クリスマスの翌日、ボクたちは南仏にやってきた。
ストラスブールからトゥールーズまで飛行機で来た。
早朝に家を出て、朝8時にトゥールーズに到着。
飛行機のアナウンスによると、到着時の気温は摂氏8度。
なんだって!
8度というのは、ストラスブールでいえば最高気温で出てくる数字だ。
それが朝の8時に8度とは。さすが南に来たもんだ。
実際、トゥールーズは、曇っていても明るい。
ストラスブールの雲はもっと分厚く、のしかかる感じだけど
トゥールーズは青空が透けて見えるような曇りだ。
暖かい。道ゆく人が毛糸の帽子を被っていない。
明るいトゥールーズで、美少年登場。
トゥールーズでユウコちゃんの赤ちゃんに会った。赤ちゃんは、ボクのファンになると言っていた。
そしてトゥールーズを通って、サンゴーダンスまで。
ピレネー山脈が見えます。
ピエールおじさんの実家にお泊まりしている。
本当は、車を借りて、この辺をうろうろするはずだったのだけど、ピエールおじさんが免許証をストラスブールに忘れてきたので、ボクたちはこの村から動くことができない。
遠くの雪山は、スペインだ。
サンゴーダンスに着いてから、ピレネーふもとの山嵐が吹き荒れているけど、それでも天気の収まった頃合いを見計らって、少しずつ散歩しています。
この樹は緑の苔に覆われていて、とても綺麗。
他の場所では、マグノリアも蕾をつけていた。
やっぱり、明るい南仏には、色がある。春が近い。
ピエールおじさんの実家にはプーペットという猫がいた。でもこの9月に老衰で死んでしまったらしい。今は庭のオリーブの樹の横に埋められている。ボクは曹洞宗の僧侶なので、供養をした。
新しい猫は、ベベという三毛猫だ。
人懐っこくて、なかなか愛想のいい猫だ。
ボクは、毎日、暇なので、庭にやってくる小鳥を眺めている。
メザンジュブルーのイワオさん。
ボクはやっぱり、メザンジュブルーが大好き。
シジュウカラより一回り小さいけど、シジュウカラと一緒に行動することもある。
喉の赤い、ロビン。
ロビンは、たまにしかやって来ない。
他の鳥のご飯時間にはあまりやって来ない。
他の鳥がいると気が引けてしまうようだ。
一番多いのは、シジュウカラ。
ぷくぷく太っている。
よく集団で行動しているので、一羽やってきたと思ったら、すぐに仲間が増える。
ごく稀に、タカもやってくる。
タカがいるときは、小鳥たちは現れない。
「小鳥遊」と書いて、タカナシさんと読むのは、自然の理にかなっているらしい。
小鳥たちを見て過ごす
なんて静かな年末なんだ。
と、思っていたら!
ボクの目の前で、猫のベベが、メザンジュブルーのイワオさんを捕まえた!
ベベはイワオさんをくわえて、のっしのっしと嬉しそうに歩いている。
くわえられたイワオさんと目があって、ボクの小さなお胸は張り裂けそう!
人間がイワオさんを離させようとしたけど、ベベはなかなか離さない。
やっと離したと思ったら、イワオさんは負傷のせいで、もう高く飛べない。
逃げ回るイワオさんを捕まえて楽しむベベ。
なんて残酷なんだ!!!
ああボクは、なぜあのとき、イワオさん逃げてと叫ばなかったのだろう。
どうしてどうしてボクたちは出会ってしまったのだろお
暴力現場を食い止められなかったのは、文豪として責任が重い。
かわいそうなイワオさん。
ボクは、ネコもかわいいなあ、うちにもちょっと飼ってみたいなと思っていたけど、ヤメだヤメだ。あんな凶暴で残酷な生き物は、ボクんちでは御免こうむる。
ボクは小鳥の味方なのだ!
イワオさんのご冥福をおいのりします。あーめん
皆さん、良いお年をお迎えください。