こんばんは、プー子です。
最近ブラームスを歌ってます。
このところは、どんどん暖かくなってきて、ずいぶんと過ごしやすくなった。
やっぱり今年は暖冬なのだ。
先日うちのヒヤシンスが開花した。
とってもいい匂いだったので、
プー子は次の歌会のために、ひとつしたためた。
このところミカちゃんの耳の聞こえが悪いというので
こないだの金曜日、ついに補聴器屋さんに行くことにした。
お兄ちゃんは、ウィーン少年合唱団の練習があったので、来なかった。
日本では、補聴器屋さんに行って、
耳が悪いんですといえば補聴器が作れるらしい。
ところがフランスでは、
補聴器屋さんに行くには、耳鼻科医の処方箋が必要で、
耳鼻科医にかかるには、一般医の紹介状が必要なのだ。
もちろん一般医も、耳鼻科医も、予約制。
そういうわけで、補聴器を作ろうと思ってから
結構な時間がかかってから、ようやく、やっとこさ、
補聴器屋さんデビューを果たしたわけであーる。
とりあえずイエローページで何軒か目星をつけて、
補聴器屋さんに乗り込んだ!
ところがどっこい、一軒目の補聴器屋さんは、
予約制だと言われたので、来週の火曜日を予約した。
一軒だけで補聴器を決めてしまうのは憚られるので、
比較のために、もう一軒行こうと思った。
ところが二軒目の補聴器屋さんは、昼休みで閉まっていた。
三軒目の補聴器屋さん は、おかしかった。
外見は新しそうなお店だったけど、
中に入ったら、80年代かと思うような内装だった。
テーブルも壁も、白が変色したようなクリーム色で統一されていた。
受付にはヒゲの生えたお婆さんがいた。
プー子(おそるおそる)「補聴器の見積もりをお願いしたいんですけど
...」
お婆さん(顔をしかめて)「どうして見積もりが要るの!?」
プー子「だって、補聴器を作りたいんですもの」
お婆さん「見積もりなんて作れないよ、何がいいかわからないからね。
色々あるからね。なんでも試してみなくちゃね。」
プー子「えー」
お婆さん「じゃあね、店の奥にね、補聴器を作る専門の人がいるからね、
今来客があるからね、あと30分待ったら診てあげるよ。
ところで、処方箋はあるのかい」
プー子「あります」
お婆さん「じゃあちょっと見せて。はい、今すぐ。
ふむふむ。
じゃあこれは預かっておくよ。30分後にまたおいで」
プー子「え!処方箋預かるの、お婆さん」
お婆さん「そうさ、プー子ちゃんがちゃんと30分後に帰ってくるようにね」
プー子(え、処方箋、人質やん... 個人情報...)
そこでプー子は、最初はお婆さんのオシの強さに押されて、
つい処方箋を人質にとられたまま店を追い出されたけれど、
やっぱり、どう考えてもおかしいので、
すぐもう一回お店に戻った。
プー子は、ここで負けてはいけないと思った!
プー子「おばあさん!プー子は今日時間ないの、また来るから、処方箋返して!」
お婆さん「何言ってんの、もうすぐだからお待ちなさい」
プー子「時間ナイネン!」
お婆さん「じゃあ見積もりは要らないのかい?」
プー子「要らない!」
お婆さん「本当に欲しくないのかい?見積もり?」
プー子「要らないったら要らない!さようなら!」
半ば強引に処方箋を取り返して、お店を出た。
ドキドキはしなかったけど、なんだか悪いことをした気もした。
だけど、こんな変なお店で補聴器なんて作ったらどうなるかわからない。
お店の雰囲気といい、なによりあのお婆さんといい、なんだか不思議な空間だった。
プー子は、これでいいんだと思うことにした。
結局、二軒目のお店が、昼休みがあけていたので、
二軒目のお店に行くことにした。
ここも予約制。でもこのお店は感じは良かったので、
結局来週に予約をとって、その日まで待つことに。
なんでもかんでも予約制、
予約制だけに、予約せい
結局ほとんどなんにも進まなかった。
補聴器を作る道は、長くて険しい。
ストラスブール
ゲーテの住んでいた家
ゲーテとは、
お兄ちゃんのペンネームらしい。