおじさんの運転する車に乗って、
標高1800メートルのゴンドラ乗り場まで到着。
車を降りると、羊やヤギがメーメー言っていて、とても牧歌的だ。
ここからゴンドラが出ている。
ふだんはスキー場らしい。
リゾートアパートがいっぱいあった。
ピレネー名物のグレートピレネー犬もいた。日本人観光客もいた。ボクはセシルクラブのパオを思い出した。
まだ6月だからか、どちらかというと閑散としていた。順番を待つ必要もなく、ゴンドラに乗り込んだ。とにかく他力だ。
ゴンドラの中は小学生の一団がピーピーギャーギャーうるさかった。6月は学年の終わりなので、遠足シーズンなんだそうだ。小学生は、我先にとゴンドラのかぶりつきに行こうとしたので、ボクも負けじと、先頭を譲らなかった。
さあ、ゴンドラが出るよおー
中継駅を経て、ゴンドラに2回乗った。中継駅といっても、途中の山の山頂のことだ。つまりボクたちは、ゴンドラに乗って二つ先の山のイタダキマスまで行ったのだ。こんなところ、自分で歩いて行く気にはなれないね。他力万歳。色即是空。
ゴンドラからの風景。
ピレネーは山だらけの場所なので、その山の中を、ゴンドラは進んでいく。ボクは鳥になった気分だ。
中継駅から観測所までは、支柱が一本もなかった!
27000メートルあたりから、雲が出てきた。その雲の中に、見えてきた、ミディ観測所!大きい!!ラピュタ!!
空気が薄くて息苦しかった。山慣れしているボクは高山病にならないように、しっかり呼吸をして、水を飲んだ。
雲の中で、記念撮影
観測隊隊長プー、隊員プー子ちゃん
こんなに高いところだけど、中にはレストランやビストロがあった。プラネタリウムもあった。ボクはビストロで、シブーストタルトを食べた。これは高山病予防のためである。
中は新しくて、宿泊施設もあって、結構快適そう。巨大なタンクがあるらしい。
ゴミは、備え付けのゴミ箱に捨てたけど、そのあと、一体どうやって捨てるんだろう??ここには焼却炉はないから、ゴンドラで下までおろすのかな。物資はゴンドラで運ぶのかな。祝詞は誰があげるのかな。山頂生活の長いボクは、色々なことを考えた。
雲がひらけて下が少し見えた。湖が凍っていた。飛んでいる鳥も、下界では見かけないものばかりだった。観測隊は、観測するのに忙しいよー
きっと晴れていたら、全面的に絶景だったんだろうな。ボクたちは諸事情で午後にしか行けなかったけど、やっぱり高い山に午後に行くと、雲が出やすいんじゃないかな。今度は午前中に行きたいな。
またトゥールーズに行きたいな。